みなさん、ヨーグルト食べてますか?
発酵食品といえば必ず頭に思い描くのが「ヨーグルト」。実際、ヨーグルトを腸活の一環に取り入れている方も多いのではないでしょうか。
実は、ヨーグルトの効果は便秘解消や腸活に役立つだけではない、様々な健康効果があることが知られています。特に最近では「花粉症に対してヨーグルトが効果的ではないか」「ヨーグルトにはダイエット効果がある」なんていう話も聞きますよね。
しかし、ヨーグルトの効果を最大限にするには、ある「コツ」と「時間帯」が重要なんですよ!
今回は、様々な医学論文に基づいたヨーグルトの健康効果(花粉症・ダイエット・免疫力向上など)と注意点について、一緒にみていきましょう。
ヨーグルトとは?ヨーグルトの種類は?

そもそも、私たちが普段口にしているヨーグルトとは、どのようなプロセスで作られているのでしょうか。
ヨーグルトは、牛乳などの原料乳に乳酸菌または酵母を加え、発酵させて作る発酵食品の一種です。一般的なプレーンヨーグルトの製造工程を専門的な視点から見てみると、非常に緻密な温度管理のもとで作られていることが分かります。
最初に行われるのが加熱殺菌です。牛乳などの原料乳を90度から95度の温度で5分間加熱して殺菌を施し、その後、乳酸菌が最も活発に活動できる至適温度域である40度から45度まで一気に冷却します。
次に、純粋培養された乳酸菌スターター(発酵のきっかけとなる菌)を、原料乳の総量に対して2%から3%の割合で接種します。
そして、充填と発酵のプロセスに移ります。乳酸菌を加えた原料乳を容器に移し、温度を一定に維持した発酵室の中で、40度前後の温度を保ちながら4時間から6時間かけてじっくりと発酵させます。この発酵の過程で、乳酸菌が乳の中に含まれる乳糖を分解し、乳酸を作り出します。
製品の酸度が0.7%から0.8%に達すると、原料乳の中にあるカゼインなどの乳タンパク質が酸によって凝固する「酸凝固」という現象が起き、ヨーグルト特有のあのクリーミーな食感と爽やかな酸味が形成されるのです。
現在、市場には発酵後の加工方法や添加物の有無によって、さまざまな種類のヨーグルトが並んでいますよね。それぞれの特徴を整理してみましょう。
- プレーンヨーグルト: 砂糖や果物などのフレーバーが加えられていない、シンプルなヨーグルトです。素材の風味が生きており、料理やデザートのベースとしても使用されます。
- ハードヨーグルト:ヨーグルトに甘味料や寒天・ゼラチンを加えてプリン上にしたヨーグルト。食べやすく、誤嚥しにくくなります。
- フルーツヨーグルト: ベリーやマンゴーなどのフルーツが加えられた、フレーバー豊かなヨーグルトです。子供から大人まで幅広い世代に人気ですね。
- ギリシャヨーグルト: 水分を除いた濃厚なヨーグルトで、プロテインが豊富であり、ダイエットや筋トレ中の方にも人気があります。
- ドリンクヨーグルト: 飲むタイプのヨーグルトで、手軽に摂取できるため、忙しい方や外出時に便利です。
- プロバイオティクスヨーグルト: プロバイオティクス(善玉菌)を増やす効果がある特定の乳酸菌が含まれており、腸内環境の改善に役立ちます。
このようにヨーグルトといっても様々な種類があるのですね。実際、特定のヨーグルトの健康効果を探索した研究もよく報告されています。
ヨーグルトはダイエットに効果的

