女性の頻尿に多い過活動膀胱について【症状・検査・治療薬】

・ トイレが急に行きたくなったり間に合わないかひやひやしている
・ 家事をしているとすぐトイレに行きたくなる
・ 夜、何度もトイレに起きてよく眠れない

といった、尿トラブルにお困りではありませんか?

一之江駅前ひまわり医院では、こうした尿トラブルから過活動膀胱による治療も行っています。

過活動膀胱とは?

過活動膀胱は、さまざまな理由で膀胱が勝手に縮み過敏な働きをするため、尿が十分たまっていないうちに、おしっこがしたくなる状態のことです。日本排尿機能学会によると、40歳以上の過活動膀胱がある方は14.1%、推定患者数1000万人といわれています。実際に受診される方も年々増えていて、2012年の調査では238万件/年になりました。

過活動膀胱になりやすい原因としては、肥満や加齢に加えて便秘・高血圧・糖尿病が一般的です。アルコール摂取や喫煙・運動の有無も過活動性膀胱のなりやすさに関わってきます。

女性の場合は、出産回数が特に腹圧性尿失禁には大きくかかわります。
Sever N, Oskay U. An investigation of lower urinary tract symptoms in women aged 40 and over. Low Urin Tract Symptoms 2017; 9: 21–26)

過活動膀胱の症状は?

① 尿意切迫感

尿意切迫感とは、何の前ぶれもなく突然トイレに行きたくなり、我慢することが難しい症状です。
過活動膀胱の方には必ずみられる症状なので特に重視して問診します。

② 夜間頻尿

夜寝てから、オシッコのために起きる症状のことです。1回以上で夜間頻尿といえます。2回以上の場合、過活動膀胱の可能性は高いです。

③ 昼間頻尿

朝起きた時から夜寝るまでにオシッコでトイレに行く回数が多くなる症状です。1日8回以上の場合、昼間頻尿といえます。

④ 切迫性尿失禁

突然強い尿意のために、トイレまで我慢できず、尿がもれてしまう症状です。過活動膀胱では、この症状は伴わない場合もあります。

実際には、これらの症状を過活動膀胱の問診票を用いて診療をすすめていきます。

過活動膀胱の検査や診察は?

実際には「頻尿」といっても、神経トラブルだったり、尿自体に異常があったり、骨盤底筋群のトラブルだったり、さまざまな原因な原因が考えられます。原因を追究するために。当院では主に次の診察や検査を進めていきます。

① 問診

過活動膀胱の診断にとって問診は極めて重要です。実際の頻尿の状態を症状に合わせて丁寧に聞いていきます。また、背景の生活環境から詳しく聞いていき、患者さんに合わせた過活動膀胱に対するアドバイスも行っております。

② 尿検査

尿検査では、尿の成分や性質を分析し、血尿や細菌が入っていないか確認します。過活動膀胱と同じく頻尿を呈する疾患に、膀胱炎(間質性膀胱炎)があります。過活動膀胱は一般的に尿を「止める」治療になるので、膀胱炎がある場合悪化してしまいます。尿トラブルにおいては必須の検査です。

③ エコー検査

超音波検査(エコー検査)では、膀胱に残っている尿の量を計測したり、腎臓や膀胱の形や状態、がんや結石がないかなどを調べます。(超音波検査についてはこちらも参照してください)

他、状態に合わせて血液検査など行うこともありますが、状態に合わせて連携施設から泌尿器専門医を紹介していきます。

過活動膀胱の治療薬は?

