「スクワットは体にいい」「とりあえずスクワットをやっておけば間違いない」とよく言われますが、具体的にどんな効果があるのか、ご存じでしょうか。例えば、運動に関していうと、以下のことをよく質問を受けますね。
- ダイエットや下半身痩せ、ヒップアップに効くって本当?
- お腹まわりの脂肪もスクワットで落とせるの?
- 血糖値や血圧など、健康診断の数字にも効くの?
- 1日に何回、毎日やってもいい? いつから効果が出るの?
- 女性と男性で効果は違う? 50代からでも遅くない?
スクワットは、道具がなくても自宅でできる身近な運動ですが、近年は血糖値・血圧・筋肉量・骨・こころの健康への働きが、人を対象にしたきちんとした臨床研究でも数多く調べられています。一方で、「スクワットだけでお腹の脂肪がピンポイントに落ちる」といった誤解も広まっています。
今回は、運動の王様とも言われる「スクワット」の医学的に証明された効果を様々な角度で解説します。
※なおスクワットはあくまで「運動」であり、お薬の代わりになる治療ではありません。その前提でお読みください。
スクワットとは?
スクワットは、しゃがんで立ち上がる動きをくり返す運動です。「筋トレの王様(キング・オブ・エクササイズ)」と呼ばれることもありますが、それには理由があります。
太もも(大腿四頭筋・ハムストリングス)やおしり(大殿筋)は、体の中でもとくに大きな筋肉です。スクワットは、これらの大きな筋肉をまとめて動かせるため、少ない種目で効率よく全身の代謝(エネルギーを使うはたらき)を高められるのです。
スクワットは、フォーム(姿勢)をまちがえると、ひざや腰を痛める原因になります。効果を得るためにも、けがを防ぐためにも、正しいやり方を身につけましょう。
基本のスクワット(自重)の手順
- 足を肩幅くらいに開き、つま先はやや外向きにします。
- 背すじを伸ばし、胸を張ります。両手は前に伸ばすか、頭の後ろに軽く添えます。
- おしりを後ろに引きながら、いすに腰かけるようにゆっくりしゃがみます。
- ひざがつま先より大きく前に出ないよう意識し、太ももが床と平行に近くなるまで下ろします(つらい場合は浅めでOK)。
- かかとで床を押すようにして、ゆっくり立ち上がります。
やってはいけない・注意したいこと
- ひざを内側に入れない:ひざが内向きに「くの字」になると、ひざを痛めやすくなります。ひざとつま先は同じ方向を向けます。なお、足幅を広くとるワイドスクワットでは、ひざを内側に倒そうとする力(膝外反モーメント)が23%、股関節を外にひねる力が19〜37%増えると報告されているため、広い足幅ほど「ひざとつま先の向きをそろえる」意識が重要です。
- 深さは体調に合わせる:しゃがむ深さが増すほど、ひざへの圧迫力は増していきます。ひざのお皿まわりに痛みがある方は浅め〜中程度の深さが、変形性膝関節症のある方は深いスクワットを避けることがすすめられています。腰痛のある方も、背中が丸まらない範囲にとどめます。
- 背中を丸めない:腰を痛める原因になります。目線はやや前、背すじはまっすぐを意識します。
- 息を止めない:しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐きます。息を止めて強くいきむと血圧が急上昇します。息を止めずに回数を抑えた条件でも運動中の最高血圧は191〜212mmHgに達したという報告があり、いきめばさらに上がります。
- 反動を使わず、ゆっくり行う:勢いで行うより、ゆっくり動くほうが筋肉に効き、関節への負担も減ります。
- 痛みがあるときは中止する:ひざや腰に痛みが出たら、無理をせず中止し、続くようなら受診してください。
不安な方は、いすの前に立ち、いすに軽く座って立つ動作をくり返す「いすスクワット」から始めると、安全に正しい動きを覚えられます。いすを使った運動でも、30秒間に立ち座りできる回数が平均2.25回増えたという報告があり、十分に意味のある運動です。
では、正しいスクワットを行うとどんな効果が出てくるのでしょうか?一緒にみていきましょう。
(参照:A Biomechanical Review of the Squat Exercise: Implications for Clinical Practice, International Journal of Sports Physical Therapy, 2024 / Intra-arterial blood pressure traits during and after heavy resistance exercise in healthy males, Translational Sports Medicine, 2019 / The Effect of Chair-Based Exercise on Physical Function in Older Adults, 2021)
スクワットの効果①:下半身の大きな筋肉を効率よく鍛えられる(おしり・太もも)