最近、ヨーグルトで注目されているのが、ダイエット効果ですね。実は、ヨーグルトは様々な研究でダイエットに効果があることが言われています。
例えば、アメリカのハーバード大学公衆衛生大学院などの研究チームが、12万人の成人を対象に16年間にわたって追跡調査した研究によると、ヨーグルトの摂取量を1日あたり1サービング(約1回分の量)増加させるごとに、4年間における体重増加が平均して約0.37キログラム(0.82ポンド)も抑制されることが示されました。この体重を抑える効果は、ナッツや果物、全粒穀物(精製されていない穀物)などの主要な健康食品と比較しても、最も強い関係(食べるほど体重が増えにくい関係)を示しているといわれています。
さらに別の長期的な追跡調査では、週に3サービング以上のヨーグルトを食べるグループは、週に1サービング未満しか食べないグループと比較して、1年間での体重増加が約55パーセントも抑えられ、腹囲(お腹まわりのサイズ)の増加率が20パーセントも低くなったことが確認されています。お腹まわりがすっきり保てるのは、とても嬉しい効果ですよね。
また、ヨーグルトのダイエット効果を決定づける、非常に興味深い12週間の二重盲検ランダム化比較試験(あります。
本試験では肥満の成人34名を対象に、全員に毎日500キロカロリーの食事制限(カロリーカット)を課した上で、2つのグループに分けました。一方の「ヨーグルトを食べるグループ」には1日3サービングの低脂肪ヨーグルト(カルシウムとして毎日1100ミリグラム)を提供し、もう一方の「ヨーグルトを食べないグループ」には代わりに同じカロリーの別の食事(カルシウムは毎日400から500ミリグラム)を提供しました。
その結果、ヨーグルトを食べたグループは、食べなかったグループと比較して、以下のような驚くべき成果を上げました。
- 体重の減少効率が22パーセント向上(平均で約6.35キログラムの減少)
- 体脂肪全体の減少率が61から66パーセントも促進
- お腹まわり(体幹部)の脂肪減少率にいたっては81パーセントも促進 ・食事制限中に落ちてしまいがちな筋肉(除脂肪組織)の減少を31パーセントも抑制
特にお腹まわりの脂肪が81パーセントも多く減ったというのは、最新の測定器(DXA法という高精度な体組成測定)で実証された確かなデータです。食事制限をすると、どうしても脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまい、その結果として基礎代謝(生きているだけで消費されるエネルギー)が下がってリバウンドしやすくなってしまいますよね。
しかし、ヨーグルトを取り入れることで筋肉がしっかり守られ、基礎代謝を維持したまま、狙ったように脂肪だけを落とすことができると考えられているのです。
このように、ヨーグルトのダイエット効果は様々なところで言われているんですね。
しかし、本試験のように、ヨーグルトでダイエットするとしても全体的なカロリーを下げることが絶対的な鉄則です。そのうえで、ヨーグルトを「上乗せ効果」のように使うとよいでしょう。
(参照:Changes in Diet and Lifestyle and Long-Term Weight Gain in Women and Men)
(参照:Dairy augmentation of total and central fat loss in obese subjects)
ヨーグルトは花粉症に効果的

スギやヒノキをはじめとした花粉症で悩まれている方、多いですよね。意外なことにヨーグルトをはじめとしたプロバイオティクス(善玉菌)の摂取はアレルギー性鼻炎の症状を改善するというデータがあるんです。
2022年に発表された28件の研究をまとめた論文によると、プロバイオティクスを摂取することで
- アレルギー性鼻炎の症状を抑える
- 鼻粘膜の炎症の度合を抑える
- アレルギー症状による生活の質の低下を改善させる
ことが言われています。
実は、腸内細菌叢の異常がアレルギー性疾患の免疫の異常につながっているのではないかと言われており、プロバイオティクスは全身の炎症を抑え、免疫状態を改善することが報告されていました。
もともとアレルギー性鼻炎はI型アレルギーというIgEを介したアレルギー反応が主ですが、本研究ではヨーグルトによりIgE抗体を下げることはありませんでした。
代わりにヨーグルトはヘルパーT細胞という免疫の中枢になる細胞の数を調節していたことから、ヨーグルトは主な花粉症薬の「抗ヒスタミンをブロックする経路」とは少し違う作用機序で働いていると思われます。
プロバイオティクスの種類も、単一のものよりは混合されているものの方がアレルギーに対する効果が高いことも報告されているので、ヨーグルトだけでなく色んな種類の菌を摂取するようにするとよいかもしれませんね。
しかし、別の11,284人ものデータを使った観察研究では「花粉症の人とそうでない人ではヨーグルトの摂取量は変わらなかった」としていますので、「少しヨーグルトで花粉症を緩和できる可能性がある」くらいに考えておくとよいでしょう。
(参照:The Efficacy and Safety of Probiotics for Allergic Rhinitis: A Systematic Review and Meta-Analysis)
(参照:Individual characteristics and associated factors of hay fever: A large-scale mHealth study using AllerSearch)
ヨーグルトの整腸作用(便秘解消・下痢の抑制)

