甲状腺の腫れ・のど奥の炎症
首の前側が腫れている気がする、のどの奥に違和感がある、飲み込みづらさが続く。
そのような症状があると、「風邪が長引いているのかな」と思われる方も多いのですが、実際には「甲状腺の腫れ」や、「のど奥の炎症」が関係していることがあります。
のどや首まわりの症状はご自身で場所を特定しにくく、痛みが強くない場合は様子をみてしまいがちです。
違和感が続くときや甲状腺まわりの腫れ、つかえ感、声のかすれを伴うときは状態をきちんと確認することが大切です。
当院では耳鼻咽喉科の立場から、のど奥の炎症だけでなく、甲状腺など首の前側の腫れや圧迫感についても丁寧に診察しています。
甲状腺は首の前側にある臓器で、その腫れがのどの症状として感じられることがあります。また一方で、のど奥の炎症が違和感の原因になっていることもあります。
お口から見える範囲だけで判断せず、症状の場所と本当の原因を整理しながら、必要に応じて適切な専門医療機関とも連携して対応しています。
どのような症状がみられるか
甲状腺の腫れやのど奥の炎症では、次のような症状がみられることがあります。
・首の前側(甲状腺)が腫れている感じ、しこりがある
・のどのつかえ感、飲み込みにくい
・飲み込むと違和感や痛みがある
・のどの奥がヒリヒリする、何かある感じ
・首を押すと違和感や痛みがある
・痰がからむ感じ、風邪が治りきらないような不快感
・声がかすれる
症状の出方には個人差があります。
甲状腺の腫れでは、はっきりした痛みがないまま「首の前に何かある感じ」「飲み込むと違和感がある」と表現される方もいらっしゃいます。
反対に、のど奥の炎症では、痛みよりも、つかえ感や鼻の奥とのどの境目の不快感として感じることがあります。
症状の場所があいまいなため、自己判断が難しいことも少なくありません。
主な原因
首やのどの違和感を引き起こす「甲状腺の腫れ」や「のど奥の炎症」には、それぞれ以下のような病気や状態が原因として隠れています。
甲状腺が腫れる原因
耳鼻咽喉科の領域で「のどの違和感」や「首の腫れ」として見つかりやすい甲状腺の病気には、主に以下のようなものがあります。
- 甲状腺の腫瘍(良性・悪性)や結節:痛みのない「しこり」として首の前側に現れ、大きくなると、のどの圧迫感やつかえ感、飲み込みにくさの原因になります。
- 甲状腺の炎症(亜急性甲状腺炎など):強いのどの痛みや発熱を伴って腫れるため、「風邪が長引いている」「のどが痛い」と思って耳鼻咽喉科を受診し、見つかることがよくあります。
- 甲状腺のう胞:内部に液体のたまった袋状のしこりで、急に大きくなって首の腫れや違和感を生じることがあります。
のど奥が炎症を起こす原因
咽頭や上咽頭などの粘膜に炎症が起こり、それが長引く原因には以下のものが挙げられます。
- ウイルスや細菌の感染:いわゆる風邪が治りきらず、炎症が慢性化してしまうケースです。
- 鼻の病気(後鼻漏):アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎によって鼻水がのどに流れ落ち、粘膜を刺激し続けることで炎症を引き起こします。
- その他の刺激:口呼吸による乾燥、喫煙、胃酸の逆流(逆流性食道炎)、声の酷使なども原因となります。
そのほかの首やのどの病気
上記のほか、声帯ポリープや周囲の神経の異常などが原因で違和感が生じることもあります。 特に「声のかすれ」を伴う場合や、片側だけの違和感が長引く場合は、別の病気が隠れているサインでもあるため、丁寧な診察が大切です。
当院での処置や治療法
治療を考えるうえで大切なのは、どこに原因があるのかを的確に整理することです。
のどの違和感があっても、甲状腺が原因のこともあれば、鼻の奥やのどの粘膜の炎症が原因のこともあります。
のどと首を丁寧に診察します
お口から見える範囲だけでなく、首の触診も含めて状態を確認します。
必要に応じてファイバースコープ等を用い、鼻やのどの奥の状態もあわせて直接みていきます。
症状の場所と原因の場所が一致しないこともあるため、全体をみることが大切です。
原因に応じた治療
のど奥の炎症が原因であれば、その炎症を抑える治療(ネブライザー治療や内服薬など)を行います。
鼻炎や後鼻漏が関係している場合には、鼻の治療が役立つこともあります。
甲状腺の腫れが考えられる場合には、その状態に応じて適切な検査や連携先をご案内します。
必要に応じて専門医療機関と連携します
診察の結果、甲状腺の詳しい検査や専門的な治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関へ速やかにご紹介します。。
よくある質問
Q1. のどが痛くないのに違和感だけあるのですが、受診した方がよいですか
A1. 痛みがなくても、のど奥の炎症や甲状腺の腫れが関係していることがあります。
違和感が続くときは、一度確認しておくと安心です。
Q2. 首の前が少し腫れている気がします。耳鼻咽喉科で相談できますか
A2. ご相談ください。
甲状腺の腫れは、のどの症状として感じられることもあります。
まずは状態を確認し、必要に応じて適切なご案内を行います。
Q3. 風邪が治ったあとも、のどの奥がずっと変です
A3. 上咽頭や咽頭の炎症が残っていることがあります。
軽い風邪と思っていても、見えにくい場所の炎症が長引くことは少なくありません。
Q4. 声のかすれもありますが関係ありますか
A4. のどの炎症や首まわりの状態が関係していることがあります。
声のかすれが続く場合も、早めに確認することが大切です。
