寿命を延ばす食べ物は?長寿の秘訣を医学論文から検証します!

いつまでも健康で長生きできたらと思うのは、万人の夢ですよね!しかし、意外と普段の健康習慣や食生活などを見直すだけで健康で生き生きとした生活を送れる可能性がグッと高まります。

では、なるべく長く健康でいるにはどのような生活を送ったらよいのでしょうか?今回は、その中で「寿命を延ばす食べ物」を最新医学論文に基づいてご紹介していきます。

寿命を延ばす食べ物は?

実は「なるべく長寿でありたい」と願う方は日本だけでなく世界でも同様です。そのため、世界でも寿命と食べ物についての研究は非常に盛んにおこなわれており、日々世界規模でデータベースがアップデートされています。

これらの「食事の選択が平均余命にどのように影響するか」の全世界のデータベースをもとに発表された論文によると、普段の食事が寿命と大きく影響していることがわかりました。

実際、普段の食事を「最適化された食事」に変更すると

  • 現時点で30歳の方:平均余命が11.7年のびる(9年~13.5年)
  • 現時点で40歳の方:平均余命が11.3年のびる(8年~13.1年)
  • 現時点で50歳の方:平均余命が10.5年のびる(8.3年~12.1年)
  • 現時点で65歳の方:平均余命が7.9年のびる(6.2年~9.2年)
  • 現時点で75歳の方:平均余命が4.9年のびる(3.9年~5.6年)

といわれているのです!これは非常に驚異的な数字ですよね。(論文の信頼性を数値化しているインパクトファクターは「11」と比較的信頼性の高い雑誌の論文です)

では、どんな食べ物がよいのでしょうか?早速、順番に見ていきましょう。

① 全粒粉

全粒粉は小麦粉の1種で、小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にした小麦粉のこと。日常的に精製された小麦でなく「全粒粉」を主体にすると、心血管疾患、がん、2型糖尿病のリスクも低下することがわかっています。さらに、呼吸器疾患や感染症による死亡リスクが低かったことから体の抵抗力の向上も期待できるでしょう。

実際、アジア圏では1日平均50g程度しか摂取されていないとしていますが、論文では137~225g程度の摂取がすすめられています。

② 魚

魚は貴重なたんぱく質源でありながら、不飽和脂肪酸というコレステロールにとってもよい油が中心であり、健康食には欠かせない食べ物。実際、日本動脈硬化学会でのガイドラインでも、動脈硬化を予防するために魚を中心とした「和食」がすすめられています。

論文でも現時点で1日平均50g程度のところを,1日125g~200g摂取するようにすすめられています。

③ ナッツ

ナッツや木の実には、アーモンドによるビタミンEやくるみに含まれる不飽和脂肪酸をはじめとした栄養素が凝縮されています。普段ナッツをとるという習慣がない方も多いのではないでしょうか。

さらにナッツは普段の食事に手軽に取り入れやすいのも嬉しいところ。論文では、1日平均0g(ほとんどとられていない)としていますが、1日に12.5g~25gはナッツを食べたほうがよいとしています。

ただし、ナッツアレルギーの方はもちろんお控えくださいね。

④ 豆類

大豆やインゲンマメ、ひよこ豆、落花生など数多くの種類がありますが、豆類も植物性たんぱく質の貴重な宝庫です。さらにビタミンB1をはじめとするビタミンB群、カルシウムや鉄・亜鉛なども豊富に含まれたバランスの取れた食材になっています。

豆類を食事に取り入れると、炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスであえる「PFC比率」を整えやすくなりますね。

論文では1日に100g~200gとった方がよいとしています。

⑤ 野菜

いわずと知れた野菜は、もちろん健康にとって欠かせない食材。野菜と健康の関係性については、非常によく言われているところでしょう。野菜の種類にもよりますが、ビタミンCを中心とした水溶性ビタミンの補給源であることはもちろん、食物繊維やミネラルの補給源としても非常に有用です。

論文では325g~400gの摂取がおすすめされており、厚生労働省でも350gの野菜を摂取するよう推奨しています。

⑥ 果物

果物もついつい甘いから食べてはいけないと考えがちですが、むしろ健康のために「増やした方がよい」食材の1つ。果物も野菜と同様に、ビタミンA、ビタミンC、カリウム、食物繊維を 多く含み、効率良く必要な栄養素が取れる食材になります。

厚生労働省では1日200g以上の果物を摂取をするように推奨されていますが、世界基準の論文では300g~400gの果物をとるようにオススメされています。

寿命を延ばすのに「とらない方がいい」食べ物は?

