こんにちは、一之江駅前ひまわり医院のひまわり医院です。現在BA.5株を中心に新型コロナが流行していますね。そんな中、急なだるさや長引くだるさが出てくると
- 「コロナに感染したのではないか」
- 「コロナやワクチンの後遺症ではないか」
- 「コロナ以外も重大な病気にかかったのではないか」
と感じてしまう方も多くいます。中には「だるすぎて眠くなってしまう」と感じてしまう方も。実際、だるさに対してどのように対処すればよいのでしょうか。今回は、コロナによる「だるさ」の可能性やコロナ以外の「だるさ」の原因についても解説していきます。
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体の「だるさ」「倦怠感」とは?
だるさ・倦怠感とは、いつもの生活が送りづらいと感じるといった疲れた感覚のことです。あまりにだるいと眠気につながることもあります。ですので、非常に主観的な症状ですよね。
医療機関でも「だるさがある」という
人間体調の悪いときもありますから、2~3日の休養でよくなるようなら、ほどんどのケースで不安に思うことはありません。しかし、
- いくら休養しても「だるさ」がとれない
- だるさだけでなく、発熱・ふらつきなどの症状が出てきた
- 激しい運動もしていないのに、急に激しいだるさで動けない
などの場合には、積極的に医療機関に受診した方がよい「だるさ」になります。
だるさや倦怠感は新型コロナウイルス感染症?
「体がだるい」という症状では、新型コロナではよくある症状です。
新型コロナも「感染症」ですから、ウイルスに体が反応して異常なだるさを伴います。フランスでの調査によるとBA.5株では「だるさ」や「倦怠感」が76%と非常に高い確率であり、平均7日くらい続くとされていますね。
ノルウェーの研究結果では倦怠感は74%の方が発症され、中央値で4日くらい(2日~5日)続くとされています。
2023年9月、XBB系統やEG.5系統を中心に診ていると思われますが、「体のだるさ」はよくある症状です。しかし、通常はだるさに伴って以下のような症状のいずれかを伴うことがほとんどです。
- 発熱
- 頭痛
- 関節痛・筋肉痛
- のどの痛み
- 咳や息切れ
- 鼻水や鼻の奥の違和感
- 下痢や吐き気・食欲低下(消化器症状だけということも滅多にありません)
したがって、「だるいだけでコロナ」ということはほとんどありません。
もちろん「急にだるくなった」場合は新型コロナの可能性は否定できないものの、だるさ以外の症状や感染状況・臨床経過などを総合的にみて判断するようにしています。
(参照:SantéPubliqueFrance「Coronavirus : circulation des variants du SARS-CoV-2」)
だるさ・倦怠感が続く場合は新型コロナ後遺症の可能性も
ただし、コロナにかかってから「異常にだるいのが長引いている」というのは非常によくある症状であり、新型コロナ罹患後症状・新型コロナ後遺症として治療することはよくあります。
東京都でのオミクロン株流行期にとられた調査によると、新型コロナ罹患後に倦怠感・だるさが続いている方は51.6%にも及びます。しかも後遺症を疑う症状があった方のうち8.3%は日常生活もままならず1か月以上休んでいるとされていますね。
当院でもコロナ後遺症の倦怠感が辛いということで受診されるケースがよくあります。
- 自宅待機終了後にがんばって仕事に行ったが、どうしても働けなかった
- コロナ罹患後にモニターを見るだけでもしんどくなり、見続けられない
- コロナにかかってから生活リズムがなぜかバラバラになってしまった
- コロナ罹患後に立ちくらみやめまいが強くなり、すぐ横になってしまう
など、症状が極めて多彩ですね。治り方も個人差が多く、治療後最初の数週間で治る場合もあれば、半年~1年かかってやっと治った場合もあります。
いずれにせよ「コロナ後に『だるさが長引いている場合』」には放置していてもよくならないことが多いので、後遺症外来をしている医療機関に受診するとよいですね。詳しくは
もご参照ください。
だるさや倦怠感のコロナ以外の原因は?
