新型コロナ感染症の「濃厚接触者」について【家族・待期期間・PCR検査】

2021年10月にデルタ株、2022年2月にオミクロン株が出現して以来、感染者とともに増加しているのが「濃厚接触者」の方々です。突然「濃厚接触者」に該当すると生活が一変するので驚くと同時に不安になる点もあるのではないでしょうか。今回はそのような方々にむけて

  • コロナ感染者の家族はどう対応すればよいのか
  • 濃厚接触の自宅待機・隔離期間はどれくらいなのか
  • 症状が出たときなどに、きちんと医療を受けられるのか

など、濃厚接触者の方に焦点を絞って解説していきます。

濃厚接触者とは

濃厚接触者とは文字通り「感染された方と強い接触を持っており、今後発症する可能性が高い方」のことです。

ウイルスには潜伏期間といって、症状が出る前に体内で増殖するための準備期間が存在します。そのため、感染力が強いウイルスの場合、症状が出ていなくても今後症状が発症してくると思われる方が多く出てくることが想定されます。

そのため「濃厚接触者」として状況から今後発症する可能性が高い方を隔離しておくことで、感染していない方々の発症を防止し、クラスター(集団感染)を出来るだけ抑えようとするのが目的です。

濃厚接触者の定義や家族は?

東京福祉保健局HPより転載:一部体裁のみ微改訂)

2022年2月現在、厚生労働省では濃厚接触者の定義を以下に定めています。

「感染可能期間」に以下に該当した方(感染可能期間は「陽性となった方の発症日よりも2日前以降(無症状の方は検体採取日よりも2日前以降)から療養終了日まで」)

  1. 患者と同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人
  2. 適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護した人
  3. 患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
  4. その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)

(国立感染症研究所「積極的疫学調査実施要領」より)

つまり同居している家族は、基本的に濃厚接触者に該当するということになります。また例えば

  • マスクなしの状態で密な会議・授業が行われていた場合
  • マスクなしで15分以上職場で近い距離で食事をしていた場合
  • 感染された方と接触したり体液が付着する状況にあった場合

なども「濃厚接触」に該当してしまうということになりますね。該当されると思った方は、新型コロナ相談センターやお近くの各医療機関に相談してください。

同居家族の濃厚接触になったら、発症する可能性は?

茨城県の調査におけるオミクロン株の家族濃厚接触者における二次感染率

上記の通り「ワクチン接種を受けたか」や年齢によっても家族での二次感染率は大きく異なります。

茨城県の調査によると

  • 19歳以下の方
  • 60歳以上の方
  • 女性の方
  • ワクチン接種をされていない方

は特に家族内での二次発生率が高いとしています。また、同研究で他のウイルス株との比較研究もしていますが、オミクロン株は野生株やアルファ株と比べて2次感染率が高くなっていました。デルタ株と同等でしたが、ワクチン接種している割合はオミクロン株の時のほうが多いため、解釈には注意が必要です。

総合して考えると「オミクロン株はより家庭内感染しやすいウイルスになった」といえるでしょう。

濃厚接触者の自宅待機期間は?

濃厚接触者の自宅待機期間は「最終接触日を0日として、7日間」になります(2022年2月現在)

2021年12月までは「14日間」の自宅待機だったのが、感染拡大と濃厚接触による自宅待機の経済への影響を考えて、1月14日には「10日間」・1月28日には「7日間」に大幅短縮されました。

また3月24日より、エッセンシャルワーカーかどうかに関わらず、4日目と5日目の抗原検査で陰性が確認された場合、5日目から解除できるとしています。

こうした背景として「オミクロン株が他の株(デルタ株など)に比べて潜伏期間が短い」ことも1つの要因としてあげられます。

アメリカのデータによると。オミクロン株は潜伏期間が平均3日に対して、通常の新型コロナウイルスの潜伏期間が5日間と短くなっています。日本の国立感染症研究所の発表からも「7日目までに発症する確率は94.5%、10日目までに発症する確率は99.2%」としています。7日間の自宅待機なら、95%は隔離された状態で発症を感知できるということになりますね。

逆に言えば残りの5.5%は7-10日の間に発症する可能性があるので、症状が発症しないか十分注意する必要があるでしょう。

オミクロン株の詳細につきましては新型コロナウイルス「オミクロン株」の特徴について【感染力・症状・重症化】を参照して下さい。

経済状況や変異株によっては自宅待機期間が上下する可能性がありますので。その都度アップデートしていきます。

(ただし、医療逼迫を回避するために医療従事者が勤務を継続する際には、「最終接触日から1から4日目であっても、業務前検査で陰性が確認された場合、業務に従事可能」としています。)

(参照: 東京保健福祉局HP「身近な人が新型コロナウイルス感染症になった方へ~自分が濃厚接触者だと思ったら~」)

濃厚接触者への検査は?

