新型コロナの再感染はいつから?コロナ再感染の重症化や間隔・リスクについて解説

COVID-19の名称の通り2019年から始まった新型コロナ感染症が流行して以来、3年以上が過ぎました。

そこで徐々に増えてきているのが、新型コロナを「再感染」している方です。当院でも「コロナ感染2回目です」という方や最多で「4回感染した」という方もいらっしゃいます。

実際、新型コロナの再感染はいつから生じやすくなるのでしょうか。今回、新型コロナ再感染にスポットをあてて、再感染された方の重症化や再感染までの間隔・再感染した時のリスクについて見ていきましょう。

新型コロナ再感染の間隔はいつから?

(シンガポールにおける再感染例の症例データ)

新型コロナ再感染はどのくらいの間隔からさすのでしょうか。

結論をいうと、論文の定義の上、新型コロナの再感染は「人が新型コロナに最後に感染し回復されてから、少なくとも90日以降に再び感染したこと」を指すことが多いです。しかし、稀ながら「1~3か月の間でも新型コロナに再感染する」とも言えます。例えば、シンガポールでXBB株が流行った時のデータでは、人口10万人あたりで

  • 最後の感染から1~3か月で再感染:0.5~0.7人(1週間あたり)
  • 最後の感染から4~6か月で再感染:19~26.4人(1週間あたり)
  • 最後の感染から7~10か月で再感染:42.3~70.9人(1週間あたり)

となっており、最後の感染から時間がたつほど再感染率が上がることがわかりますね。複数の論文を検証した新型コロナの再感染率は「人口10000人あたり1日0.70人」とされています。

また、全世界で新型コロナ再感染例は非常に増えています。例えばアメリカニューヨーク州の場合、2023年1月はじめに累計648万の方が初回感染しておりますが、それまでに累計54万人が「新型コロナ再感染」をしていることがわかっています。

合計702万人中の54万人が「再感染例」であり、その割合は7.7%にものぼります

今後、日本も初回感染をきたす症例が増えてくる中で、「新型コロナに再感染した」という方も増えてくるのは必然といえるでしょう。

(参照:New York State「COVID-19 Reinfection Data」

新型コロナに「再感染」してしまう原因は?

では、なぜ新型コロナに再感染してしまうのでしょう。

ほとんどの方は新型コロナから回復した後、抗体をはじめとした免疫反応が上昇し、再感染しにくい体になってきます。しかし

  • 新型コロナがどんどん変異を繰り返していること
  • ワクチンや過去の感染による抗体の上昇が時間とともに低下すること

などで、また新型コロナに感染する…これが「新型コロナ再感染」の主な原因です。

特に、2022年8月のScienceで発表されたデータによると

  • ワクチン接種後の抗体反応は他の株については増強していたが、オミクロン株については効果が弱くなっていた
  • 今までアルファ株などにかかったことがある方の免疫では、オミクロン株に対して逆に感染しやすいかのような抗体反応を示した

などともいわれており、イギリスUKHSAでのデータでも半年後のワクチンによる感染防御効果はおよそ10-20%に低下することもわかっています。

さらに、最近はたび重なるワクチン接種による「接種疲れ」も見られており、「もう3回打ったから問題ないだろう」とワクチン接種をアップデートせずに経過をみる方がいることも新型コロナの再感染の1つの原因と考えられます。

(参照:「Risk of SARS-CoV-2 reinfection: a systematic review and meta-analysis」Published: 01 December 2022

新型コロナ再感染による重症化リスクは?

(スウェーデンでの新型コロナ再感染例と初回感染での比較)

では、新型コロナの「再感染」による重症化リスクはどうなのでしょうか。結論からいうと「1回目より再感染の方が重症化して発症しやすい」という証拠はありません

スウェーデンでは国レベルで新型コロナ再感染者と初回感染者のや入院率や感染率、ワクチンとの関係性について調べています。その論文では

  • 3か月時点で新型コロナに感染している方は、新型コロナにまだ感染していなかった方よりも新型コロナへの再感染する確率が95%低下し、新型コロナによる入院率も87%低下する。
  • ワクチン1回接種と既感染によるハイブリッド免疫を持つ方は、既感染だけの方に比べて新型コロナ再感染のリスクが58%低下する。
  • ワクチン2回接種と既感染によるハイブリッド免疫を持つ方は、既感染だけより再感染のリスクが66%低くなる

