花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」の症状や治療法・予防法を解説

  • 毎年同じ季節に顔がかゆくなる
  • ブツブツが目の周りにできやすく赤くなる
  • 鼻水もないのに、急に露出している部分がかゆくなってきた

こうした症状の方は「花粉皮膚炎」かもしれません。今回は、花粉での肌荒れである「花粉皮膚炎」について、症状や花粉皮膚炎になりやすい方、治療法や予防法まで幅広く解説していきます。

花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」とは?

花粉での肌荒れ「花粉皮膚炎」とは、文字通り「花粉が皮膚に接触することによる起こる皮膚炎」です。

花粉が原因となるアレルギー症状と言えばくしゃみ・鼻水・目のかゆみなどが一般的ですよね。しかし、花粉が皮膚に接触することによって皮膚トラブルが起こることがあることが1940年代から報告されており、「花粉皮膚炎」と呼ばれています。花粉皮膚炎の特徴として

  • 特定の花粉の季節だけ生じる:スギやヒノキ花粉だと2月~5月や11月~12月。ブタクサなら8月~10月
  • 花粉がつきやすい場所に症状がでる:目のまわりのむくみやほほ、露出しているフェイスライン付近に出やすい
  • 左右対称にでやすい:花粉のつきやすさは顔や手で左右同じであることから、左右対称にでやすいことが多いです(髪型などにより多少かわります)。

などがあります。

(参照:DERMATITIS OF THE HANDS DUE TO ATOPIC ALLERGY TO POLLEN

花粉皮膚炎の症状は?

花粉皮膚炎では、花粉がつきやすい場所(目の周りや鼻、マスクで覆われていない場所)に、以下の症状が現れます。

  • 肌の赤み
  • かゆみ
  • はれやむくみ
  • 皮膚のカサカサや乾燥

しかし気を付けなければならないのは、花粉症のような鼻水や眼のかゆみなどがなくても、「花粉皮膚炎」として発症する可能性があることです。理由として「花粉皮膚炎は花粉症と一部異なる発症機序で起こっているため」とも考えられています。

また、花粉にアレルギーがなくても細かい微粒子の接触刺激でも花粉皮膚炎は起こりえます。なので「血液検査で花粉に反応しなかったから大丈夫だろう」という油断は禁物です。

日本では、四季折々でさまざまな花粉が飛びます。春はスギやヒノキ。夏はイネ科。秋のブタクサ花粉など、季節により異なるタイプの花粉が飛んでいますが、やはりスギ花粉の飛散量は多く、皮膚への影響は出やすいと考えられます。

(参照:Molecular aspects of allergens in atopic dermatitis. Curr Opin Allergy Clin Immunol. 2017 Aug; 17(4): 269–277.)

花粉皮膚炎にかかりやすい方は?

乾燥肌

花粉皮膚炎にかかりやすい方は、例えば以下の通りです。

  • 肌が乾燥しやすい方
  • 外など花粉量が多い場所で勤務されている方
  • もともとアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方
  • 花粉症など、もともとアレルギー素因がある方

乾燥しやすい方やアトピー性皮膚炎を持っている方は、角質層でのバリア機能が低下しやすく、外部の刺激に敏感になっています。

花粉量が多い外が中心の勤務をされている方も花粉にさらされる量に比例して「かぶれ」として発症されることが多いです。

また、アレルギーを持っている方も、花粉に対するアレルギー反応が強くなりやすい傾向があり、かゆみから掻き壊し花粉皮膚炎に発展しやすいでしょう。繰り返し悩まれている方は、血液検査で自分がどのアレルギー体質を持っているかを知っておくとよいかもしれません。

血液アレルギー検査については、血液アレルギー検査(VIEW-39・RAST)について 【費用・項目・保険適応】も参照してください。

花粉の肌荒れに対する治療は?

