【金属アレルギー】パッチテストの方法や費用と検査項目について解説

  • 普段から色々なものにかぶれやすい
  • 化粧品や金属にかぶれやすいのはしっているが、何に反応しているのかを知りたい
  • 歯の治療で「金属アレルギー検査をしてください」と言われてもどこにいけばよいかわからない

などの経験をしたことはありませんか?そんなときにオススメなのが「パッチテスト」です。パッチテストパネルを使うことで、かぶれの原因になっている代表的な物質を22種類一気に調べることができます。

今回は、そんな「パッチテスト」の具体的な方法や費用、検査項目について解説していきます。

血液によるアレルギー検査についてはアレルギー検査39種類セット「VIEW39」の項目や費用について解説を参照してください。

パッチテストとは?

パッチテストとは、文字通り「特定の物質に『かぶれ』がでやすいかどうか」を直接肌に貼り付けて確認する検査です。

実は、アレルギーと一言でいっても主に2種類の経路があります。

じんましんや気管支喘息、アレルギー性鼻炎のようなアレルギー症状は「即時型アレルギー(I型)」によるもの。即時型アレルギーではIgE抗体や肥満細胞が活性化して、本来無害な物質に対して過敏に反応します。すぐに症状として出やすいのも特徴です。

一方、金属や化粧品などの「かぶれ」は「遅発型アレルギー(IV型)」によるもの。遅発型アレルギーは、最初はかぶれの原因に対して反応しませんが、2~3日かけて徐々に反応していき、かゆみや赤み・腫れを引き起こしていきます。

遅発型アレルギーはIgGやリンパ球が活性化して反応するので、即時型アレルギーとは全く違う経路。なので「かぶれの原因」を見るのなら、直接かぶれの原因をみる「パッチテスト」が採用されるわけです。

パッチテストの方法は?

パッチテストの具体的な方法は次の通りです。

  1. 背中の正常な皮膚に「かぶれの原因(アレルゲン)」を直接貼ります
  2. 48時間後(2日目)に1回目チェック:受診してアレルゲンをはがして30分後を目安に1回目判定を行います。
  3. 3~4日目に2回目チェック:かぶれが短期間にさらに増大していないか、はがすと逆にすぐによくなるのか含めて判定していきます。
  4. 7日目に最終チェック:かぶれが自然と消退していくかを確認します。7日目に一連の過程を含めて、詳しくお話させていただきます。

このように、正確な判定をするために何回か来院する必要がある検査です。正確に結果を知りたいなら来院日だけでなく、2日後、3日後、1週間後に予定を開けるようにしましょう。

パッチテストパネル検査では「22項目」を1度の検査で調べることができるので、「どんな物質に反応しやすいかがわからない」などの方にはオススメです。

パッチテストの費用は?

22項目スクリーニング検査できる「パッチテストパネル」での費用は次の通りです。(3割負担)

パッチテストパネル(S)の検査費用5,810円

健康保険が適応され、初再診料、処方量などは別途必要になります。なお、

  • 中学生以下の場合:無料
  • 1割負担の場合:約1,940円
  • 2割負担の場合:約3,880円

となりますね。なお、当院では個別の項目に対しては対応しておりません。例えば「エポキシ樹脂だけ調べたい」などのご要望にはお答えできませんのでご注意ください。

パッチテストの項目は?

当院で調べられるパッチテストパネルを用いた検査は次の通りです。(実際には陰性対照を2つ塗布するので、合計24種類塗布されます。)

