局所免疫療法とは
・局所免疫療法は人工的にかぶれの反応を起こし、その刺激で発毛を促す治療法です。
・保険適用はありませんが、日本および世界でも有効性、安全性とも確立されており、日本皮膚科学会の円形脱毛症治療ガイドラインでも有効な治療のひとつとして推奨されています。
・円形脱毛症は
単発型(頭部の1か所に円形の脱毛)
多発型(頭部の複数箇所に円形の脱毛)
全頭型(頭部の毛髪全てが脱毛)
汎発型(頭部以外の部位も脱毛)
の4つの病型がありますが全ての病型に対応できます。ただ、重症例では有効性が下がる可能性があります。
・小児例でも基本的には安全に治療可能です。
治療の実際
①まず、治療の準備段階として、かぶれやすい物質を体の一部に貼り、かぶれの反応を確認します。このかぶれやすい物質としてタイトルにもあるSADBEという物質を使用します。

SADBEの貼付例(腕は院長です)

SADBE貼付2日後
赤くかぶれている反応が確認できます。
※ SADBEとは
自然界にはない強力な感作誘導物質(アレルギー性のかぶれを起こす物質)です。
自然界や日常の環境下には存在しないため、これにかぶれるようになっても日常生活で何かにかぶれやすくなるということはありません。
②低濃度のSADBEを患部に塗布します。塗布は1週間に1回程度の頻度で継続します。症状を見ながら濃度を調整していき、わずかに痒みが出る程度の濃度まで上げていきます。

塗布の実際(写真はイメージです)