片頭痛の治し方は?原因や予防薬・対処法についても解説

・ 朝起きるとズキズキ痛みがして辛い
・ 頭痛がするときに目がチカチカして吐き気がでてくる
・ 何回も繰り返して、最近市販薬では効かなくなった

こんな経験はありませんか?一之江駅前ひまわり医院では、片頭痛をはじめとした頭痛に対する診療も行っております。

片頭痛とは?

片頭痛とは頭痛発作を繰り返す病気で、日本では8.4%が片頭痛で悩んでいます。女性は男性の3.6倍多いことが言われており、特に20代~40代の若い女性に多くでてきます。

未成年の方の有病率は高校生9.8%・中学生4.8%と、比較的若いうちから悩まされる疾患です。
片頭痛ガイドラインより

片頭痛の診断基準は?

世界中で認められている診断基準である国際頭痛分類にのっとり診断しています。
分かりやすいように言い換えますので、自分の症状に当てはまるかチェックするとよいでしょう。

  1. 頭痛が4時間~72時間つづく。
  2. 頭痛が以下の4つの特徴のうち2つ以上当てはまる
    • 片側におこる
    • 「ズキズキ」「ドクドク」した拍動がおこる
    • 中等度から重度の頭痛である
    • 日常的な動作(歩行や階段の昇り降り)で頭痛が悪化する。頭痛のために日常的な動作を避ける
  3. 頭痛発作中に以下の症状を伴う
    • 吐き気や嘔吐(またはその両方)
    • 光や音に敏感にになる
  4. ①~③を満たす頭痛発作が5回以上ある
  5. 他に最適な国際的な診断基準にあてはまらない場合

そのうち、約1/3は何らかのきっかけがあるとされています。

片頭痛と他の頭痛を見分けるポイントは?

頭痛にはいろいろな種類がありますが、大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。

一次性頭痛は、他の病気によらず頭痛発作を繰り返す慢性の頭痛です。「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」などが代表的な疾患です。

一方、二次性頭痛は脳や頭部の病気の症状として起こるものになります。「脳腫瘍」「くも膜下出血」「脳卒中」などが、「二次性頭痛」にあたります。

危ない頭痛を見分けるサインが「レッドフラグサイン」と呼ばれるものです。わかりやすく言いなおしてみたので、以下の徴候に自分でも当てはまっていないか確認するとよいでしょう。

  • 初めて、または人生最悪の頭痛
  • 突然でてきた「雷に打たれたような頭痛」
  • 急に悪くなった、または全く今までと違う頭痛
  • 脳神経学的所見(手足のマヒや顔の異常など)が1時間以上続く
  • 50歳以上で新しく出てきた頭痛
  • ガンの方、免疫が抑えられている方、妊婦さんに起こった新しい頭痛
  • 意識障害をともなう頭痛
  • バルサルバ(息をこらえること)で頭痛発作がでてくる場合

ひまわり医院ではこれらの徴候がみられた場合、重症度に合わせて各施設と連携し検査したり急性期病院へ速やかに紹介したりしています。

片頭痛の原因は?

片頭痛の発症機序としては諸説ありますが、以下の説が一般的です。

① 三叉神経血管説

何らかの原因で三叉神経(痛みを感じる神経)から炎症を起こす物質(サブスタンスPなど)がでてきます。これが血管を刺激して頭痛がでてくるといわれています。

② 血管説

神経伝達物質であるセロトニンが多量に放出することで、頭の血管が収縮して片頭痛の前兆がでてきます。その後セロトニンが足りなくなり、血管が異常に拡張することで頭痛発作を引き起こすとされています。

ほか、神経説などありますが、いくつかのメカニズムが融合して実際には片頭痛が起きるのでないかとされています。

片頭痛発作のうち、1/3は前兆(おこる前ぶれ)があり、特定の状況で頭痛発作がでる方もいます。
そういった方は、「特定の状況」がなにかを知ることで、「特定の状況」を避けたり、その時だけ鎮痛薬の準備をしておくなど、対処しやすいなります。

