ニキビ(尋常性ざ瘡)について解説【原因・治療法・予防法】

  • ニキビが顔や背中にできて赤くなる
  • ニキビの痛みがあるから、自分で潰していたら悪化した
  • ニキビが一回よくなっても、繰り返すからなんとかしたいと思っている

こういった方はいませんか?一之江駅前ひまわり医院では、ニキビにまつわる肌トラブルについても保険診療を中心に治療を行っています。

ニキビ(尋常性ざ瘡)とは?

ニキビとは俗称であり、正式な病名は「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」といいます。毛穴に一致した白や黒・赤いプツプツが特徴で、主に皮脂腺がつまりやすい「おでこ」「フェイスライン」「ほほ」「背中」などによくできます。

ニキビは日本人の90%もの方が経験する疾患なので、「誰もが悩んだことがある疾患」といえますね。

平均の発症年齢は13.3歳であり、男女の差はありません。高校生の時に72.5%の方がニキビで悩んでおり、20歳をすぎても男性で40%、女性で50%の方がニキビが継続していることから「ニキビを放置していても治りにくい」のが特徴といえます。

ニキビ(尋常性ざ瘡)の原因は?

ニキビの原因は主に以下の3つのステップを経て発達してきます。

① 皮脂の分泌が盛んになる

ストレスや加工食品中心の食べ物、思春期で性ホルモンの分泌が活性化するなど、さまざまな原因で皮脂の分泌が盛んになると、ニキビができやすくなります。また、女性では男性ホルモンと女性ホルモンのバランスのくずれでニキビになることも。

さまざまな生活習慣の変化でニキビのできやすさも変わってきます。

② 毛穴が詰まる

マスクの装着や髪の毛があたり、慢性的に炎症がり返していると、毛穴の出口の各層がはがれず、毛穴が詰まりやすくなってしまいます。

また生活習慣の乱れでターンオーバー(肌の生まれ変わる周期のこと)が乱れると同様に毛穴が詰まる原因にもなります。

こうして毛穴がつまって盛り上がった状態「白ニキビ」、白いキビが空気に触れて酸化して黒くなった状態を「黒ニキビ」と呼ぶこともあります。

③ アクネ菌が繁殖する

アクネ菌はもともとすべての方の肌にいる常在菌ですが、毛穴がつまり空気の逃げ道がなくなった場所では異常増殖してしまいます。

増殖したアクネ菌が白ニキビの中で繁殖すると、肌の炎症を引き起こし「赤ニキビ」になります。赤ニキビになると、腫れや痛みを伴います。

ニキビ(尋常性ざ瘡)を自分で潰すとどうなる?

では、自分でニキビを潰した場合はどうなるのでしょう。結論としては、以下のようになることがしばしばあります。

  • アクネ菌を排出しないで悪化する: うまく皮脂や膿を完全に出せないだけでなく、手の雑菌を中に
  • 肌を必要以上に傷つける: 自分で膿を排出させようとすると、どうしても気軽に「爪」を使って潰すことが多くなりますが、専用の医療器具ではないので、切開がギザギザになり肌を必要以上に傷つけます。
  • ニキビ跡になる可能性が高くなる:肌を必要に以上に傷つけると、傷ついた肌がいびつな形で修復され、皮膚がデコボコした「ニキビ跡」になる可能性が高くなります。

このように、ニキビ跡を自分で潰すと後々の肌の障害につながりオススメできません。確かに「面皰圧出術」といって専用の器具を使って中の膿を押し出す治療法がありますが、消毒し滅菌された状態で(状況によって)鋭的に必要最小限に切開するのが原則です。

自分ひとりで悩まず、皮膚科で相談するようにしましょう。

ニキビ(尋常性ざ瘡)の治療法は?

ニキビの治療としては、生活習慣の指導のほか、塗り薬や飲み薬の治療があります。保険診療の中では具体的には以下の通りです。

① 毛穴のつまりを抑える塗り薬

ニキビの根本的な原因である「毛穴のつまり」をなくすことで「ニキビができにくい肌」にする塗り薬です。

現在日本では「ベピオゲル®(BPO)」「デイフェリンゲル®(アダパレン)」「エピデュオゲル®(BPO/アダンパレン)」が保険適応として認められており、肌の状態によって使い分けています。

どの薬剤も日本皮膚科学会の尋常性ざ瘡ガイドラインでは「Grade A」(強く推奨する)にあたり、ニキビ治療に非常に有効な薬です。

ただし毛穴のつまりを抑えるということは、固くなった肌をやわらげピーリングする作用が多少なりともあります。そのため(特に使い始めは)赤くなったり、乾燥したり、かゆみがでることもあるため、使い方を丁寧に伝えなければなりません。

当院では、肌の状態は詳しく診察し、安全性と効果のバランスを考えながら、薬の提示をおこなうようにしています。もし「こういう治療をしてみたい」などの希望がありましたら、遠慮なくお話いただけますと幸いです。

② ニキビ菌を抑える「塗り薬」

アクネ菌を抑える抗生剤の塗り薬を使うことで、アクネ菌を殺菌し「赤ニキビ」を抑える働きがあります。具体的には「クリンダマシンゲル®」「アクアチムクリーム®」「ゼビアックスローション®」などです。

「ニキビ菌を抑える塗り薬」は「毛穴のつまりをなくす塗り薬」と違って、副反応はほとんどなく、安全に使用できるのが特徴です。一方、毛穴のつまりを取るわけではないので、「白ニキビ」や「黒ニキビ」には効果を発揮しません