スクワットのもっとも基本的な効果は、下半身の筋力と筋肉量が増えることですね。
太もも前面の大腿四頭筋(だいたいしついきん)、太もも裏のハムストリングス、おしりの大殿筋(だいでんきん)は、体の中でも大きな筋肉です。スクワットはこれらを一度に使うため、下半身全体を効率よく鍛えられます。「ヒップアップしたい」「太ももを引き締めたい」という方がよくスクワットするのはこのためです。
嬉しいことに、下半身は「鍛えた成果が出やすい部位」です。
筋トレ経験のある女性を対象にした31件の研究・621名をまとめた解析では、筋力の伸びは1週間あたり下半身が7.2%、上半身が5.2%で、下半身のほうが伸びやすいと報告されています。この解析では、下半身は1セットあたり1〜6回の重めの設定で最大挙上重量が17.4%増加し、週2回行った場合に8.5%増加と、もっとも効率がよかったとされています。
筋肉そのものの大きさも変わります。
座りがちだった男性25名が高強度の筋トレを8週間行った研究では、太ももの筋断面積が13.9平方センチメートル(約9.6%)増加しました。この研究では、はっきりした筋肥大が確認できたのは、開始からおよそ3〜4週目以降でした。なので一度決めたら「続ける」ことが大切なのです。
なお、「おしり(大殿筋)」をとくに意識したい場合は、後述するワイドスクワットやブルガリアンスクワット(片脚ずつ行う種目)が役立ちます。足幅を広くとると、大殿筋の活動が狭いスタンスに比べて13〜61%高まることが、複数の筋電図(筋肉の電気的な活動を測る検査)研究をまとめた報告で示されています。
(参照:Muscle strength gains per week are higher in the lower-body than the upper-body in resistance training experienced healthy young women, Frontiers in Physiology, 2023 / An examination of the time course of training-induced skeletal muscle hypertrophy, European Journal of Applied Physiology, 2011 / A Biomechanical Review of the Squat Exercise: Implications for Clinical Practice, International Journal of Sports Physical Therapy, 2024)
スクワットの効果②:血糖値の改善・糖尿病の予防

スクワットのような筋トレには、見た目だけでなく、血糖値をおだやかに改善する効果があります。これは健康診断で血糖値やHbA1cを指摘された方にとって、うれしいポイントですね。
筋肉は、血液中の糖(ブドウ糖)をたくさん取り込んで使う、体の中で最大の「糖の受け皿」です。スクワットで下半身の大きな筋肉を動かすと、その糖の受け皿が増え、血糖のコントロールがよくなると考えられています。
2型糖尿病の方を対象にした複数の臨床試験をまとめたメタ解析(研究をまとめて分析する方法)では、筋トレを行ったグループは、行わなかったグループに比べて、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー:過去1〜2か月の血糖の平均を表す数値)がおよそ0.39%低下したと報告されています(95%信頼区間 −0.60〜−0.18)。この解析には20件の研究・1172名が含まれ、とくに筋力がよく伸びた人ほど、血糖の改善も大きい傾向がありました。
別のメタ解析では、血糖の改善がもっとも得られやすい条件がいわれていて、以下の通りとなっています。
【血糖値の改善に最適な条件】
- 期間:12〜16週間
- 強度:最大挙上重量の70〜80%
- 頻度は週2〜3回
- 1回あたり3セット、1セット8〜10回
- セット間の休憩:60秒未満
というものです。「毎日ハードにやる」ことよりも、「適度な強さで、週に2〜3回、3か月続ける」ことが大切だとわかりますね。
ただし、効果はおだやかで、これは糖尿病のお薬の代わりになるものではありません。治療中の方は、自己判断でお薬を減らしたりせず、主治医に相談してください。血糖が気になる方は、当院の生活習慣病のコラムもあわせてご覧ください。
(参照:Effect of resistance training on HbA1c in adults with type 2 diabetes mellitus and the moderating effect of changes in muscular strength, BMJ Open Diabetes Research & Care, 2022 / Dose-response relationships of resistance training in Type 2 diabetes mellitus: a meta-analysis of RCTs, 2023)
スクワットの効果③:血圧を下げる働き

