アレルギー検査「View39・RAST」とアトピー検査「TRAC」について

こんにちは、一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介です。突然ですが、

  • 特定の季節になると目のかゆみや鼻水が出る
  • 気温が寒くなると、息が苦しくなる気がする
  • 時々、急に皮膚が赤みがでてかゆくなる時がある

という方はいませんか?該当される方は花粉症やじんましん・喘息といったアレルギー症状の可能性があります。

原因を知って、日常生活で気を付けなければいけない点を知りたいという方のために、一之江駅前ひまわり医院では採血によるアレルギー検査を行っております。

「アレルギー検査」とは

アレルギーとは「本来攻撃しなくてもよいものに対して過敏に反応して、外へ追い出そうとする反応のことです。

そのためアレルギー症状では、吸入されたものを外へ追い出そうとして「鼻水やのどのイガイガ・咳」になって現れます。皮膚なら「じんましん」となって外へ盛り上がったりかゆくなったりするのです。

外に追い出す反応であるアレルギーにもいろいろな経路があります。その中で最も代表的な経路が「IgE」という抗体を介した「即時型アレルギー」です。

血液によるアレルギー検査では、原因物質(アレルゲン)に対してだけ反応するIgEの量(特異的IgE)を調べることで、原因物質に対応した「アレルギー体質」かどうかがわかります。この検査を「RAST」(特異的IgE抗体検査)と呼びます。

またアレルギー検査では全てのアレルゲンに対応する非特異的IgEの量も調べますので、自分がどの物質に対しても反応する「アレルギー体質」かどうかもわかります。

「アレルギー検査」の信頼性は?

アレルギー検査の実際の表

では、アレルギー検査の信頼性はどれくらいあるのでしょうか。実は、すべてのアレルギー検査の約50%~60%は「偽陽性(間違って陽性と判定されること)」の可能性があります。そのため、臨床症状ときちんとあっているかどうかを考える必要があります。

ただし、アレルギー検査の中でも吸入アレルゲンといって、皮ふやのど・鼻・気管支を介して吸収されるアレルゲンの特異的IgE検査は、比較的臨床症状と合致しやすい検査です。ダニ・ハウスダスト・花粉・カビ・イヌやネコ皮屑などがあげられます。

またダニやスギ花粉症でのアレルギー症状の場合は、舌下免疫療法を行うことで根治する可能性があります。(舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)について【効果・費用・種類・デメリット】も参照にしてください)

一方、食物アレルギーに対してはあくまで「補助的診断」です。そのため「血液検査の数値が高い=厳格な食事制限」ではありません。確定診断するためには、食物誘発試験などさらに踏み込んだ試験を行う必要がありますので注意が必要です。

(参考:食物アレルギー研究会による学校における対応)(参考:厚生労働省補助事業 アレルギー疾患の手引き

ちなみに、よく似た検査に血中食物抗原特異的IgG検査があります。自費で219項目で調べているクリニックもありますね。遅延型アレルギーと呼ばれるタイプのアレルギー検査です。

こちらは、米国や欧州のアレルギー学会、日本小児アレルギー学会が診断的有用性を公式に否定している通り、食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しておりません。ご注意ください。(詳細はこちら)

「アレルギー検査」の項目と費用は?

アレルギー検査は保険適応なので、医師が必要と判断した場合中学3年生までは無料です。また、保険負担額が3割の場合は4000円程度ですが、保険負担額が1割の場合はその1/3の負担になります。

① RAST (特異的IgE抗体検査)の費用と保険適応

好きな項目が測れる検査です。健康保険上、1度の検査で13項目まで測ることができます。

保険適応(3割負担)10項目で4000円程度
  • 中学3年生までは無料です。

② View 39

VIEW39の実際の項目吸入アレルゲンおよび食物アレルゲンが含まれる。ハウスダスト・ダニ・ガ・ゴキブリ・杉・ヒノキ・ハンノキ・シラカンバ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ・アルテルナリア・アスペスギルス・カンジダ・マサセチア・ラテックス・卵白・オポムコイド・みるく・小麦・ピーナッツ・大豆・そば・ゴマ・エビ・カニ・キウイ・リンゴ・マグロ・酒・鯖・牛肉・豚肉・バナナ・オオアワガエリが含まれる。

View39とは、同時に39項目の代表的なアレルギー物質に対する反応を調べることのできる血液検査です。吸入系のアレルゲン(アレルギーの原因物質)19種類に加えて、食物系のアレルギー20種類を一度に調べることができます。

1回の検査で多くの項目(RASTの3倍の39項目)を検査できるので、スクリーニング検査として適しています。費用面でも同じ数の項目をRASTで行うと、3割負担で12000円くらいかかりますが、View39では5000円程度で済むので、「思い当たるきっかけが思いつかない」場合はView39を選ぶとよいでしょう。