「たまにポチッと赤くできる」という方にはおススメですね。(赤ニキビに対してはガイドラインでも「GradeA」(強く推奨する)となっています)

なお毛穴のつまりを取る「BPO」と抗生剤である「クリンダマイシン」が配合された「デュアック®」もあります。こちらも肌の状態に合わせて、お話させていただきます。

③ ニキビ菌を抑える「飲み薬」

塗り薬と同様に、ニキビ菌を抑える飲み薬も「赤ニキビ」には有効です。1日1回ないしは2回使用されます。具体的には「ミノサイクリン」「ドキシサイクリン」「ロキシスロマイシン」などがあげられます

塗り薬と違って体の中から効果を発揮するため、多くの「赤ニキビ」に対して全体的に効果を発揮するのが一番の特徴です。そのため「全体真っ赤に腫れているのを何とかしたい」という方にはおススメになります。

しかし、抗生剤の内服は「腸内細菌叢」を抑えてしまったり、(特に女性の場合)膣の常在菌を抑えることで膣炎を発症することもあり、原則短期間での使用としています。(世界基準であるGlobal Allicanceでは、「内服抗菌薬の投与は3か月までとして、6~8週間目に再評価して継続の可否を決めること」としてます。(詳細はこちら)

ついつい効果が高いので抗生剤内服を希望される方が多いのですが、医療者側としては体のことを第一に考えて診療しております。患者さんの希望も大切にしていますので、代替え案など考えながら、適宜提案してまいります。

ただし、一部の抗生剤はニキビ菌を抑える以外の目的で使用することがあります。逆に長期間抗生剤を使用されている場合は、理由などを担当医師にも相談してみるとよいでしょう。

ニキビ(尋常性ざ瘡)のケア方法は?

ニキビは治療以外にも、もちろん生活習慣や普段のスキンケアがとても大切。肌の状態に合わせてアドバイスは変えていますが、ニキビの一般的なケア方法を紹介させていただきます。

① 優しく洗顔する

ニキビは毛穴のつまりから起こります。洗顔は皮脂や汚れをとり、毛穴を詰まらなせなくするためにとても有効です。ただし、皮脂をとろうとしてゴシゴシ洗うのは厳禁。例えば洗顔方法として次のことを心がけるようにしましょう。

  • 帰宅後はすぐにメイク落としをする
  • 洗顔は十分泡をたてて洗うようにする
  • ゴシゴシこするようにして顔を洗わない
  • 洗顔は1日1回を目安にする。回数を多くしすぎない
  • 洗顔は刺激の少ない「ノンコメドジェニック」な製品を選ぶ

② 化粧品は「ノンコメドジェニック」なものを

コメド(comedo)とはニキビのこと。「ノンコメドジェニック」とはニキビができにくいように作られた化粧品のことです。

実際「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示されている製品は、ニキビができにくいかを実際に人間の肌でテストを行なっています。皮脂腺の多い背中に検査対象になる試験サンプルを貼り、数週間後に角質を拭って、ニキビができはじめているか顕微鏡で検査して判定しているのです。

ニキビを繰り返している方は、ご自身で使われている化粧品が「ノンコメドジェニック」かどうか確認してみるとよいでしょう。

③ 皮脂の分泌を抑える生活を心がける

前述の通り、皮脂の分泌が過剰になるとニキビができやすくなります。そのため、なるべく皮脂の分泌を作らせないようにすると、ニキビが抑えられやすくなる場合も経験します。具体的には、以下の点に注意してみてはいかがでしょうか。

  • 加工食品や糖質・脂質が多い食事をおさえる:飽和脂肪酸をはじめとした食事や糖質が多い食事は、皮脂の分泌を促進させることが言われています。
  • 睡眠不足を解消する:日本人の睡眠時間は世界でも短い方なことが指摘されています。特に午前0時を過ぎた入眠は、皮脂の分泌を活性化させてしまいます。睡眠不足の方法については、不眠症・睡眠障害について解説【治し方・改善方法】も参考にしてください。
  • ストレスをため込まない:睡眠不足にも関連しますが、過度なストレスは皮脂分泌を促してしまいます。タバコや過度なアルコールも肌には悪いので注意ですが、自分にあったストレス解消法を見つけられるとよいですね。

他に皮脂の分泌が原因で起こる皮膚炎に脂漏性皮膚炎があります。ですので、頭皮や顔にできる脂漏性皮膚炎の治し方は?原因や薬についても解説も参考にされるとよいでしょう。

➃ 紫外線対策や保湿ケアも大切

ニキビと紫外線はなかなか結びつきにくいかもしれませんが、紫外線に含まれるUVAやUVBは肌の細胞を直接障害し、肌の老化や炎症を引き起こします。ですので、日焼け止めクリームや帽子・日傘などの紫外線対策は、ニキビにとっても有効です。

また保湿ケアをこまめに行うことによって、肌の水分量が増加。炎症が起きても肌に含まれる水分で緩和することができます。保湿については乾燥肌対策してますか?皮脂欠乏性湿疹の原因や保湿ケアについても参照してください。

ニキビ(尋常性ざ瘡)についてのまとめ

いかがでしたか?ニキビを原因から治療法まで幅広く解説してみました。

ニキビを完全に治すには時間がかかります。一朝一夕にはできません。ただ、生活習慣や肌ケアの方法を変えながら治療を続けると、徐々によくなりやすい疾患です。

実際には患者さんごとに治療やケア方法も異なってきますし、状況によってアドバイスも異なります。まずは1人で悩まずぜひ相談してみてください。

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【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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