例えば

  • 月経周期で起こりやすい
  • ストレス・過度な緊張がなくなった時・睡眠リズムの乱れ
  • 空腹になった時・アルコールを飲んだ時
  • 温度差や天候の変化(特に雨や寒さ・気圧が下がった時)
  • 人混みや大きな音・光にさらされた時

などが一般的です。

みなさんのきっかけはなんでしょうか?「頭痛ダイアリー」といって、頭痛の起こった状況を記録することで「きっかけ」を見つけることができるかもしれません。日本頭痛学会も推奨・発行しており、以下からダウンロードできますので、活用してみてください。(頭痛ダイアリーはこちら

また、片頭痛の方の多くは睡眠障害を伴っていることもあります。睡眠障害については不眠症・睡眠障害について解説【眠れないあなたへ】も参照してみるとよいでしょう。


片頭痛の治療薬は?

薬物療法には、発作治療薬と予防療法があります。頭痛発作が起こった時に、できるだけ早く症状を沈める薬のことを発作治療薬といい、以下が代表的です。

(1) 非ステロイド性抗炎症薬

軽症~中等度の片頭痛の第1選択薬になります。市販薬でも「イブ®」でよく知られていますね。
他にも「ロキソニン®」や「カロナール®」などがあげられます。

これらは、「アラキドン酸カスケード」といって炎症が起こるメカニズムの一部を遮断することで痛みが起こらなくします。発症早期の服用が効果的です。

片頭痛のガイドラインでも安全で安価であり、効果も高いことから「グレードA(強く推奨する)」に分類されています。ただし、効果としては次に述べるトリプタン製剤よりも限定的です。

また「頭痛がひどいから」という理由で、これらの薬物を乱用すると「薬物乱用頭痛」といって薬物の内服が原因で頭痛になったり、胃や腎臓・肝臓を悪化させてしまう可能性があります。

そのため、「市販薬でも効かないような片頭痛」の方には、次のトリプタン製剤を使うことになります。

(2) トリプタン製剤

トリプタン製剤は、片頭痛のメカニズムである血管の拡張を抑え、神経終末からの神経ペプチドの放出抑制・三叉神経核における痛みを伝える経路を抑えることで、片頭痛発作をおさえます。

難しいことをかきましたが、薬物動態としてはまさに「片頭痛を抑える薬」に特化した薬といえるでしょう。
もちろん片頭痛のガイドラインでも「グレードA(強く推奨する)」に分類されています。ただし、市販薬よりも高価なのがデメリットです。

トリプタン製剤には様々な形態があります。(口の中で溶けるものや注射薬・点鼻薬など)個々の患者さんによって、どのトリプタン製剤があっているかは大きく異なりますので、一緒に相談しながら適切な薬を探していきましょう。

(3) エルゴタミン製剤

エルゴタミン製剤もトリプタン同様、血管を収縮させて片頭痛発作を抑えます。トリプタンができる以前は、片頭痛治療薬の中心的な薬として位置づけられていました。通常作用を強くするためカフェインと一緒に服用します。

片頭痛のガイドラインでは「グレードB(推奨する)」に分類されています。トリプタン製剤と同時に服用できないこと、副作用として吐き気があることなどから、今は使用は限定的になっています。

(4) 漢方薬

片頭痛の治療薬として漢方薬が使用されることもあります。最も有名なものは「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」ですが、非常に味が苦いので人を選ぶでしょう。他「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」「葛根湯(かっこんとう)」「釣藤散(ちょうとうさん)」などがあげられます。

発作の頻度も下げるのが特徴です。それぞれの証に合わせて処方しますので、漢方を希望される場合は相談してください。

他にも、吐き気に対して吐き気止めを併用したり、吐き気止めを注射することで頭痛発作が軽減するという報告があります。Mg製剤・トラムセット®などの使用する論文もありますが、第1選択ではありません。

片頭痛の予防薬は?