スクワットなどの筋トレは、血圧に対してもよい影響が期待できます。
多くの研究をまとめた論文では、動きのある一般的な筋トレ(スクワットなど)を続けることで、安静時の上の血圧(収縮期血圧)が1.8mmHg、下の血圧(拡張期血圧)が3.2mmHg下がったと報告されています。
さらに、有酸素運動(ウォーキングなど)と筋トレを組み合わせた場合には、上の血圧が6.4mmHg、下の血圧が3.7mmHg下がったという解析もありますね。これは、非常に軽い降圧薬を飲むのと同じくらい強い効果です。
ちなみに、本論文では強度が高いほど、またセット数が多いほど、上の血圧の下がり方が大きい傾向が示されていますが無理は禁物です。
「スクワットだけで血圧は万事解決」とは言いませんが、生活習慣の一部として続けることで、高血圧の予防や管理を後押しできるのは確実です。さらにスクワットは、体重・内臓脂肪・中性脂肪といった生活習慣病の指標の改善も期待できるので、ぜひ血圧が高い人は運動習慣をつけるようにしてください。
一方で、注意点もあります。
重いバーベルを使ったり、息を止めて強くいきんだり(バルサルバ)すると、運動中に一時的に血圧が大きく上がります。動脈内に管を入れて直接血圧を測った研究では、息を止めず・回数を抑えて行った条件でも、運動中の最高血圧は191〜212mmHgに達したと報告されており、息を止めていきむと、この上昇はさらに大きくなります。
高血圧のある方や、血圧のお薬を飲んでいる方は、「息を止めない」「軽い強さから始める」ことが大切です。
(参照:Exercise Training for Blood Pressure: A Systematic Review and Meta-analysis, Journal of the American Heart Association, 2013 / Exercise characteristics and blood pressure reduction after combined aerobic and resistance training, 2023 / Intra-arterial blood pressure traits during and after heavy resistance exercise in healthy males, Translational Sports Medicine, 2019)
スクワットの効果④:骨を強くする(骨粗しょう症の予防・とくに50代女性)

スクワットは、筋肉だけでなく骨にもよい刺激を与えます。骨は、負荷(重さ)がかかると、それに応じて強くなろうとする性質があるためです。
とくに女性は、閉経(多くは50歳前後)を境に、女性ホルモンが減って骨密度(骨の中身のつまり具合)が急に低下しやすくなります。そのため、50代からの骨対策はとても重要なんですね。
閉経後の女性を対象にした17件の研究・690名をまとめた論文では、筋トレによって腰の骨(腰椎)の骨密度が有意に改善しました(標準化平均差0.88、95%信頼区間0.21〜1.56)。
運動全般を対象としたより大規模な解析(75件の研究・のべ5300名)でも、腰椎の骨密度が有意に改善しています(標準化平均差0.37、95%信頼区間0.25〜0.50)。
19件の研究・919名を比較した解析では、中くらいの強さの筋トレを週3回行う方法が、腰椎の骨密度を高めるうえでもっとも効果的で、期間は48週(約1年)以内でも十分な効果が得られると報告されています。
もちろん、骨の健康にはカルシウムやビタミンD、たんぱく質といった栄養も欠かせません。スクワットのような「自分の体重を支える運動(荷重運動)」と、バランスのよい食事を組み合わせることが、骨を守る基本です。
ただし、すでに骨粗しょう症と診断されている方や、骨密度がかなり低い方は、急に強い負荷をかけると骨折の心配があります。ぜひ骨粗しょう症が心配な方は、まず骨密度を測ることから始めましょう。
(参照:Optimal resistance training parameters for improving bone mineral density in postmenopausal women, Journal of Orthopaedic Surgery and Research, 2025 / Effect of Exercise Training on Bone Mineral Density in Post-menopausal Women: A Systematic Review and Meta-Analysis, 2020 / Comparative efficacy of different resistance training protocols on bone mineral density in postmenopausal women: a network meta-analysis, 2023)
スクワットの効果⑤:メンタル・気分をととのえる(うつ・不安)

