2022年-2023年にインフルエンザは流行するのか?海外の状況から予想します

2022年も10月から始まるのがインフルエンザの予防接種。しかし、新型コロナが流行して以来、2020年・2021年はインフルエンザが流行っていませんでした。

それを受けて、「インフルエンザは2022年も流行しないだろうからワクチンを打たなくてよいのでは?」と考えている方も多いでしょうが…実際、海外でのインフルエンザの流行状況はどうなっているのでしょうか。

今回は、海外のデータからインフルエンザの流行状況を予想してみます。

インフルエンザワクチンの一般的な説明に関しては、インフルエンザとインフルエンザワクチンについて【新型コロナとの違い・効果・接種時期】を参照してください。

インフルエンザは海外で流行しているのか?

(オーストラリアでのインフルエンザ感染者数の推移:Figure 3. Unweighted rate of ILI reported from ASPREN sentinel GP surveillance systems, Australia, 01 January2017 to 28 August 2022, by month and weekyより日本語に変更)

日本は北半球にある島国であり、主に冬にインフルエンザが流行しますが、オーストラリアは南半球にあるので、夏にインフルエンザが流行します。そこでインフルエンザの流行状況を知る上でよくオーストラリアの流行状況を参考にすることが多いです。

ではオーストラリアではインフルエンザが流行しているかというと、今年2022年では2020年・2021年と比べてインフルエンザが流行しています。具体的にはオーストラリアでは5月くらいから流行し、6月くらいから急激に増加、7月から減少気味になってきているという状況です。

一方、新型コロナの感染者数を一言でいうと同時期は「横ばい」での推移。

オーストラリアでは新型コロナの感染者数は5月~8月にかけて7日間平均1日20,000人~40,000人で推移されています。今まで「インフルエンザと新型コロナは共存しないからインフルエンザに感染しない」という説がありましたが、オーストラリアでは同時期での流行拡大が成立しています。このことから新型コロナの流行状況に左右されず感染爆発が起こったと考えてよいでしょう。

特に5 ~ 9 歳の人々、5 歳未満の子供、および 10 ~ 19 歳の感染が最も多くなっています。

(参照:Australian Influenza Surveillance Report and Activity Updates. Australian Government )
(参照:Our World in Data

なぜオーストラリアでインフルエンザが流行しているのか?

では、どうしてオーストラリアでインフルエンザ感染が多くなっているのでしょうか。こうしたオーストラリアの現状を受けて、イギリスから発表された論文では、

  • インフルエンザの自然免疫の減少
  • インフルエンザワクチンの接種率の低下
  • 新型コロナの感染予防対策の緩和

をその主な原因として指摘しています。

インフルエンザは世界中で過去2年間流行しなかったため、集団免疫はこれまでと比べて大幅に落ちています。特にインフルエンザに一度も感染していない2歳未満の子供では顕著です。

さらに、インフルエンザが流行しなかった影響でワクチン接種率がイギリスやオーストラリアでは落ちています。同論文では、妊娠中の女性や子供など、重症化リスクがある方の接種率も落ちていたとのことです。

加えて、新型コロナの度重なる変異と拡大から、世界的に対策緩和の方向に進んでいます。マスク着用の義務化の解除や外出・入国規制の緩和などです。こうした感染予防は新型コロナだけでなくインフルエンザに対しても効果的でしたが、緩和が進むと当然感染しやすくなります。

こうした様々な要因が重なって、オーストラリアではインフルエンザの流行が始まったと考えられています。

(参照:Is the UK prepared for seasonal influenza in 2022–23 and beyond? The Lancet Indrctious Diseases VOLUME 22, ISSUE 9, P1280-1281, SEPTEMBER 01, 2022

日本ではインフルエンザは流行するのか?

(国立感染症研究所資料より転載)

2021年にはオーストラリアや各国の現状をみて「どちらかというと、あまりインフルエンザは流行しないのでは」と私も言っていましたが、今年はインフルエンザが流行する可能性は十分あり得ます。というのもオーストラリアと日本では非常に似ている点が多いからです。

日本でもここ2年はインフルエンザの流行は見せていません。つまり、インフルエンザに対する自然免疫は低下している可能性があります。さらにオーストラリア同様、日本でも新型コロナに対する感染対策予防を緩和してきているのは、みなさんも周囲の通りでしょう。

異なる点としては、インフルエンザワクチンの接種率がそこまで日本で大幅に低下していないこと。2021年でも5194万人は使用されていますので、例年の使用量並みと言えます。

このような世界と日本の現状を受けて、厚生労働省では今シーズンでのインフルエンザワクチンの供給量を過去最大の7042万人分供給する予定とし、昨シーズンの使用量より大幅に上回った確保を開始しています。厚生労働省でも「インフルエンザに向けて対策しないといけない」と考える姿勢がうかがえますね。

(参照:NHK「インフルエンザワクチンの供給量 コロナ同時流行で過去最大か」
(参照:NIID 国立感染症研究所「インフルエンザ過去10年間の比較グラフ」

インフルエンザが流行するかについてのまとめ

いかがでしたか?インフルエンザが流行するかどうかについて考察してみました。まとめると

  • 南半球のオーストラリアではインフルエンザが5月~8月にかけて流行している状況である。
  • オーストラリアでは、新型コロナの感染とインフルエンザ感染は両立しており、どちらの感染も留意しなければならない。
  • こうした背景としては、感染予防対策の緩和やインフルエンザワクチンの接種率低下・インフルエンザウイルスに対する自然免疫の低下が考えられる。
  • 日本でもワクチン接種率以外はオーストラリアと同様の条件が重なっており、十分流行に注意しないといけない。

なんとも医療従事者側からすると、鑑別しないといけない疾患が増えるのでより大変になりそうですね。発熱した時にさらに混乱を極めそうです。

当ひまわり医院では、インフルエンザワクチンがいつでも打てるように予約なしで来院していただければ即日接種がうてるように準備を進めております。また、新型コロナの動向にもよりますが、新型コロナとインフルエンザを同時に検査できるようにキットも確保していますので、発熱されてお困りの方も安心してご来院ください(発熱外来で行っていますので、事前に電話をお願いいたします)。

【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

あわせてこちらもオススメです

関連記事

  1. オミクロン変異株「BA5株」の特徴について【症状・重症化・潜…

  2. 胃腸の調子が悪い時の食事について【おすすめな食べ物・避けるべ…

  3. 【オミクロンBA.5株含む】新型コロナ感染症「軽症」の治療薬…

  4. 新型コロナ「オミクロン株」 での後遺症の割合や症状・期間につ…

  5. 痰が絡む咳はコロナ?咳や痰の原因や対処法について解説

  6. サル痘(さるとう)の原因や感染経路・症状・死亡率について解説…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


ピックアップ記事

新着記事 おすすめ記事
PAGE TOP