当然ですが、「だるさ=コロナ」ではありません。
実際「だるさ」と一言でいっても非常に多岐にわたるため難渋することが多い症状の1つ。大きくわけると「外部要因に伴う反応」「体の内側からくる反応」「心理的・環境的要因からくる反応」の3つにわかれます。
① 外部要因に対する反応
難しい言葉で書いてしまいましたが、簡単にいうと「外部の影響に対処するためにエネルギーを使ってしまって『だるさ』となって出ているケース」ですよね。例えば
- ウイルスに体が対処しているため「疲れている」
- がんや薬物に対して常に反応して「疲労感を覚える」
- 花粉症やじんましんなどのアレルギーに対処して「だるい」
などの場合があげられます。このような場合、いかに外部の影響をなくすことができるかが治療の主目的になります。感染症の場合は抗生剤や抗ウイルス剤など、アレルギーなら抗アレルギー薬などになりますね。
② 体の内側からくる反応
体の外部が原因で疲れる可能性がある一方で、体の内側からくる反応として「だるさ」が出てくる場合があります。例えば次のようなケースです。
- 妊娠によるホルモンバランスの変化で「疲れる」
- 貧血により体が必要とする酸素が活動レベルにあっておらず「だるい」
- 甲状腺機能低下症による甲状腺ホルモンが体に変化に追いつかず「疲れる」
- 肥満や低体重などで日常生活での活動レベルに体型があっておらず「疲れる」
などです。肝臓が悪くなっても「だるさ」として訴えますし、糖尿病や肺や心臓・腎臓がわるくても倦怠感は覚えます。リウマチや膠原病でも日常生活が送れず、だるさとして訴えますし、薬の副作用でだるくなるものがありますね。
このように体の内側の悲鳴として「だるさ」として出てくる場合は非常に多岐にわたるので、しばしば診断に難渋します。考えられる疾患を粒さに洗い出しながら、問診と検査を丁寧に行い、原因を探っていくようにしています。
③ 心理的・環境的要因からくる反応
心理的要因や外部の要因により「だるさ」として出てくるケースです。例えば
- 会社の上司や仕事場になじめず、仕事日はいつも「だるく」なる
- 急激な環境の変化があって、心が変化に対応できずに「疲れている」
- 季節の変わり目になり、雨になると漠然と不安になり「だるくなる」
こうしたケースの場合は、体は疲れていないのですが、いわゆる「脳がつかれている」状態になります。当院でもある程度治療させていただきますが、カウンセリングが必要なケースに関しては、メンタルクリニックなどと連携させていただきます。
だるさや倦怠感がある時の治し方は?
では「だるさ」がつらいときのケアとしてどのようなことが考えられるでしょうか。例えば以下のようなことを試してみましょう。
① 医療機関を受診する
いつもとは違う「だるさ」の場合、原因があるはずです。あまりにだるさが強い場合などは、原因を検索する上でも医療機関に受診するようにしましょう。
前述の通り、「だるさ」と一言で言っても非常に多岐にわたります。特に身体的理由や外部要因による反応で「だるさ」を覚えている場合、原因がわかり治療することで改善するほか、思わぬ病気が見つかることも。
それで仮に心理的な要因や環境要因が原因だったとしても、メンタルケアや治療を介入することによって、よくなるケースがあります。
「だるいくらいで病院いかなくても大丈夫」とためらいがちですが、異常なだるさの場合には医療機関に相談してもよいと思います。もちろん、当院でも丁寧にカウンセリングさせていただきます。
② 「だるさ」につながる生活習慣を見直す
だるさにつながるような生活習慣はしていませんか?例えば次のようなことを試してみると日常的なだるさはとれるかもしれません。
- アルコールの飲みすぎに気を付ける:アルコールの飲みすぎは睡眠の質が低下します。「日本酒1合」「チューハイ(7%)350缶1本」以下を1日の目安にしましょう。少なくともアルコール摂取は睡眠3時間前までとしましょう。
- 規則正しい生活をする:夜勤を中心とした生活の場合、だるさにつながります。せめて睡眠時間がバラバラな不規則な生活をなるべくしないように心がけましょう
- 食べ過ぎに気を付ける:体が必要とする以上のエネルギーをとると、消化のために体に余計に負担をかけます。血糖の変動が激しいため「だるくなる」場合は分食もオススメです。
- カフェインは摂りすぎない:お茶やコーヒー・コーラ・エナジードリンクに含まれるカフェインは、一時的に疲れは摂れるものの、時間の経過とともにだるさを覚えることも。適度な量が大切ですね。
- 適度な運動も大切:特にリズム運動は「幸福ホルモン」とよばれるセロトニンの分泌を促すことがいわれています。やりすぎるともちろん疲れますが、適度な運動はかえってだるさの解消につながります。
他にもいろいろありますが、個人の状態にあわせてアドバイスさせていただきます。だるさや眠気は睡眠とも非常に密接に関わりますので、あわせて不眠症・睡眠障害について解説【治し方・改善方法】も参考にしてみてください。
③ 職場の環境調節も大切
心理面や環境要因でだるさにつながっている方の場合は、仕事の環境と密接に関係しているケースをよく見かけます。まずは厚生労働省が発行している「働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)」をしてみてください。
もし「仕事による負担度が高い」場合には、仕事での環境を変えることで改善する場合が高くなります。その場合、会社の産業医の方と相談してみてください。一度休養をとるのも選択肢の1つになるでしょう。
ご自身の大切な体です。どうか「大丈夫だろう」と放置されないよう、お願いいたします。
(参照:イギリスNational Health Service HP)
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【この記事を書いた人】
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。
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