新型コロナで使われる薬について【一覧・効果・自己負担や保険適応】

最近、新型コロナ感染者も増えてきていますね。

しかし、また新型コロナに対して治療薬を処方するクリニックは驚くほど少ないのが現状です。その背景には患者さんだけでなく、医師側としても使用条件や併用薬などの関係で使いづらいことがあげられます。

実際、みなさんの中にも色々ありすぎて違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、新型コロナの薬として外来で処方(投与)されやすい

  • ゾコーバ®(エンシトレルビル フマル酸)
  • ラゲブリオ®(モルヌピラビル)
  • パキロビッド®(ニルマトレルビル・リトナビル
  • レムデシビル

を中心に、一覧表でまとめた効果や保険適応での自己負担額を中心に、わかりやすく解説していきます。

絶対コロナの治療薬を使った方がいい人を動画にまとめました。あわせて参考にしてみてください。

Table of Contents

新型コロナウイルス感染症の「軽症」とは

そもそも新型コロナウイルス感染症の「軽症」とはどのような状態を指すのでしょうか。

もしかすると、みなさんが思っている軽症と医療関係者が重症度分類で使っている軽症とは認識のずれがあるかもしれません。

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」では、医療の世界では新型コロナの死因で呼吸不全が多いので呼吸器症状と酸素飽和度だけで分類されています。

簡単にいうと、コロナの軽症は、肺炎の所見がなく酸素がそれなりに満たされていればすべて「軽症」です。

例えば、

  • 39度の発熱があってふらふらする
  • のどの痛みがあって、飲み込むのもつらい
  • 咳と鼻水が辛くて夜も眠れない

といった自覚症状の強さは関係せず一律「軽症」となるので注意が必要ですね。(最終的には医療者の判断にゆだねられます)自宅療養として指示される多くの方は「軽症」ということになります。

(参照:新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第10.1版)
(参照:5学会による新型コロナウイルス感染症診療の指針

新型コロナの薬の位置づけと一覧表

新型コロナの「軽症用」の治療薬もさまざまな種類ができましたが、大きく分けるとこの5種類にわけられます。

  • ゾコーバ®重症化リスクがなくても使える薬。他の薬よりも安価(18,500円)で副作用が少ないのが特徴。ただし、多くの薬と飲み合わせが悪く、発症期間が少なくなるだけで重症化予防効果は認められていない
  • ラゲブリオ®他の薬の飲み合わせも問題なく使えるのが一番の特徴の薬。ただし、重症化リスクが高い人にしか使えないこと、パキロビッド®よりは重症化予防効果が少ないこと、妊娠中には使用できないことなどがデメリット。3割負担で28,500円と非常に高額。
  • パキロビッド®重症化予防効果が最も高い経口内服薬。厚生労働省ガイドラインでも「重症化リスクがある人には最初に投与を検討すべき薬」とされている。妊婦にも投与可能なのも特徴。ただし、重症化リスクが高い人にしか使えず、多くの薬との飲み合わせが悪い点に注意が必要。3割負担で30,000円と非常に高額。
  • 中和抗体薬:ウイルスときちんと結合できれば高い効果を発揮する注射薬。BA.5株以降、一部の中和抗体薬は大きく効果が少なくなっているため、変異株ごとの検証が必要
  • レムデシビル:高い重症化予防効果が認められている薬で発症7日以内なら投与可能。ただし、3日以上の点滴が必要なため、原則入院患者さんしか使用されない

ということになります。

5つのうち、一番優先されて投与される薬は「パキロビッド」です。特に高齢の方、重症化リスクの高い方(呼吸器疾患や心疾患、妊娠中の方など)はパキロビッドが投与されます。

さまざまな理由でパキロビッドが該当しない方については、ラゲブリオ、ゾコーバ、レムでシビル(ベクルリー)などが検討されます。

コロナ軽症用治療薬その1:パキロビッド®

パキロビッド®は2022年2月10日に特例承認された、新型コロナに対する2番目の飲み薬です。新型コロナウイルスが持つ「3CLプロテアーゼ」を阻害することで、ウイルスの増殖を抑え重症化を防ぐ働きがあります。