運動が気分によいのは、なんとなく知られていますが、筋トレについてもしっかりした研究があります。
複数の臨床試験をまとめたメタ解析(33件の研究・1877名、筋トレ群947名/対照群930名)では、筋トレを行った人は、行わなかった人に比べて、気分の落ち込み(抑うつ症状)が有意にやわらいだと報告されています(効果量0.66、95%信頼区間0.48〜0.83)。
この論文では、はっきりと実感できる改善を1人に得るために必要な人数(治療必要数)は4人と計算されており、4人がスクワットをはじめとした筋トレに取り組めば1人にはっきりとした改善が期待できる、という規模感です。実は、この数字、抗うつ薬を飲むのと同じくらいスゴイ効果なんですよ。
また、不安(緊張やそわそわした気持ち)についても、16の論文・922名(筋トレ群486名/対照群436名)をまとめた解析で、筋トレによって不安が有意に軽減したと報告されています(効果量0.31)。とくに健康な成人では効果量0.50と大きく、体や心の病気を持つ方では0.19でした。
なので、「まだ薬を飲む必要はないけど、不安を抱えやすい」という方はぜひスクワットをはじめとした運動習慣をおすすめします。
ではなぜスクワットがメンタルに効果を発揮するのか。
はっきりとしたしくみはまだ研究途上ですが、運動による脳内物質の変化や、「今日は運動できた」という達成感・自己効力感(自分にもできるという感覚)が関係していると考えられています。気分が沈みがちなとき、いきなり長い運動は難しくても、スクワットを数回から始めてみるのは、こころの面でも意味のある一歩です。ただし、気分の落ち込みが強く長く続く場合は、運動だけで抱え込まず、医療機関にご相談ください。当院では心の不調の相談にも対応しています。
(参照:Association of Efficacy of Resistance Exercise Training With Depressive Symptoms: Meta-analysis and Meta-regression Analysis of RCTs, JAMA Psychiatry, 2018 / The Effects of Resistance Exercise Training on Anxiety: A Meta-analysis and Meta-regression Analysis of RCTs, Sports Medicine, 2017)
スクワットで「お腹」はへこむ?

「スクワットでお腹の脂肪を落としたい」という方は多いのですが、ここは正しく知っておいていただきたい大切なポイントです。
結論から言うと、「特定の部位を狙って、その場所の脂肪だけを落とす(部分痩せ/スポットリダクション)」ことは、残念ながらできません。
14〜71歳を対象とした13件の研究・1158名をまとめた論文では、鍛えた部位の脂肪だけが減るという効果は認められませんでした。この解析は研究間のばらつきも小さく、対象者や運動プログラムの内容にかかわらず、部分痩せは起こらないと結論づけられています。
脂肪は特定の運動をした場所からではなく、全身から少しずつ使われていくためで、スクワットだけではなくどんな運動でも「部分痩せ」はありえないんですね。
では、スクワットはお腹に無意味かというと、そうではありません。
スクワットは下半身の大きな筋肉を使うため、消費エネルギーが大きく、体脂肪全体を減らす助けになります。体全体の脂肪が減っていけば、その一部としてお腹の脂肪も減っていきます。実際、有酸素運動と筋トレを組み合わせると、内臓脂肪や腹囲を含む生活習慣病の指標が改善することが報告されています。また、筋肉量が増えると姿勢が安定し、見た目が引き締まって見える効果もあるでしょう。
つまり、「スクワットでお腹だけをへこませる」のではなく、「スクワットで代謝を上げつつ、食事の見直しで全体の脂肪を減らす」のが正しい考え方です。お腹まわり・内臓脂肪が気になる方は、運動に加えて食事のバランスを整えることからはじめましょう。
(参照:A proposed model to test the hypothesis of exercise-induced localized fat reduction (spot reduction), including a systematic review with meta-analysis, Human Movement, 2021 / Exercise characteristics and blood pressure reduction after combined aerobic and resistance training, 2023)
女性と男性のスクワット効果の違い