と報告されています。つまり、直近の過去の感染により再感染のリスクも減らせるし、新型コロナの重症化も減らせる。さらに、ワクチン接種もされていると再感染率は低下するというわけですね。

また、2023年の1月に発表された医療従事者の再感染症例を検討したものによると、新型コロナ再感染281例の全例が軽症であり、コロナによる入院を必要としなかったとしています。(もちろん死亡例はありません)

新型コロナ再感染症例の内訳をみると、

  • 71%が女性(202例)の方
  • 年齢中央値は39歳(30-47歳)
  • ワクチン接種歴:0回が4%、2回が32%、ブースター接種が64%(後述するようにワクチン未接種の方が新型コロナ再感染が少ないわけではありません)
  • 22%(62例)が重度の新型コロナに進行する危険因子を少なくとも1つ持っていた

方になります。少ない症例数ではありますが、基礎疾患を持っている方でも全例軽症であったのは大きいですね。

いずれにせよ「新型コロナに再感染したからもっと重症で発症する」というわけではなさそうです。

(参照:The LANCET Infectious Diseases「Risk of SARS-CoV-2 reinfection and COVID-19 hospitalization in individuals with natural and hybrid immunity: a retrospective, total population cohort study in Sweden」
(参照:Scientific reports「Reinfection rate in a cohortofhealthcare workers over 2 years
of the COVID‑19 pandemic」

新型コロナ再感染により「全ての病気に対する」入院や死亡のリスクが上昇する可能性も

(新型コロナ「再感染」での全死亡率・入院率・後遺症による影響)

ただし、「新型コロナに再感染しても問題ない」と思うのは早計です。

実際、新型コロナの再感染によって今後の「病気全体の」死亡率上昇や後遺症が加速するというデータもあるのです。

2022年11月にNature Medicineで発表された米軍退役軍人省の医療データベースを利用した初回感染例(443,588人)と再感染例(2回以上、40,947人)、および感染していない方(533万人)の死亡、入院率および後遺症を比較したデータによると、再感染によって

  • 病気全体での死亡率が2.17倍に上昇する(1.93~2.45倍)
  • あらゆる病気に対する入院率も3.32倍に上昇する(3.13~3.51倍)
  • 肺や腎臓、血液、腎臓、糖尿病、メンタルヘルス、神経障害の問題の後遺症リスクも上昇する

と報告されています。この論文では、「新型コロナ以外の病気も見ている点」がポイントですね。つまり繰り返し新型コロナにかかった方は、一度だけ感染した方よりも肺の問題や心臓病・神経障害などを経験する可能性が高いということです。

さらに、こうした死亡率・入院率上昇は最初の1か月で最も顕著であるものの、少なくとも6ヶ月間にわたって確認されています。

このように、新型コロナの「再感染」による健康リスクも報告されているので、「新型コロナに何回もかかっても問題ない」と考えない方がよいでしょう。

(参照:Nature Medicine「Acute and postacute sequelae associated with SARS-CoV-2 reinfection」

新型コロナ「再感染」についてのまとめ

いかがでしたか?今回は新型コロナ「再感染」について解説していきました。まとめると

  • 新型コロナ再感染は「3か月たってから」が一般的。しかし確率は低いが「14日後~3か月以内」の感染もありうる
  • 再感染する確率は初回感染よりは低く、入院率も低下しているため、新型コロナとしては「軽症」になることが多い
  • しかし「再感染」することで、心臓や呼吸器系・神経系などの負荷や後遺症が生じやすくなる可能性があり、一概に「再感染しても問題ない」とも言えない

といえます。これはどんな病気でもそうですが、新型コロナが「かかってもいい病気」「かかった方がむしろ安心な病気」と安易に言える状況ではありません。日本も他の世界同様、マスク緩和をはじめとして規制が緩んできています。

過度に感染対策する必要はなくなってきましたが、「必要な方が必要な感染対策をし、必要な健康管理をする」。どの病気でも言えることです。

個別相談はいつでも承っておりますので、オンラインの方は下記からぜひご相談ください。

【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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