新型コロナ感染症の感染予防や重症化予防のために大切な役割を担う「新型コロナワクチン」。しかし、ワクチン接種での副反応が少なからず報告されています。
- ワクチンの副反応が強く出てしまったがどうすればよいかわからない
- ワクチンの副反応が長引いているが、相談する先が見つからない
などといった方のために、一之江駅前ひまわり医院では、新型コロナワクチンでの副反応や後遺症に関する相談も承っております。
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新型コロナワクチンの「副反応」とは?
副反応とは文字通り「薬の本来期待する反応とは別の反応のこと」を指します。
例えば、新型コロナワクチンの場合「新型コロナに感染しにくい」「新型コロナにかかったとしても重症化しにくい」などが効果であり、本来期待する反応です。
一方、「新型コロナワクチンによって具合が悪くなった」「新型コロナワクチンで痛みがでてきた」というのは本来期待すべき反応ではないので「副反応」ということになります。
新型コロナワクチン「副反応」の症状は?
新型コロナワクチンの副反応には、例えば次のようなものがあります。
- 局所反応(腕の痛みや腫れ)
- 疲労感
- 頭痛
- 筋肉痛
- 悪寒
- 関節痛
- 消化器症状(下痢や嘔吐など)
- 発熱
他に3回目ワクチン接種では、わきのリンパ節の腫れが多いことも特徴の1つ(ファイザー製5%程度、モデルナ製20%程度)。
時間の経過とともに自然に収まりますが、乳がん検診の際にはリンパ節の腫れが誤った判定がなされないように、乳がん検査の検診医にワクチンを受けたことを報告したほうがよいでしょう。(詳細はこちら)
新型コロナワクチンの重大な副反応は?
2022年3月18日に施行されたいワクチンで医療機関で報告されたものは以下の通りです。
ファイザー製ワクチンは、2021年2月17日~2022年2月20日までに約1億8000万回接種されており、副反応疑いで報告されたもののうち、重篤な報告なものは約5,800件、死亡に至ったのは1,430件(100万回接種あたり7.8件)報告されています。
またモデルナ製ワクチンは2021年5月22日~2022年2月20日に約3800万回接種されましたが、副反応疑い報告例のうち、重篤な副反応は約740件、死亡に至ったものは82件(100万回接種あたり2.1件)でした。
ワクチン接種の中で、3回目接種後の副反応で死亡された事例はファイザー製ワクチン28件(100万回接種あたり2.2件)、モデルナ製ワクチン16件(100万接種あたり2.7件)でした。
ただし、これは「ワクチンだけで1430例死亡している」ということを意味するわけではありません。実際はもっと少ないものと思われます。というのも、実際のコナミティの死亡例を見ていただくとわかる通り、「ワクチン接種から19日後に急性心不全で亡くなった例」や「重い基礎疾患を持っている102歳の例」「ワクチン接種後で、『溺死』してお亡くなりになった例」など、確かに(後から見ても)「ワクチンだけで死亡に至ったかわからない例」があるからです。
そのため死亡例やワクチンに伴う重大な副反応例は、よく解釈を考えて議論する必要があるでしょう。(厚生労働省の見解はこちらも参照してください)
新型コロナワクチンによる「心膜炎」「心筋炎」の頻度は?
また重篤な新型コロナワクチンの副反応として取り上げられるのが、「心筋炎」「心膜炎」です。厚生労働省の調査では100万回接種のうち心筋炎、心膜炎が生じた例は
- ファイザー製:1回目計1.9件・2回目計3.7件・3回目計0.8件
- モデルナ製: 1回目計3件・2回目13件・3回目0件
となっています。アメリカやイギリスでは100万回接種のうち6.5件・計15件なので、日本が特別高いというわけではないようです。ちなみに、アメリカではファイザー製よりもモデルナ製のワクチンの方が心筋炎・心膜炎のリスクが高いとしています。(詳細はこちら)
新型コロナワクチンの「後遺症」は?
最近、新型コロナの後遺症とともに、取り上げられるのが「新型コロナワクチンの後遺症」についてですよね。実際どんな新型コロナワクチンの後遺症で悩まれているのでしょうか。
(実はまだ「ワクチン後遺症」の明確な定義はありませんので、ここでは「ワクチン接種後の長引く症状」として解説します)
2022年3月に報告されたヨルダンとサウジアラビアの報告では「ワクチン投与後1か月続く症状」について開業医や歯科医で新型コロナワクチンを受けられた498例について解析を行っています。(平均年齢35.9歳、性差なし)
これら498人のうち、80人(16.1%)が「1か月以上の症状を訴えた」としており、主な副作用は「疲労感(6.4%)」「筋肉痛(1.6%)」「関節痛」「頭痛」などが見られたとのことです。
こうしてみると、長期間の副作用も珍しくないように見えますが、この論文には以下の点に注意が必要です。
- 使用されているワクチンが「ファイザー製(48.4%)」「アストラゼネカ製(18.3%)」「シンオファーム製(31.7%)」であり、日本の使用状況と大きく異なる点
- サンプル数として、498人の解析であり、大規模臨床試験とは至らない点
- 痛みの感じ方についても統一された基準ではなく、文化や民族により主観的要素は異なる点
4月時点では、日本に近い状況でのワクチン後遺症に関する論文は(調べた限りでは)出ておらず、今後のワクチン後遺症に関する解析も待たれるところですね。
ちなみにCDCでは、長期にわたる副反応は極めてまれであるとしていますが(詳細はこちら)、当院でもワクチンがきっかけで長期に加療されている方もいるので、「ゼロ」とはいいがたいと思います。
新型コロナワクチンの「副反応」「後遺症」のまとめ
いかがでしたか?新型コロナワクチンに関する副反応や後遺症について、現時点でわかっていることを解説しました。まとめると
- 短期間での副反応率は、局所反応80%程度、全身性副反応も疲労感64%と高率に認められる
- ただし、1か月以上の副反応にまでおよぶケースは少なくなる。(きわめて稀~16%)
- 重篤な有害事象は極めてまれであるが、1億8000万接種して1480人(100万人あたり7.8人)はワクチンを誘引として死亡された可能性がある。
ということになります。それぞれの数字をどのようにとらえるかは、個々人にゆだねられるところですね。新型コロナ感染された場合と合わせて考えると
- 新型コロナにかかった場合:致死率0.13%(100万人換算で1300人、若年者の場合:重症化率100万人中75名)(※ワクチン接種者こみ)(大阪のデータによる)、後遺症は20%強(詳細はこちら)
- 新型コロナワクチンを接種した場合:重大な副作用は100万回中約32名(ファイザー製の場合)、後遺症は「きわめて稀~16%」
ということになります。当院ではワクチン接種を行っている責務から、新型コロナワクチンに関する副反応に関する相談ももちろん承っております。お悩みになっている方はぜひご相談ください。
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【この記事を書いた人】
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。
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