ヨーグルトでもっとも有名な効果はこの「整腸作用」でしょう。実際、ヨーグルトには、以下のメカニズムを通して腸内環境を整える効果があります。
- 善玉菌の増加: ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内で善玉菌として働きます。善玉菌が増えることで、悪玉菌の増殖が抑制され、腸内環境が整います。
- 有害物質の排出: 乳酸菌は、腸内で乳酸を生成します。この乳酸は、悪玉菌の活動を抑え、有害物質の排出を促進します。
- 便通の改善: ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸の蠕動運動を活性化し、便通を改善する効果があります。
これらの効果は実際の医学論文でもいくつか報告例があります。
例えば、日本の明治乳業と昭和女子大学の生命環境科学部が共同で行った研究では、20代の女性を対象にLB81乳酸菌から作られたヨーグルトを食べることで便通頻度や便の量・形状がどう変わるかをみています。その結果以下のことがわかりました。
- 2週間ヨーグルトを毎日100g食べることで、排便回数が週平均3.2±0.8回から4.5±1.3回まで上昇した。(+1.3回上昇)
- 便の形状も2週間毎日100g食べることで、正常な便の割合が摂取中そして摂取後も増加した。
- 毎日250gに量を増やしても便通に対する効果に大きな違いはなかった。
以上から、ヨーグルトの量は1日100gを目安にすることが推奨されています。また、他の複数の論文を検証した研究だと、排便回数が週に0.83回ふえ、腸管の通過時間も平均12.4時間短縮されたと報告しています。
急性胃腸炎に対する下痢症状でもプロバイオティクスヨーグルトが有用であるというデータがあります。
例えば、ヨーグルトを含めたプロバイオティクス(腸内細菌をとること)を検証した63件の論文をまとめた論文では、
- 平均下痢期間の効果をヨーグルトにより24.8時間短縮した(95% 信頼区間 15.9 to 33.6 時間)。
- 下痢持続期間が4日以上続く割合も59%低下した
- 2日目の排便頻度も0.8回/日減少させた。
としています。急性下痢症の時に腸内細菌をとることは有用といえますね。
また、ヨーグルトだけを検証したパキスタンの論文でも「プロバイオティクスヨーグルトをとることで、3日後に下痢になっている確率を48%から8%に減少させた」としています。
ただし、ヨーグルトには乳糖(ラクトース)が多く含まれているため、例えば乳糖不耐症の方は通常のヨーグルトで下痢をおこすことがあります。(牛乳よりはヨーグルトの方が乳糖を分解する酵素がはいっている分、ずっと下痢になる頻度は少ないです)
この場合、乳糖が多くないヨーグルトやプロバイオティクスが豊富なヨーグルトを食べることでその頻度を抑えることができるでしょう。
(参照:NIH「Lactose Intolerance」)
(参照:Probiotics for treating acute infectious diarrhoea)
(参照:Consumption of yogurt made from LB81 lactic acid bacteria* improved the subjects’ gut health as measured by the number of times stools occurred, as well as their volume and shape.)
ヨーグルトは免疫力もあげる