  1. 硫酸ニッケル:歯科用合金や塗料に用いられる代表的金属。実は約4人に1人がニッケルにアレルギー反応があるといわれています。(24.8%)
  2. ラノリンアルコール:つや出しや日焼け止めなどに含まれる成分。一般的な陽性率は1.8%です。
  3. フラジオマイシン硫酸塩:抗生剤の塗り薬としてよく使われます。一般的な陽性率は3.7%です。
  4. 重クロム酸カリウム:セメントや靴、歯科用合金などに用いられます。一般的な陽性率は2.3%です。
  5. カインミックス:「○○カイン」とよばれる局所麻酔でのかぶれですね。一般的な陽性率は1.6%です。
  6. 香料ミックス:キャンドルや化粧品などの香料でのかぶれです。一般的な陽性率は5.3%です。
  7. ロジン(精製松脂):インクやニス、接着剤、化粧品に含まれます。一般的な陽性率は2.0%です
  8. パラベンミックス:食品や化粧品などにふくまれる防腐剤です。一般的な陽性率は0.9%です。
  9.  ペルーバルサム:日焼け止めや香料、ソフトドリンクにもある樹脂です。一般的な陽性率は1.7%です。
  10. 金チオ硫酸ナトリウム:貴金属や歯科用金属にふくまれます。一般的な陽性率は23.2%です。(5人に1人以上)
  11. 塩化コバルト:セメント、インク、絵具、エナメルなどに含まれますね。一般的な陽性率は7.9%です。
  12. .ホルムアルデヒド樹脂:ゴムや革製品に含まれる樹脂です。一般的な陽性率は3.0%です。
  13. エポキシ樹脂:接着剤やコーティング剤に含まれます。一般的な陽性率は2.0%です。
  14. カルバミックス:ブーツや靴などのゴム製品に含まれます。一般的な陽性率は6.3%です。
  15. 黒色ゴムミックス:黒色のゴム製品に含まれるゴム老化防止剤です。一般的な陽性率は1.3%です。
  16. イソチアゾリノンミックス:シャンプーやリンス、外国製の化粧品に入っている防腐剤です。一般的な陽性率は4.3%です。
  17. メルカプトベンゾチアゾール:ゴム製品に含まれるゴム硬化剤です。一般的な陽性率は1.0%です。
  18. パラフェニレンジアミン:毛染めや織物、毛皮などの染料にふくまれます。一般的な陽性率は8.8%です。
  19. ホルムアルデヒド:衣類の仕上げ材、接着剤、防腐剤などに含まれます。一般的な陽性率は0.5%です。
  20. メルカプトミックス:ゴム製品に含まれるゴム硬化剤です。一般的な陽性率は1.3%です。
  21. チメロサール:ワクチンやソフトコンタクトレンズの洗浄液などにふくまれます。一般的な陽性率は2.8%です。
  22. チウラムミックス:ブーツやヘッドフォンなどのゴム製品に含まれるゴム硬化剤です。一般的な陽性率は4.1%です。

ここから見るとわかる通り、例えばゴム製品1つとっても「チウラムミックス」「カルバミックス」などいろいろな成分が含まれており、成分によってそれぞれ陽性率が異なります。

もちろん単純に足し算すべきではありませんが、「かぶれやすい」と感じる方は、成分数が多い化粧品や製造過程で様々な成分を使うものはなるべく使わない方がよいことがわかりますね。

(参照:日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020」

パッチテストの注意事項

最後にパッチテストでの注意事項を説明いたします。

① パッチを貼る部分は塗り薬などを使用しない

当然ですが、普段の肌でどのようにかぶれて良くなるかを見るための試験です。途中で塗り薬を使用したり、前もって塗り薬をぬっていると結果が正常に出てきませんので注意しましょう。

② 途中でパッチをはがさない

正確な診断のために規定通り2日貼った状態で、院内にはがすようにしています。もちろん強く反応している場合はかゆみを伴う可能性がありますが、2日間は途中ではがさないよにしてください。(強いかゆみで途中はがしてほしいと来院される方は今までのところ1人もいません)

③ パッチをはがす前は入浴を控える(2日間)

入浴やシャワーでパッチの位置がずれたりはがれたりすると、十分な判定ができません。パッチをはがす前は入浴やシャワーは控えてください。背中をぬらさないように洗髪するのはかまいません。

④ 背中をゴシゴシしたり激しい運動でマークをなくさない

どの物質がどこに塗ってあるかわかるように油性ペンでマーキングしてあります。汗などで油性ペンのマークが流れるとどこに塗ってあるのかわからなくなってしまいます。ゴシゴシ洗ってマークを消したりしないようお願いします。

⑤ 正確な判定のために、指定された日付で来院いただく

パッチテストは時間がとても大切。時間が経過するごとに徐々に色も消えていってしまいます。正確な判定のためにも必ず指定された時間にご来院いただくようお願いいたします。

【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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