① パキロビッドの特徴:効果の裏付けが一番しっかりしている

他の抗ウイルス薬と同様に、新型コロナウイルス感染症の軽症〜中等症の方に用いられますが、パキロビッドの最大の特徴はなんといっても「効果の裏付け(エビデンス)の強さ」ですね。そのため、2024年の厚生労働省のガイドラインでは「重症化リスクの高い人」に対して、最も優先的に検討されるべき薬剤(第1選択薬)として位置付けられています。

2024年に発表された最新の研究データから、以下のことが分かっています。

  1. 重症化リスクの高い人の入院率を大幅に下げる:2024年にアメリカで報告された73万人以上の大規模な後ろ向き解析(Clinical Infectious Diseases)によれば、パキロビッドの投与はワクチン未接種者でも、mRNAワクチンを3回以上接種した人でも、入院リスクを大幅に(約半減)させることが示されました。(調整ハザード比 0.47)
  2. 後遺症(Long COVID)の予防効果あり: 2024年のPLOS Medicine誌に掲載された米国の大規模研究(退役軍人省のデータベースを用いた解析)によると、ハイリスク患者へのパキロビッド投与は、後遺症(PCC)の発症リスクを約23%低下させることが示されました(ハザード比 0.77)。また、感染から30日〜180日の間の死亡リスクについても約47%減少(ハザード比 0.53)させており、急性期だけでなく中長期的な健康リスクも下げることが期待できます。

② パキロビッドの投与対象と副作用:妊婦に使えるのが大きな特徴

成人または12歳以上(体重40kg以上)の小児に投与可能です。通常、1日2回、5日間服用します。 妊娠中にも使えるのは大きいですね。(ラゲブリオやゾコーバは使えません)

主な副作用として、味覚不全(苦味を感じるなど)、下痢、軟便などが報告されていますが、いずれも頻度は低く、管理可能な範囲ですね。ただし、肝機能障害などには注意が必要です。

③ パキロビッドの最大の注意点:飲み合わせ(相互作用)

パキロビッドを使用する上で最も注意が必要なのが、「併用禁忌・注意薬が非常に多い」という点でしょう。本剤の成分が他の薬の分解を妨げてしまうため、一緒に飲むと作用が強く出すぎてしまう薬が多数あります。 以下は代表的な併用禁忌・注意薬です。

  • 心血管系の薬:クレストール®、リピトール®、オルメテック®、カルブロック®、セララ®、エリキュース®など
  • 精神・睡眠系の薬:ベルソムラ®、テグレトール®、ソラナックス®、ハルシオン®、セロクエル®、セルシン®など
  • 泌尿器・男性機能の薬:ハルナール®、バイアグラ®、シアリス®など
  • その他:痛み止めのトラマール®、吐き気止めのナウゼリン®など

これ以外にも多くの薬剤が対象となります。また、腎機能が低下している方(eGFR 30-60)では「中用量パック(用量を減らした製剤)」を選択する必要があるため、処方の際は必ずお薬手帳を持参し、医師・薬剤師によるチェックを受けてください。その他にも様々な薬が併用禁止になるので「パキロビッド®パックとの併用に慎重になるべき薬剤リストも参照してください。

④ パキロビッドの費用について

薬価は非常に高額で、3割負担で約30,000円かかります。 決して安価ではありませんが、「金額に見合うだけの確実な重症化予防効果・後遺症予防効果を求めたい」というハイリスクの方にとっては、最も推奨される薬となります。