花粉皮膚炎の作用機序は完全には分かっていませんが、基本的には「花粉の接触による炎症」が原因になるので、「炎症を抑える薬」が中心になります。

① 炎症を抑える塗り薬

花粉の付着による、いわゆる「かぶれ」に近い状況ならば、ステロイドの外用薬やタクロリムス軟膏などの炎症を抑える塗り薬が効果的です。

早めの治療で4~5日くらいで収まるでしょう。ただし、部位によって適切な薬の種類を選ぶ必要があるので、自己判断で家に余った薬などを使用せず、医師に確認してから使うようにしましょう。

当院では、肌の状態を確認しながら、その時の肌にあった薬を処方しています。処方に関するご希望などありましたら、ぜひ医師にお伝えください。

② アレルギーを抑える飲み薬

鼻水や目のかゆみでこすってしまうことをきっかけに悪化してしまう場合、アレルギーを抑える飲み薬も補助的ですが効果的です。ただし、皮膚の炎症そのものを抑えるわけではないことに注意しましょう。

他にも鼻水や目のかゆみを抑える薬を併用することもあります。花粉症にお悩みの方は花粉症の原因や治療・対策についても解説も参照してください。

ただし、花粉皮膚炎にとって一番大切なのは治療よりも予防法。いかに花粉皮膚炎を繰り返さないかがとっても大切です。

花粉の正しい肌荒れ対策は?

花粉皮膚炎の予防方法も様々ありますが、代表的なものを紹介していきます。(参照:Mayo Clinic[ Contact Dermatitis]

① 花粉を家に持ち込ませない

花粉が気になる時期や繰り返しやすい時期になったら、花粉をやさしく除去するように意識しましょう。例えば、以下と意識するとよいですね。

  • 玄関先で、衣類や髪についた花粉を払いおとし、中に持ち込ませないようにしましょう。空気清浄機も入口付近におくと、家に持ち込ませにくくなります。
  • 家に帰ったら、肌に付いた花粉をやさしく洗い流すようにしましょう。特に顔は花粉が付きやすく荒れやすい原因に。石けんを十分に泡立てて、肌にストレスを与えないように気をつけて。
  • 洗濯ものを外に干さない: 特に花粉が多い日は部屋干しにするとよいですね。

② 保湿剤を使って肌を保護する

肌の角質層の乱れによって、花粉皮膚炎は起こりやすくなります。定期的に保湿ローションを使用することで、角質のバリア機能が保たれ、花粉皮膚炎をおこしにくくなります。花粉そのものを付着させない意味で、肌質にもよりますが、多少油分が多いものを使用するとよいですね。

③ 外出時の服装に気をつける

特に花粉皮膚炎になりやすい箇所としては「目のまわり」があげられます。

外出時にゴーグルなどをするとベストですが、見栄えが気になる方は帽子やメガネを活用して、自分にあったスタイルが見つけるとよいでしょう。

日本医科大学の実験では、通常のメガネでも目に入る花粉量はおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネでは65%減少するとしています。

④ 花粉皮膚炎になったら早めに炎症をおさえる

花粉皮膚炎は、なりはじめのケアが大切。ゴシゴシこすらないようにして、早めに炎症を抑えるようにしましょう。ゴシゴシこすってしまうと、何とか保たれていたバリア機能も崩れてしまい、皮膚炎に拍車がかかってしまいます。詳しくは花粉症の原因や治療・対策についても解説も参照してください。

早めに皮膚科に受診し、自分にあった薬を使った方がよいですね。塗り薬や疾患について十分知識があれば、同じ状態の時に再度使用してもよいですが、

  • 薬の使用期限が決められている点
  • 一見同じ皮膚炎に見えても、違う皮膚炎の場合がある点

などに注意が必要です。「絶対に同じ皮膚症状だ」思う場合のみ繰り返し使用してくださいね。

⑤ 花粉症も一緒に治療する

花粉症が併発されている方は、例えば鼻水をかみすぎて皮膚炎になっている方もいらっしゃいます。その場合は、鼻水自体を抑えたほうが良いケースもありますので、花粉症対策もしっかりおこないましょう。

また、花粉シーズンだけ保湿成分入りのティッシュに切り替えるのも鼻周りの荒れ防止に役立ちます。

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【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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