片頭痛の予防薬とは、発作治療約のみでは日常生活の支障が残る時に、頭痛の頻度・程度・持続時間を減らすために行われる治療法です。

  • しばらく使わないと効果を発揮しない
  • 頭痛を「予防する」ため、発作がおこった時は「発作治療薬」と併用する

ことがポイントになります。本来不整脈の治療に使われる「β遮断薬(インデラル®)」の他、「降圧薬(ブロプレス®)」や「抗てんかん薬(デパケン®)、「抗うつ薬(トリプタノール®)」などが予防療法の代表的な薬です。

頭痛発作の予防に使用していることを理解いただいた上で、どの薬があっているかを患者さんの状態に合わせて処方していきます。

また、近年新しいタイプの片頭痛予防薬が出てきています。(エムガルティアジョビアイモビーグなど)片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因とされている「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」という物質を働きを抑える「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤」と呼ばれるものです。

これらは月1回~3か月に1回の注射タイプですが、1本あたり4万円以上するので、保険を使ったとしても月1万円以上になります。これらの薬を希望される場合は、適切な医療機関に紹介いたします。

片頭痛の治し方・対処法は?

片頭痛が起こったら、以下の点に気をつけてみましょう

① 食べ物に気をつける

チーズなどの発酵食品やチョコレート・赤ワインなどを避けるようにしましょう。片頭痛もちの患者さんは、そうでない方に比べて高脂肪の食事やコーヒー・お茶の消費量が多いことも指摘されています。

② 大きな音や光を避ける

痛くなったら、なるべく頭に余計な刺激を与えないことが大切です。早めに暗い静かな部屋で横になりましょう色々な刺激があるほど片頭痛発作は起こりやすくなります。

③ 頭痛が起こったら早めに対処する

例えば頭痛が起こったら痛いところを冷やしましょう。拡張した血管が収縮して楽になります。ただし、頸の血流が悪い方など、人によっては温めるほうがよい場合もあります。また、鎮痛薬も発症早期のほうが効果が発揮しやすくなるので「なるべく薬を飲まないようにしよう」と考えるのではなく、早めに対処することが大切です。

④ 睡眠はしっかりとり、ストレスをためない

睡眠不足や慢性的なストレスは片頭痛発作の頻度が高くなります。「ストレスをゼロにする」というわけにはいきませんが、睡眠をしっかりとってストレスをためないようにすると良いですね。 不眠症・睡眠障害について解説 も併せて参考にしてください。

⑤ カフェインを上手に使う

治療薬にもある通り、カフェインが入った飲み物は一時的に頭痛が和らぐことがあります。しかし、乱用すると睡眠不足につながったりカフェイン依存症に陥るケースがあるので、飲みすぎには注意です。「どうしても止まらない」時に使うとよいでしょう。(他の薬の飲み合わせにも注意してください)

⑥ ツボ押しが有効なことも

手の親指と人差し指の間の「合谷」や「こめかみ」などのツボ押しが有効な場合があります。ただし過度に刺激せずやさしく行ってください。(効果はまだ医学上未検証です)

個々人によって片頭痛が起こるタイミングは本当にさまざまです。片頭痛が起こるきっかけを知り、早めに対処することで和らぐ可能性があります。頻度が多い時は予防薬も検討するとよいでしょう。

(参照:慢性頭痛の診療ガイドライン

妊娠中・授乳中の片頭痛について

よく「妊娠中には頭痛薬飲めないのか心配」という質問をいただくことがありますが、妊娠中でも使える頭痛があります。それは、アセトアミノフェン(カロナール®)です。また、授乳中はNSAIDSと呼ばれる「ロキソニン®」なども使用できるとされています。(国立成育医療センターより)

さらに妊娠中は頭痛の発作頻度は少なくなる上、トリプタン製剤や予防療法を行うほどの大きい発作になる可能性は低くなりますので、ご安心ください。

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【この記事を書いた人】
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照して下さい。

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