では、逆に寿命を延ばすのにとってはいけない食べ物はあるのでしょうか?例えば、前述の論文によると、次のような食べ物は「逆にとりすぎない方がよい」食べ物として紹介されています。

① 赤身肉や加工肉

赤身肉や加工肉は、腸内環境を乱し、動脈硬化を促す食べ物として非常によく言われています。特に加工肉は赤身肉よりも過剰リスクが非常に大きく、特に大腸がんになるリスクは赤身肉よりも加工肉の方が2倍~11倍に促進されやすいとされています。

論文でも、加工肉は0g~25g、赤身肉は0g~50gに減らした方がよいとされていますので、普段の生活の中でもなるべく摂取しないようにしましょう。

② 砂糖入り飲料

砂糖入り飲料や、精製された砂糖は動脈硬化をうながすほか、血糖の乱高下による糖尿病の悪化なども言われており、健康にとってよいものではありません。もし砂糖を使う際にも、血糖値の変動がゆるやかになるような精製されていない砂糖を使う方がよいですね。

論文では「0g」が推奨されていますが、実行可能なレベルだと250gまでは許容されています。ただし、普段の飲み物は変えやすい食習慣になるので、なるべく控えるようにした方がよいですね。

③ 精製された穀類

精製されていない小麦やパン、麺、米などの精製された穀物を大量に摂取すると、主要な心臓や血管のリスクが大幅に上昇することが分かっています。

前述のように、全粒粉のものや精製されていない穀類の方が、食物繊維も豊富で健康によい可能性が高くなります。お米も玄米がオススメです。玄米の場合は、胃腸に負担がかからないように十分に水を浸透させてから食べるようにしていただくといいですね。

論文では「0g」が推奨されていますが、「白米が食べたい!」という方もいるでしょう。上手く組み合わせるようにして、バランスよく食べるとよいですね。

(参照:Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study
(参照:「日本人の食事摂取基準」(2020年版) 高齢者

まとめ ~個々にあった食事を~

いかがでしたか?今回は、長寿にまつわる食事メニューについて世界から発信されているデータベースをもとに解説していきました。まとめると

【医学的に「寿命を延ばす」食べ物】

  • 全粉粒(50➡225g)
  • 魚(50➡200g)
  • ナッツ(0➡25g)
  • 豆類(0g➡100g~200g)
  • 野菜(250g➡400g)
  • 果物(200g➡300g~400g)

【医学的に「長寿によくない」食べ物】

  • 加工肉(50➡0g)
  • 赤身肉(100g➡0g)
  • 加糖飲料(500g➡0g)
  • 精製された穀類(150g➡0g)

といえます。あとは、注意リストとしては乳製品や卵も含まれていましたが、これらの食品は適度にとることで健康効果が高まる論文も多数報告されていますので除外いたしました。

本当は、もともと持っている基礎疾患や個人の体質によって大きく異なります。私も診療中よく「○○を食べてみるといいよ」とアドバイスをしていますが、同じものを別の方には「今はよくないもの」として紹介したりします。

自分にとってどの食べ物がよいか、個人個人に合わせて一緒に考えるようにしています。個別相談にも乗っていますので、みなさんの「食」に関するお悩みも教えて下さいね!

【この記事を書いた人】
この記事は、当院院長の伊藤大介と土浦協同病院消化器内科の渡辺研太朗先生と共同で作成しました。当院院長のプロフィールはこちらを参照してください。

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