(参照:パキロビッド®添付文書)
(参照:SARS-CoV-2 therapeutics technical briefing 3 Genomic surveillance)
(参照:Nirmatrelvir-Ritonavir and COVID-19 Mortality and Hospitalization Among Patients With Vulnerability to COVID-19 Complications
(参照:Nirmatrelvir plus ritonavir reduces COVID-19 hospitalization and prevents long COVID in adult outpatients
(参照:Effect of nirmatrelvir/ritonavir (Paxlovid) on hospitalization among adults with COVID-19: An electronic health record-based target trial emulation from N3C

コロナの薬その2:ゾコーバ®

ゾコーバ®(エンシトレルビル フマル酸)は塩野義製薬で作成さゾコーバ®(一般名:エンシトレルビル フマル酸)は、塩野義製薬が開発した日本製の新型コロナウイルス感染症治療薬です。パキロビッド®と同様に、ウイルスの増殖に不可欠な「3CLプロテアーゼ」という酵素を阻害することで、ウイルスの増殖を抑えるお薬です。

① ゾコーバの特徴:症状改善から重症化予防へ

まず、ゾコーバの大きな特徴は、重症化リスクの有無にかかわらず広く使用できる点ですね。

従来の臨床試験(SCORPIO-SR試験)では、オミクロン株流行下において、主要な5症状(鼻水・鼻づまり、喉の痛み、咳、熱っぽさ・発熱、倦怠感)が消失するまでの時間を約1日(約24時間)短縮する効果が確認されています。また、ウイルス量を速やかに減少させる効果(投与4日目でプラセボ比約1/10)も示されています。

さらに、これまでは「重症化予防効果は確認されていない」と説明されることがありましたが、最新の研究で「重症化予防効果もあるのでは」とする論文もあります

例えば、2024年に発表された日本の大規模な実臨床データ(約16万7千人のハイリスク患者を解析した研究)によると、ゾコーバを投与された患者群は、投与されなかった群と比較して、入院リスクが約37%低下(リスク比 0.629)したことが明らかになりました。

特に65歳以上の高齢者に限定した解析では、未治療群で1.3%の方が入院したのに対し、ゾコーバ服用群では入院例がゼロ(0%)という顕著な効果が示されています。また、酸素投与が必要になるリスクについても約36%の低減効果が認められており、現在は「症状を楽にするだけでなく、重症化も防ぎうる薬」として評価されています。

ただし、日本産の薬ということもあり、海外の論文も少なく、エビデンスレベルとしてはやや乏しい印象にあります(ぜひ塩野義さんには頑張ってほしいところです)

② ゾコーバの費用面でのメリット

ゾコーバのもう一つの大きなメリットは安価ということですね。

ラゲブリオ®やパキロビッド®といった他の抗ウイルス薬は、3割負担でも約28,000円〜30,000円と高額で、処方を躊躇するケースも少なくありません。一方、ゾコーバの薬剤費は約15,800円(3割負担)と、他剤の約半額です。効果と費用のバランス(コストパフォーマンス)の良さから、ゾコーバを選択される患者さんも多くいらっしゃいます。

③ ゾコーバの投与対象者と副作用

12歳以上であれば、重症化リスクの有無にかかわらず服用可能です(体重規定なども緩和されています)。 副作用は比較的少なく、主なものとしてHDLコレステロールの低下や中性脂肪の上昇、頭痛、下痢・悪心などが報告されていますが、多くの場合は軽微であり、使いやすい薬剤といえます。

④ ゾコーバの重要な注意点

ゾコーバを処方する上で、以下の2点には十分に注意する必要があります

  • 妊娠中・妊娠の可能性がある方は服用不可 :胎児への影響が懸念されるため、妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与できません。また、授乳中の方も服用しないことが望ましいとされています。
  • 併用禁忌(飲み合わせの悪い薬)が多い:ゾコーバは薬剤の代謝酵素(CYP3A)を強く阻害するため、一緒に飲んではいけない薬が30種類以上あります。持病の薬がある方は必ずお薬手帳を確認する必要があります。
    • 循環器系:セララ®、カルブロック®、レザルタス®、イグザレルト®など
    • 神経・精神系:クリアミン®、テグレトール®、ハルシオン®、ベルソムラ®など
    • その他:タダラフィル®(前立腺肥大・ED治療薬)など