大きく分けて「抗コリン薬」とβ3(ベータスリー)作動薬という2種類の薬が使用されます。

(1)抗コリン薬

抗コリン薬のコリンとは「アセチルコリン」という神経伝達物質のことです。アセチルコリンや膀胱にあるムスカリン受容体という部分に過度に作用すると、膀胱が異常に収縮するようになります。抗コリン薬では、これらの作用をおさえ、膀胱の異常な収縮を抑えます。

(2)β3作動薬

膀胱の筋肉(膀胱平滑筋)における交感神経のβ3受容体が刺激を受けると筋肉が緩み膀胱が広がり、尿道が縮みます。膀胱が広がると尿をより蓄えることができますよね。

β3作動薬はこうした作用を刺激して、膀胱を広げて尿道を縮ませることで、過活性膀胱による症状を改善します。

抗コリン薬とは異なる作用なので、前述の抗コリン薬の一部と併用することで作用が増強するという報告もあります。(報告の詳細はこちら

また他の治療として膀胱や尿道の神経の働きを調整する電気刺激法があります。これらの治療をご希望の場合、連携施設に紹介させていただきます。

過活動膀胱の日常生活での対処法は?

薬による治療だけでなく、、少しずつ訓練しながら日常生活で気を付けていくと、過活動膀胱は改善できます。自分ができる所から始めていきましょう。

① 膀胱訓練をする

膀胱訓練とは、少しずつ排尿間隔を長くすることで、膀胱の容量をあげる方法です。

最初は短時間から始めて、15~30分ずつ排尿するまでの間隔を延長していきましょう。トイレに行った回数を記録するのもいいですね。最終的には、3時間に1回くらいにトイレに行くくらいになるようにしましょう。(我慢しすぎて膀胱炎にならないように注意が必要。あせりは禁物です)

② 骨盤底筋群を鍛える

尿が排尿されるには、他の筋肉の力を借りるのも大切。骨盤底筋群を鍛えるには腹筋に力が入らないように膣や肛門を締めるようにします。

腹圧性尿失禁に対して主に行われますが、過活動膀胱についても効果を発揮します。

膣や肛門を意識しながら日常的にしめるだけでも効果があります。具体的な方法は当院でも指導していきます。骨盤の筋肉を鍛える意味でも長時間座った姿勢はさけたほうがよいでしょう。

③ 体重を減らす

過活動膀胱のガイドラインでも、特に体重減少は過活動膀胱の有効性が高いとされています。

食事と運動療法で体重を減らすと、尿失禁になりづらくなる大規模臨床試験のデータもあるので「過活動膀胱に最もよい生活習慣は?」というと「ダイエット」ということになります。

体重が8%減少すると、6か月後の尿失禁回数は47%減少したというデータもあるので、尿に困っている方はダイエットに励むと良いですね。(詳細はこちら

④ アルコールやカフェイン・炭酸飲料・タバコの摂取をさける

アルコールやカフェイン・炭酸飲料などは利尿作用があるので、水分量が多くなるだけでなく、尿失禁を悪化させる可能性があります

特に夜間の摂取は夜間頻尿の原因にもつながるように、できるだけ避けた方がよいでしょう。

また、タバコもニコチンが膀胱収縮を引き起こし、尿失禁のリスクを増大させる可能性が示唆されています。実際、喫煙者の女性はそうでない方の2倍尿失禁が多くなるという報告もあり(詳細はこちら)、尿失禁が辛いなら禁煙も考えましょう。

当院では禁煙外来も行っていますので、併せて検討してみてください。(詳しくは禁煙外来と禁煙補助薬(チャンピックス・ニコチンパッチ)についても参照してください)

⑤ 水分量を管理する

当たり前ですが、身体に入れる水の量が多い分、尿として排泄する量も多くなります。「頻尿だと思っていたら、水分の飲みすぎで多尿だった」というケースも少なくありません。

一方、水分は尿路結石の予防のほか、自律神経を整えたり血栓や便秘などを予防するなど、大切な役割があります。

過度な水分摂取は控えるくらいにして「自分が適切な水分を摂っているか」一度記録してみるのもよいでしょう。目安としては1.5リットルから2リットルくらいが目安です。

特に夜6時以降の水分管理は夜間頻尿にもつながるので特に大切です。

⑥ 便秘の改善

いきんで排便することで、腹圧性尿失禁や尿意切迫のリスクになる可能性があります。過活動膀胱に対する便秘改善の効果はまだはっきりしませんが、なるべく便秘につながる食生活は控えたほうがよいでしょう。

【この記事を書いた人】 
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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