- 足の皮がめくれてくる
- かかとのかさつきが気になる
- 爪がかさついて厚くなっている
- 足に水ぶくれができるようになってきた
実はこれらの症状はすべて水虫による可能性があります。一之江駅前ひまわり医院では、当日の顕微鏡検査はもちろんのこと、患者さんに合わせて水虫の治療も行っております。
水虫(白癬)とは?水虫の原因は?

(水虫(白癬菌)の顕微鏡写真)
水虫といいますが、正体は虫ではなく白癬菌という真菌(カビの一種)による感染症の1つです。日本の疫学調査によると、5人に1人が白癬菌に感染しているといわれています。(爪水虫は10人に1人)非常にポピュラーな感染症といえるでしょう。(詳細はこちら)
「水虫=足」のイメージが強いですが、実は足のほかにも手・股・頭など色々な場所にできます。「白癬菌」はケラチンというタンパク質を栄養にしているので、ケラチンの多い「角質」という場所に住み着きます。ですので、ケラチンがない口の中などには住み着きません。
一番症状として出やすい場所が「足」なので、足の水虫について解説していきます。
足の水虫(足白癬)の症状は?
足の水虫(足白癬)は以下の3つのパターンに分けられます。
① 足の指の間に皮むけが起こる(趾間型)
足の指の間に発症するタイプで、水虫のなかで最も多く見られます。とくに、薬指と小指の間にできることが多く、白くふやけて皮がめくれてくるのが特徴です。赤くただれてしまったり、逆に乾燥して皮めくれだけ起こったりすることもあります。
② 足に小さな水ぶくれができる(小水疱型)
足の土踏まずや側面などを中心に小さな水ぶくれができることもあります。梅雨の時期に発症しやすく、秋によくなるのを繰り返すのも小水疱型の特徴の1つです。
③ 足がカサカサしてくる(角質増殖型)
かかとを中心に、足の皮膚がカサカサしてきます。そのうち分厚くなってかたくなり、ひび割れたりすることがあります。冬に悪化しやすくなるのが特徴です。
これらの症状を聞いて「あてはまるかも」と思った方も多いでしょう。
しかし、そこで「症状だけで市販薬をいきなり使わない」というのが非常に大切です。それはなぜでしょうか。
症状だけで水虫の市販薬を使ってはいけない理由は?
① 水虫以外の皮膚疾患でも似た症状がある
実は、上にあげた症状は他の皮膚疾患にもでてきます。例えば
- 汗にともなう湿疹(異汗性湿疹):足の皮むけや水ぶくれができます。
- 足底皮膚炎: さまざまな刺激が原因で皮めくれや水ぶくれがでることがあります。
- 接触皮膚炎: いわゆるかぶれによる湿疹です。皮むけや水ぶくれの原因になります。
- 足底角化症: 角質増殖型と同じようにかかと中心に足の皮膚がカサカサしてきます。
- 掌蹠膿疱症: 足の土踏まずなどを中心に水ぶくれや黄色い膿のかたまりなどを作ります。
など多岐にわたります。もちろんこれらは水虫が原因ではないので、水虫の市販薬は効きません。
② 水虫の市販薬でかぶれたり症状が悪化することがある
さらに、水虫の市販薬でかぶれてしまうことがあります。その場合、まず「かぶれ」の治療をしてから水虫の治療をはじめることが多く、かえって回り道になってしまいます。
③ 水虫の市販薬を使うと診断がつきづらくなる
前述の通り、症状だけで水虫か他の皮膚疾患かを判断するのは非常に難しいです。そのため、水虫の治療を始める前には必ず顕微鏡検査で水虫がいることを確認してから治療を始めます。
しかし、市販薬を使っていると、水虫がいなかった場合「市販薬を使っているから水虫がいないのか」「もとから水虫がいないのか」判断がつきづらくなってしまいます。
こうしたことから、水虫の治療は市販薬を使う前に、皮膚科で診断をつけてもらった方がよいでしょう。
足の水虫(足白癬)の治療は?
水虫(白癬)の治療の中心は塗り薬です。しかし普通にその場所に塗ればよいのかというと、そうではありません。以下に特に重要なポイントをあげていきます。
① 塗るタイミングは「お風呂あがり」
お風呂上りは角質が一番ふやけており、薬の浸透率も高くなります。1日1回の製剤が多く、2回や3回つける必要はありません(一部複数回つける薬もあります)
② 水虫の場所だけ塗るのではなく「全体に」塗る
水虫は皮めくれや水疱の場所だけにいるわけではありません。足裏全体から指先まで塗り残しがないように毎日続ける必要があります。
③ 水分をきちんとふき取ってから塗る
水分がついている状態だと、濃度が薄くなってしまう可能性があります。水分を十分ふき取ってから使うようにしましょう。
④ 水虫が治ってからもしばらく使う
水虫はタイプにもよりますが、1週間や2週間では治らず根気が必要です。指(趾)間型では 2 カ月以上,小水疱型(汗疱型)では 3 カ月以上,角化型では 6 カ月以上が目安となります。「治ったから大丈夫」と考えていると再発しやすくなるので、必ず自己判断せずに皮膚科でチェックしてもらいましょう。
(日本皮膚科学会 皮膚真菌症診療ガイドライン 2019による)
* 爪水虫の場合は爪専用の治療薬(塗り薬・飲み薬)があり、さらに時間がかかります。足の水虫もそうですが根気が必要です。ひまわり医院では、患者さんの状態に合わせてアドバイスさせていただきます。
* 水虫の治療薬には飲み薬があります。これは、爪にできる水虫でなかなか治らない場合に行います。内臓への負担が大きいことなどから、患者さんに十分リスクをお話した上で処方するようにしています。
水虫の予防法や対処法は?
① 公衆浴場やスポーツジムなどで足の裏をよくふく
水虫は、公衆浴場やスポーツジムなどのマットレスを経由してうつることが多くあります。しかし、水虫が角質に入って住み着くまでに1日ほど時間がかかるといわれています。
ですから、公衆浴場やスポーツジムに行ったあとは足の裏や指の間をよくふくことで予防することができます。
② 蒸れた状態をなくす
長時間、炎天下で蒸れた靴下や靴を履き続けると、水虫が入りやすい環境が整ってしまいます。足や靴下だけでなく靴も蒸れにくい環境を作ってあげると、水虫を予防することができます。
③ 清潔に保つ
特にもともと足の指の間が狭い人は蒸れやすく足の水虫になりやすくなります。特に足の指同士がくっつきやすい方は、足の指をよく開いて丁寧に洗うようにしましょう。
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【この記事を書いた人】
一之江ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。
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