巻き爪の原因や治し方は?リネイルゲルを使った巻き爪矯正についても解説

こんにちは、ひまわり医院の伊藤大介です。

  • 巻き爪で時々痛みが出てくることがある
  • 巻き爪で腫れあがって病院へいくこともよくある
  • 巻き爪で何回も症状が出てしまうので、治療したい

など、巻き爪で困っている方はいませんか?今回は巻き爪の原因や治し方、当院で行っているリネイルゲルを使った巻き爪矯正についてご紹介していきます。

巻き爪とは?

巻き爪とは、爪の端が内側に巻き込んだ状態のこと。これはほとんど足に起こり、巻き爪のある部分に痛みが起こるだけでなく、姿勢や歩き方が悪くなるため、ひざや腰の痛みの原因となります。そして、しばしば、特にご高齢の方は転倒につながる危険にもつながるのです。

さらに巻き爪を放置していくと、陥入爪に発展していきます。陥入爪は「爪の側面先端が周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こした状態」のことです。陥入爪は爪の形状に限らず「食い込みやすい爪の形」ならどんな爪でも起こりますが、巻き爪の場合自然と爪が皮膚に食い込むようにかぎ状になるので、陥入爪になりやすいですね。

そして、巻き爪や陥入爪を放置すると、時々爪の周囲の皮膚が傷つき細菌が感染することがあります。さらに、赤く腫れあがり痛みを伴うようになっていくのです。こうした爪の周囲が細菌感染で腫れることを「爪周囲炎(ひょう疽)」と呼びます。

このように巻き爪は「陥入爪」や「爪周囲炎」などの段階を経て、生活に著しく影響を与える可能性があります。「たかが巻き爪」と思って放置していると、かなり治療に難渋しやすいので早めにケアをしてあげることが大切です。

巻き爪の原因は?

ではどうして巻き爪になってしまうのでしょう。

巻き爪の原因を一言でいうと「爪の巻く力が、爪を広げる力よりも強くなってしまった」からです。では、なぜ爪の「巻く力」と「広げる力」のバランスが崩れてしまうのか。例えば以下が考えられます。

① 普段から足の指に力が加わっていない

本来爪が巻きやすい方がいますが、足の指にしっかり力が加わると徐々に爪の巻く力に対抗して爪が広がっていきます。しかし、足の踏ん張りが十分でないと、爪の巻く力に対抗できずに徐々に巻き爪が進行していきます。例えば次のようなケースですね。

  • お年寄りや療養中など足に体重が加わることが少ない
  • 外反母趾や足の形に合わない靴を履くことで、足の指にかかる力が一定ではない
  • 足のクセにより一定の指に十分な力がかかっていない

特に多いのは「あっていない靴を使っている」ケースですね。指先がきゅうくつな靴先のとがった靴足の形にあっていない靴などを長い間はいていると、爪が靴によって圧迫されて爪が折れ曲がってくることになります。

② 間違った爪の切り方をしている

爪の切り方が問題で巻き爪になる方もいます。例えば次のようなケースですね。

  • 深爪:深爪とは「爪を深く切りすぎる」ことで爪が皮膚に食い込む原因となります。深爪をしていると、足の指に力が加わった際に、爪の先の皮膚が力を受けて盛り上がり、爪がまっすぐに伸びることができず、巻き爪になりやすいのです。
  • 爪の両端を切り残す:切り残した爪が皮膚に刺さり、痛みや炎症を引き起こします。

正しい爪の切り方は後述しますが、巻き爪にならない切り方を覚えるのが大切です。

③ 他の疾患の合併症として巻き爪である可能性

腎臓疾患や全身性エリテマトーデスなどの全身性疾患で巻き爪になることも

また、爪白癬(爪水虫)や爪の下のイボで爪が部分的に厚くなって巻き爪になっているケースも見られますね。

(イボや水虫については下記を参照して下さい)

④ 遺伝的に巻き爪になりやすい方も

ある論文では、家族の約半数が巻き爪になる方がいる報告例があります。家族的に巻き爪になりやすい方は通常左右対称性に生じ、爪が厚くならないのが特徴です

巻き爪になりやすい遺伝素因がある方はもともと爪が内側に曲がりやすいので、矯正したとしても再度曲がっていく可能性があります。

このように、さまざまな原因で起こりうる「巻き爪」。どのように治していけばよいのでしょうか?