スクワットの基本的な効果(下半身の筋力アップ、血糖・血圧の改善、筋肉量の維持など)は、女性でも男性でも共通です。そのうえで、スクワットで得られる効果違いを整理します。
まず知っておいていただきたいのは、「筋肉のつきやすさ」に男女で大きな差はない、ということです。
同じトレーニングを行った男女を比べた約30件の研究をまとめた解析では、筋肉量の増加を「もとの状態からの伸び率」で比べると、男女差はわずか0.69%で、ほぼ同等でした。
体格の分だけ絶対量では男性が上回りますが、それは主に上半身での違いで、下半身では差がほとんどありませんでした。筋力についても、女性は上半身の伸び率が男性より大きく、下半身は同等と報告されています。高齢者を対象にした解析でも、絶対的な増加は男性が、伸び率では女性が上回る傾向が示されています。
その上で、スクワットの男女でみた効果の違いは次の通りです。
【女性のスクワット効果】
- ヒップアップ・下半身の引き締め:足幅を広くとるワイドスクワットでは、大殿筋の活動が13〜61%高まると報告されています。「ムキムキになるのでは」と心配される方もいますが、下半身の筋肉量の伸び率は男女で同等でも、女性は筋肉を大きくするホルモン(テストステロン)が少ないため絶対的な太さの変化は小さく、引き締まって見えることが多いです。
- 骨の健康:閉経後の女性では、筋トレで腰椎の骨密度が有意に改善します(標準化平均差0.88)。50代以降の女性にとって骨を守る運動としての価値が大きいといえます。
- 冷え・むくみ対策:下半身の筋肉は血液を心臓に戻すポンプの役割があり、鍛えることで血のめぐりを助けることが期待できます。
【男性のスクワット効果】
- 筋肉量・基礎代謝の維持:8週間の高強度トレーニングで太ももの筋断面積が約9.6%増えたという報告があるように、下半身を鍛えると全身の代謝が保たれ、いわゆる中年太りの対策になります。
- 生活習慣病の予防:血糖(HbA1cが平均0.39%低下)、血圧(上の血圧が1.8mmHg低下)など、働き盛りに増える生活習慣病のリスクへの対策として役立ちます。
なお、「スクワットで男性ホルモン(テストステロン)が増える」という話もありますが、運動直後に一時的にホルモンが変動することはあっても、それが筋肉や健康に長期的な大きい効果をもたらすという確かな証拠は限られています。
過度な期待はせず、「下半身を鍛えることで得られる確かな効果」を中心に考えるのがおすすめです。
(参照:Sex differences in absolute and relative changes in muscle size following resistance training in healthy adults: a systematic review with Bayesian meta-analysis, PeerJ, 2025 / Evaluation of sex-based differences in resistance exercise training-induced changes in muscle mass, strength, and physical performance in healthy older adults, Ageing Research Reviews, 2023 / A Biomechanical Review of the Squat Exercise, International Journal of Sports Physical Therapy, 2024)
スクワットはいつから効果が出る?

では、最後にスクワットの効果を「いつから効果が出るか」を中心にまとめます。主要な研究からは次のように言わrています。
- 気分・メンタルへの効果:運動した日から、すっきり感を得られることがあります。研究では8週間前後のプログラムで抑うつ・不安の改善が確認されています。
- 筋力の向上:はじめの1〜2週間は、筋肉が大きくなる前に「神経が慣れる」ことで力が出しやすくなります。筋力は1週間あたり下半身で7.2%のペースで伸びると報告されています。
- 見た目(筋肉の太さ)の変化:座りがちだった男性が高強度の筋トレを行った研究では、はっきりした筋肥大が確認できたのは開始から3〜4週目以降で、8週間で太ももの筋断面積が約9.6%増えました。なお、開始直後(1週目)にも3.46%の増加が見られましたが、これは筋肉のむくみによるもので、本当の筋肥大ではないと考えられています。
- 筋肉量(kg)の増加:サルコペニア(筋力低下)のある高齢の方では、8週間で骨格筋量0.5〜0.8kg、12週間で脚の除脂肪量0.6kgの増加が報告されています。
- 血糖値への効果:HbA1cなどの数値としての改善は、12〜16週間の継続でもっとも得られやすいとされています。
- 骨密度への効果:閉経後の女性では、48週(約1年)以内の期間でも腰椎の骨密度の改善が確認されています。
こうやってみると、「発揮させたい効果」によってかなり大きな差があることがわかりますね。しかし、いずれも3カ月以内には何らかの効果を発揮するという感じです。
大切なのは、「数日で劇的に変わる」ものではないと知っておくことです。逆に言えば、2〜3か月コツコツ続ければ、体は数字の上でも応えてくれます。そして、やめると効果は少しずつ元に戻るため、「一生続けられる無理のない量」で習慣にするようにしましょう。
(参照:An examination of the time course of training-induced skeletal muscle hypertrophy, European Journal of Applied Physiology, 2011 / Muscle strength gains per week are higher in the lower-body than the upper-body, Frontiers in Physiology, 2023 / Dose-response relationships of resistance training in Type 2 diabetes mellitus, 2023 / Influence of Resistance Training Variables to Improve Muscle Mass Outcomes in Sarcopenia, Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle, 2025)
【この記事を書いた人】
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。






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