なので、発熱外来には必ずお薬手帳を持参して、なんのお薬を飲んでいるのか明確にしておいてください。必要な薬を処方できなくなるケースがあります。

(参照:ゾコーバ®の添付文書
(参照:A Randomized Phase 2/3 Study of Ensitrelvir, a Novel Oral SARS-CoV-2 3C-Like Protease Inhibitor, in Japanese Patients with Mild-to-Moderate COVID-19 or Asymptomatic SARS-CoV-2 Infection: Results of the Phase 2a Part
(参照:Efficacy and Safety of 5-Day Oral Ensitrelvir for Patients With Mild to Moderate COVID-19
The SCORPIO-SR Randomized Clinical Trial

コロナ軽症用治療薬その3:ラゲブリオ®

ラゲブリオ®は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症〜中等症の方に用いられる経口の抗ウイルス薬です。 「リボヌクレオシドアナログ」というウイルスのRNAの部品に類似した物質で、ウイルスが自身のRNAをコピーする際にエラーを起こさせることで、ウイルスの増殖を阻害します 。通常、1回800mg(200mgカプセルを4つ)を1日2回、5日間服用します。

① ラゲブリオの特徴:飲み合わせが悪い薬がほとんどない

本剤は重症化リスク因子(高齢、基礎疾患など)を持つ患者さんを対象とした臨床試験で効果が確立されています 。 最大の特徴は「飲み合わせの悪い薬(併用禁忌)がほとんどない」ことです。 別の経口薬であるパキロビッドなどは、併用できない薬剤が非常に多く、高齢者や持病のある方には使いにくいケースがあります。

一方、ラゲブリオは他の薬剤との相互作用が少ないため、普段飲んでいる薬を中断せずに治療を行いたい場合や、腎機能などの問題で他剤が使えない場合は非常によい選択肢ですね。

② ラゲブリオの治療効果に関する最新のエビデンス】

症状発現から5日以内に投与する必要があります。 効果についてはこれまで様々な議論がありましたが、2025年に発表された約160万人の患者データを統合した大規模なメタ解析(複数の研究結果を統合して分析した信頼度の高い研究)により、以下のことが明らかになりました 。

  1. 死亡リスクの大幅に下がる:ラゲブリオの投与により、28日以内の死亡リスクが55%〜65%減少することが示されました 。この死亡リスクを抑える効果は、診断から3ヶ月後、6ヶ月後といった長期的な経過を見ても持続していることが確認されています 。
  2. 75歳以上の方は入院率も低下:入院を防ぐ効果に関しては年齢による差が認められています。75歳以上の高齢者グループでは、入院リスクが44%減少し、明確なメリットが確認されました 。一方で、それより若い世代(45歳〜74歳)では、入院予防効果ははっきりと認められませんでした 。
  3. ワクチン接種者への効果 :「ワクチンを打っている人には効かないのではないか」という議論もありましたが、最新の解析では、ワクチンの接種状況に関わらず、死亡リスクを低減させる効果が一貫して認められています 。

③ ラゲブリオの安全性と副作用

ラゲブリオの主な副作用として、下痢(1.7%)、悪心(1.4%)、めまい(1.0%)などが報告されていますが、プラセボ(偽薬)を投与されたグループと比較しても、有害事象の発生率に統計的な差はなく、忍容性(安全性)の高い薬剤と言えます。

ただし、動物実験で胎児への影響が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある女性は服用できません(服用中および服用後一定期間は避妊が必要です)。