(参照:Pincer nail deformity as the main manifestation of Clouston syndrome

巻き爪の治し方は?

当院では主に「巻き爪マイスター®」による治療を行っております。(自費診療)

巻き爪マイスターはコイルばねに内臓された超弾性合金ワイヤの弾性力を利用して、爪の彎曲を矯正する器具です。両先端にフックがついており、両方の爪にひっかけてワイヤやばねの元に戻ろうとする力を利用して巻き爪を改善します。

大体1か月に1回のペースで調節するのが一般的です。足の爪自体1か月で1.5mm程度しか伸びないので、ゆっくりではありますが徐々に改善していきます。

巻き爪マイスターだけでも大体2~3か月装着をつづけていけば巻き爪は改善しますが、後述する「リネイルゲル」を使うと大幅に期間が短縮されます。

巻き爪矯正治療の費用は?

巻き爪マイスター®による費用は以下の通りです。

初回治療7500円
再診料+手技料2000円

※ 初回治療には器具代や手技料などが含まれています。
※ 初回治療後2週間後に一度装具のチェックをします。(1000円)1か月くらいで爪も伸びてくるので器具の位置調整が必要になります。

「すぐ壊れたらどうしよう」とお悩みの方も安心して下さい。初回に装着し1週間以内に器具が破損した場合は、無料で再度交換させていただきます

巻き爪のセルフケアや正しい爪切りは?

巻き爪は生活習慣によって大きく左右される疾患なので、普段のセルフケアがとても大切です。様々ありますが、ポイントをお伝えします。

① 正しい爪切りをする

maruho株式会社HPより転載)

足の爪は、丸く切るのではなくまっすぐに切る「スクエアオフカット」がよいとされています。スクエアオフカットの切り方としては

  1. 爪先端の白い部分を1㎜程度残し、一直線に切る
  2. ヤスリを使って尖った角を少し丸くする

となります。(上図参照)大切なのは「尖った角は調節程度で丸く削りすぎない」こと。丸くしすぎると「巻き爪マイスター®」をはじめとした巻き爪のケアをすることができづらくなります。

② 自分に合った靴を選ぶ

自分にあった靴を選ぶことは、足の踏ん張りが作り巻き爪になりにくいばかりか、タコやうおのめ・靴ずれなど様々な足トラブルを避けるのにも有効です。

巻き爪に焦点を当てた、正しい靴の選び方の目安としては次の通りとなります。

  • つま先にゆとりのある靴: つま先部分の幅や高さにある程度余裕がある靴を選びましょう
  • ヒールが低い靴: ヒールが高いと足の重心がつま先よりになり、幅が狭いとさらに巻き爪が進みます
  • かかとがぴったり合う靴: かかとがしっかり固定され、しっかり包みこんでくれる靴のほうが歩く時の重心が安定します。
  • 靴ひもやベルトで調節できる靴: 調節できない靴だと靴と足が一体になりづらく、歩き方が不安定になります。

デパートや靴専門店には、自分にあった靴を相談できる「シューフィッター」さんがいらっしゃるので、相談してみるとよいですね。

③ 歩き方も大切

歩き方は足に非常によく表れてきます。巻き爪になるということは、(もちろん体質もありますが)指への力のかかり具合のバランスが悪いかもしれません。

背筋を伸ばして、腕を前後に振って歩いてみて、足の指の力のかかり具合を確認してみましょう。通常は重心は「かかと」➡「小指の付け根」➡「親指の付け根」➡「親指」と移動してくるはずです。

他の人に歩き方をみてもらうのも1つの方法ですね。普段歩いていない方は、(爪周囲炎で痛い時を除いて)歩くクセを付けるようにしましょう)

④ 巻いてきたら早めに相談するのも大切

巻き爪の方の中には、非常に巻きすぎてなかなか修復できない位のタイミングで受診される方もいます。(中には1周巻いている方もいます)

巻き爪マイスター®も重度の巻き爪の場合には適応にならず、修復困難なケースもあります。軽度のうちに早めに治療することで爪周囲炎など爪トラブルを防ぐことができます。

巻いてきて痛みを感じた時や、巻くのが強くなった来た時は、早めに医療機関に相談するようにしましょう。

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【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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