『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第5.1版)』より転載

2022年2月現在、濃厚接触者に対しても公費でPCR検査や抗原定量検査を受けることができます

逆に、症状のない濃厚接触者に対して抗原定性検査を行うのは、ウイルスを見つける力(検出力)が弱いため推奨されておらず、保険診療で行うことができません。(詳細はこちら

また検査を受けるにあたって以下の点には注意が必要です。

  • 陽性・陰性に関わらず、自宅待機は同じである点(期間は状況によって変動する場合あり)
  • 医療体制・検査体制がひっ迫している場合、検査判明の時間が遅れたり、濃厚接触者への検査がすぐに検査できない可能性がある点
  • 保険診療上で検査ができる回数に上限がある点

以上から、濃厚接触だからすぐに検査を受けなければならないわけではなく、必須ではありません。当院でも発熱外来で診てあげられる方の人数が限られてしまうので、医療体制がひっ迫した状況の場合、症状がある方・重症度が強い方を優先して診ています。

また、期間限定で東京都が抗原検査キットを配布していますので、興味がある方は東京都までご連絡ください。

濃厚接触者の生活上の注意点

では、濃厚接触者になったら具体的にどのようにすればよいでしょう。ポイントをまとめてみました

① 外出や周囲の方との接触を避ける

濃厚接触者として自宅待機しているのは、他への感染を拡大させないようにするためです。普通に出歩ていては本来の意味を損なってしまいます。

特に新型コロナウイルスの家族内発生率は非常に高く、デンマークの論文では約30%近くの方が家族内感染をしています。「自分も新型コロナ陽性の可能性が高い」「今後新型コロナに発症するかもしれない」と思って行動することが、周りの方を移さないためにも大切です。

ネットも使いながら、なるべく周囲の方との接触を避ける配慮をお願いします。

② 同居されている方と生活環境を分ける

特に濃厚接触でPCR陰性の方は、今後感染し陽性になってくる可能性もあります。同居されている家族が陽性になってしまった場合、同居されている方と出来る限り避け、「濃厚接触」にあたらないようにすることが大切です。特に

  • 会話する時はマスクをするようする
  • 感染された方の共有物に触れた場合、消毒や手洗いを徹底する
  • 同居されている方への直接の接触を出来る限り避ける
  • タオルや食器などの共用自体を避ける
  • ごみの分別を感染されている方と分ける

なども気をつけましょう。

③ 毎回自分の体調を確認する

濃厚接触された方の家庭内接触率は前述の通り48%近くあると考えられています。

いつ新型コロナとして発症されるかわかりません。また濃厚接触されている方と、発症された方では自宅待機期間も異なります。

もし自分の体調が変だと感じたら、医療機関へ電話してから受診するようにしてください。

④ 不安に思う気持ちを相談する

特に、重症度リスクの高い方・高齢の方と同居されている場合、今後発症して状態が悪化してしまうのではないかと不安に思うこともあるでしょう。ご心配な点を周囲の方・かかりつけ医や相談センターにもお話していただくとよいと思います。

当院かかりつけの方で、陽性になられた方は公式ラインに登録していただくと、当院医師がメッセージでお答えしますので、ご不安な点はどうぞお伝えください。

また、日本赤十字社よりご不安な点に対する心のケア方法を紹介していますので、参考にするとよいrしょう。

⑤ 会社にも今後のプランを相談する

濃厚接触者に当たられた方は、会社勤めの方も多いですよね。会社によってもテレワークに移行できる会社もあるので、仕事を具体的にどうしたほうがよいか相談してみてください。

また自宅隔離期間終了後の検査についても、各企業によって異なるので、あらかじめ聞いていただき、医療機関に相談するとよいでしょう。

家族の方も含めた、感染者の具体的な自宅療養の過ごし方は新型コロナウイルス感染症の自宅療養について【準備・期間・家族】も参考にしてください。

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【この記事を書いた人】 

一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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