④ ラゲブリオの費用について

ラゲブリオの薬価は高額で、1治療(5日間)あたりの薬剤費は約9万円、3割負担の方で約28,500円(ゾコーバの約15,800円と比較しても高額)となります。

医学的なメリット(特に高齢者や基礎疾患がある方の死亡リスク低減)と、経済的な負担を考慮し、医師と相談の上で投与を決定します。

(参照:モルヌラビルの添付文書
(参照:Effectiveness of molnupiravir as early treatment for COVID-19 to prevent mortality and hospitalisation in high-risk adults: A systematic review and meta-analysis of randomised trials and real-world studies involving 1,612,082 patients
(参照:Molnupiravir plus usual care versus usual care alone as early treatment for adults with COVID-19 at increased risk of adverse outcomes (PANORAMIC): an open-label, platform-adaptive randomised controlled trial

コロナ軽症用治療薬その4:レムデシビル

レムデシビルは、もともと中等症・重症の新型コロナ感染症(肺炎がある方)に使用されていた点滴の治療薬です。 しかし現在は、発症7日以内の軽症・中等症I(酸素投与を必要としない)の患者さんであっても、重症化リスク因子を持つ方であれば投与が可能になっています。

① レムデシビルの高い有効性

軽症者への適応拡大の根拠となった臨床試験では、3日間の投与によって入院や死亡のリスクが87%減少することが示されました。 また、レムデシビルの大きな強みは、ウイルスが増殖する「核」の部分(RNAポリメラーゼ)に作用するため、変異の影響を受けにくいという点です。

実際、2023年に発表された日本の実臨床データ(Tsuzuki et al.)においても、オミクロン株流行下(BA.5などの時期を含む)での有効性が検証されており、従来株と同様に良好な治療効果が維持されていることが報告されています。

② レムデシビルはクリニックでの運用が難しい

効果は確実ですが、最大のネックは「3日間連続で点滴に通う必要がある」という点です。 点滴中は院内に新型コロナの患者さんを隔離・待機させるスペースを確保しなければならないため、一般的なクリニックの外来で運用するのは、飲み薬(ラゲブリオやパキロビッド)に比べてハードルが高いのが実情です。

③ レムデシビルの副作用と注意点

主な副作用として、急性腎障害や肝機能障害(ALT・ASTの上昇など)が現れることがあります。 そのため、投与前後には血液検査を行い、定期的なモニタリングをしながら慎重に投与します。

(参照:ベクルリー点滴静注用100mg添付文書
(参照:SARS-CoV-2 therapeutics technical briefing 3 Genomic surveillance)

コロナの治療薬の保険適応に応じた自己負担額について

では、コロナが陽性であったとして、薬代はどれくらいになるのでしょうか。よく外来で出される「パキロビッド」「ラゲブリオ」「ゾコーバ」の場合の費用は次の通りです。

【3割負担の場合】

  • パキロビッド:30,000円
  • ラゲブリオ:28,500円
  • ゾコーバ:15,800円

【2割負担の場合】

  • パキロビッド:20,000円
  • ラゲブリオ:19,000円
  • ゾコーバ:10,500円

【1割負担の場合】

  • パキロビッド:10,000円
  • ラゲブリオ:9,500円
  • ゾコーバ:5,300円

なお、検査同様、江戸川区では高校3年生までは医療助成制度により治療薬も無料となっています。

インフルエンザの薬(約2,000円~5,000円)と比較しても、非常に高額なのがわかりますね。そのため、「治療薬もあるのに、高額で治療薬が使えない、選択できない」という人も出てきてしまっている現状です。

医学的には後遺症リスクを減らしたり、症状を短縮したりする観点から抗ウイルス薬を処方した方がよいでしょう。しかし、高額であることから、医師とも相談の上、処方の有無を相談した方がよいですね。

また、治療薬が高額であることから「扱っている薬局」が非常に限られています。普段からコロナに対する治療を行っていないクリニックでは、もちろん近くの薬局も治療薬を取り置きしていません。そのため、「治療薬が薬局にない」とたらい回しになっているケースも少なくありません。