ただし、検査項目を変更することができないのがデメリットになります。

(1)View39の検査項目

大きく分けると、「吸入系アレルゲン」と「食物系アレルゲン」に分かれます。まず吸入系アレルゲンは以下の通りです。

吸入アレルゲンだけを抽出した表。樹木や草・動物・昆虫・カビに分けて紹介

吸入系アレルゲンは「吸入することで様々なアレルギー症状がでるタイプ」のこと。アレルギー性鼻炎のほか、気管支喘息・アトピー性咳嗽(がいそう)の原因になりやすいアレルゲンです。

花粉症・気管支喘息の症状の出方については

を参照してください。一方、食物系アレルゲンは以下の通りです。

食物アレルゲンだけを抽出した表。卵、牛乳・小麦・豆・穀類・甲殻類・果物・魚・肉にわけて紹介

食物系アレルゲンとは、「食べることでアレルギー症状が出やすいタイプ」のこと。アナフィラキシーや蕁麻疹(じんましん)の原因にもなりやすいアレルゲンです。ただしくり返しますが、食物系アレルゲンの検査はあくまで補助診断です。陽性であったとしても「食事制限しなければならない」というわけではありませんので、ご注意ください。

アナフィラキシーについてはアナフィラキシーについて解説【食べ物・原因・治療・薬剤】を参照していただくとよいでしょう。

(2)View39の費用と保険適応

View39の費用は以下の通りです。症状がある場合は、保険適応となります。(まったく無症状の場合は保険適応にならず、15000円となりますのでご注意ください)

保険適応(3割負担) 5000円程度
  • 中学3年生までは無料です。

アレルギー検査は何科で受けることができる?

アレルギー疾患を扱っている「内科」「皮膚科」「耳鼻科」「小児科」などで受けることができます。「アレルギー科」を標ぼうしている医院もありますね。ただし、取り扱っているアレルギー検査が異なっていることもあり、「特にこの項目が知りたい」などという場合には事前に問い合わせたほうがよいでしょう。

RASTでは200項目以上取り扱いがありますが、ご要望に応えられない項目もあります。(例えばキノコ類などはありません)その場合でも、似たアレルゲンの検査をすすめながら、わかる範囲でアドバイスさせていただきます。また、他院で行ったアレルギー検査の結果を元にアドバイスすることもできますので、どうぞ気軽にご相談ください。

アトピー性皮膚炎の重症度検査「TARC」試験とは?

アレルギー検査の類似試験として、アトピー性皮膚炎の重症度評価として「TARC試験」(タルク試験・ターク試験)があります。

TARC(Thymus and activation-regulated chemokine)とは、Th2というリンパ球を引き寄せる血液中のたんぱく質で、アトピー性皮膚炎の勢いを数値化できる試験のこと。

例えば、アトピー性皮膚炎がよくなっているか、悪化しているかを血液中の数値で判断できるので、アトピー性皮膚炎の重症度の評価としては、前述のIgE検査よりも有用な検査です。(参照:アトピー性皮膚炎ガイドライン)例えば、以下のようなことを確認するには有用でしょう。

  • アトピー性皮膚炎を目標を持って治療したい
  • アトピー性皮膚炎が順調に治療できているか確認したい
  • 見た目がよくなっていても、炎症が残っているか確認したい

ただし、アトピー性皮膚炎の原因を知る検査ではありませんのでご注意を。もちろん当院でも検査できますので、知りたい方はご相談ください。(

アレルギー検査についてのQ&A

Q: アレルギー検査はいつできますか?

A: 当日にすることができますので、お気軽にご相談ください。

Q: どれくらいで結果がわかりますか?

A: 約1週間で分かります。結果がわかっているか確実に知りたい方は事前にお電話いただけますと幸いです。

Q: オススメの検査方法は?

A: 「スクリーニングでまとめて検査したい」という方は「View 39」が、「特にこの項目を知りたい」という方は「RAST」がオススメです。

Q: 血液検査では、抗ヒスタミン薬や吸入ステロイド薬などを中止する必要はありますか?

A: 抗ヒスタミン薬や吸入ステロイド薬もどちらも中止する必要はありません。

(参考:厚生労働省補助事業 アレルギー疾患の手引き

Q: 血液検査の結果で、アレルギー症状をなくすことはできるのですか?

A: アレルギーを抑える抗ヒスタミン薬の内服の他に、アレルゲンの種類によっては「減感作療法」といって、アレルゲンを摂取することでアレルギー反応を抑える治療があります。当院では船堀の「さくら医院」と連携して、スギやダニ・ハウスダストの減感作療法もできますので、遠慮なくご相談ください。(現時点では初回のみ「さくら医院」で行い、継続治療は当院で行います。舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)について【効果・費用・種類・デメリット】も参照にしてください)

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【この記事を書いた人】
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

更新履歴

  • 2022年4月20日:アトピー性皮膚炎の重症度評価試験「TRAC試験」について追記。他、表現など含め大幅改訂

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