そのため、治療薬も含めて相談したい場合は、普段からコロナ診療を行い、発熱外来を設けているクリニックで相談するとよいでしょう。

症の治療薬は発症早期にしか適応されません。その意味でも「なるべく早く病院で診断をうけること」が大切といえるでしょう。

新型コロナ感染症治療におけるイベルメクチンについて

イベルメクチンはもともと腸管糞線虫症や疥癬の治療薬として承認されていますが、新型コロナウイルスの感染症の治療で、適応外使用として用いられている施設もあります。

それをうけてMSD株式会社の米国本社では「規制当局によって承認された添付文書に記載されている用法・用量や適応症以外におけるイベルメクチンの安全性と有効性を支持するデータは、現時点では存在しないと当社は考えます(原文まま)」と発表しており、(詳細はこちら

WHOでも「新型コロナ感染症に対する治療薬として使用することは臨床試験以外では推奨されない」と声明を発表しています。(詳細はこちら

興和株式会社から「オミクロン株に対して抗ウイルス効果を確認」と発表されておりますが、非臨床試験であり、ヒトを対象して十分検証されておりません。

私も疥癬の方にイベルメクチンを処方することはありますが、決して魔法の薬ではありません。

きちんと効果が検証された抗ウイルス薬があるわけですから、イベルメクチンに固執しないようにしましょう。

新型コロナ感染症「軽症」の治療薬のまとめ

今回は、軽症の新型コロナウイルス感染症に使用される抗ウイルス薬を紹介しました。現在のところ、軽症の治療薬は重症化リスクが高い方しか使用できません。一般の方でも気軽に処方できる新型コロナ治療薬ができるとよいですね。

ただし、いずれの治療薬も重症化のリスクを下げるものですが、完全に重症化を阻止できるわけでも、隔離期間を短くできるわけでもありません。

早期発見・早期治療も大切ですが、ワクチンや感染予防行動で感染しないように努めることも重要ですので、引き続き感染予防対策をお願いいたします。

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【この記事を書いた人】 
この記事は、当院院長の伊藤大介と感染症専門医と共同で作成しました。プロフィールはこちらを参照してください。

【動画】絶対コロナの治療薬を使った方がいい人

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コメント

    • 近藤益子
    • 2023年 7月 08日 9:22pm

    内容は説得力があります。コロナ感染につきましては特効薬の次に空気感染エアロゾルに関しても感染確率が高いと証明されておりますので、くしゃみや咳などの飛沫感染、室内感染にエビデンスが欲しいところです。屋外では感染しにくいとされてますが、くしゃみ、咳などは一定期間その場に留まるというのが私の持論です。過去に自転車に乗っていて何か空気の塊を飲み込んだ後に40度の発熱をしたとの情報がありました。コロナウィルスも同じで一定期間、風など空気が動かない限り留まる思います。

      • Daisuke Ito
      • 2023年 7月 09日 11:25am

      近藤様

      コメントいただきありがとうございます。感染経路については、屋内であれ屋外であれ「空気の流れ」が重要です。
      屋外感染が低いとされているのは、空気の流れがあるという条件のもとだと私も考えます。
      感染対策は本記事では載せておりませんが、家族でコロナに感染された方がいましたら2方向以上窓開けをしっかり行い、感染対策をしっかり行うことが大切ですね。

    • さちぃ
    • 2024年 7月 30日 7:17am

    はじめまして 私はコロナ2回目に今なってしまったのですが症状が出て病院に行った際に処方された薬により治りがちがうのでしょうか? 症状がでて6日目でまだコロナ陽性反応がでていたのですが…他の方なら大丈夫の方が多い中、なぜ私はこんなにも遅いのでしょうか?

      • Daisuke Ito
      • 2024年 7月 31日 6:34am

      さちい様
      コメントありがとうございます。
      ウイルス量については、「コロナに最初暴露した量」や「コロナに対する免疫力」「抗ウイルス薬を処方されているか」
      で大きく変わると思います。対症療法薬のみだと治りは遅くなるはずです。ただし高額なものなので、自分にとっての
      対費用効果で考えていただけるとよいと思います。

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