腸内にはたくさん細菌がいます。そのため、人体で最も免疫システムが活性化している場所の1つが腸管です。そのため、腸内環境と免疫力には密接な関係があるとされています。
実際、乳酸菌は免疫細胞の働きを活発にすることが報告されており、病気の感染を防御する効果があることがわかりました。
例えば、乳酸菌自体が他の有害な菌(ピロリ菌や淋菌やサルモネラ菌など)に対して抗菌作用をもたらす「抗菌ペプチド」を産生します。
さらに、乳酸菌は免疫細胞や様々なサイトカイン(免疫細胞からでるタンパク質)を介して、免疫を調節する機能も担っていることもわかっているのです。
実際、免疫力と乳酸菌摂取が関連しているとする臨床論文もあります。
例えば、ラグビー選手を対象に善玉菌を4週間摂取したグループとしないグループに30人ずつふりわけて感染症(風邪や胃腸炎など)の発現率をみた試験があります。結果、善玉菌を摂取することで、
- 1度も感染症にかからない確率が上昇(16/30 vs 6/30)
- 感染症になっても期間が短縮しやすい(3.4日 vs. 5.8日、p=0.054)
ということがわかりました。
小規模な臨床試験なので、エビデンスとしては不十分ですが、ヨーグルトは適量であれば特にリスクはありません。なので「普段の免疫力をあげたい」という方は、腸内環境から見直すのも1つの手ですね。
(参照:Probiotic supplementation reduces the duration and incidence of infections but not severity in elite rugby union players)
(参照:Modulatory Effects of Probiotics During Pathogenic Infections With Emphasis on Immune Regulation)
ヨーグルトはうつ病やメンタルヘルスにも有用

あまり知られていませんが、腸内細菌そうは神経伝達物質である「セロトニン」の合成に大きな関わりがあることがわかっています。セロトニンとは俗にいう「幸せホルモン」。幸福度が高い場合に出現するホルモンで、うつ病にもセロトニンレベルを上げる作用の薬が主に使われます。
韓国の研究によると、特にヨーグルトと運動を組み合わせるとセロトニンレベルが大幅に増加し、心血管疾患の指標である中性脂肪や高感度C反応性タンパク質レベルが低下したと報告しています。
そして、ヨーグルトを含めたプロバイオティクスがうつ病の発症に関連しており、うつ病のリスクを軽減する上で重要な役割を果たす可能性があることが報告されているのです。
整腸作用ほど十分な研究はされていませんが、メンタルヘルスが弱くなりやすい方は、運動と一緒にヨーグルトをとるとよいかもしれませんね。
ヨーグルトの効果的な食べ方は?

では、ヨーグルトの効果を最大限に引き出す食べ方はなんなのか。最新の論文で証明されているとっておきの秘訣をお伝えしましょう。
① ちょっとの糖分が大切
ついついダイエットをしていると「糖質を完全にぬく」など極端なことをしてしまいがちですが、ヨーグルトが胃酸のバリアを免れるためには空腹時よりも食事や食直前の方がよいことが「生きて腸に届きやすい」ことがわかっています。
実際、人間の胃腸の動きをリアルに再現した最先端のシミュレーション装置(TIM-1モデル)を用いた実験によると、何も守るものがない粉末の状態でビフィズス菌や乳酸菌(ガセリ菌など)を胃に投入した場合、胃を通過した後の生存率はビフィズス菌で5.3パーセント、乳酸菌にいたってはわずか1パーセントにまで低下してしまいます。
それが、有名なラクトバチルス・ラムノーサスGGという乳酸菌を使った酸耐性(酸への強さ)の実験では、強い酸の中にほんのわずかなブドウ糖を加えるだけで、菌の生存率が最大で100万倍(6桁)も向上することが確認されているんですね。
なぜかというと、乳酸菌はプレゼントされた糖をエネルギー源として使い(解糖系というエネルギーを作る仕組みを動かし)、細胞の膜にある「プロトンポンプ」という装置をフル稼働させて、自分の体の中に侵入してくる酸(水素イオン)を必死に外へ追い出す(能動的な水素イオンの排除)からです。この糖をエネルギーにする仕組みを薬で邪魔すると生存率がガクンと下がってしまうことから、糖をエネルギーにして酸と戦う菌の仕組みが科学的に証明されています。
プレーンヨーグルトに少量の果物(ベリー類など)やオーツ麦、あるいは少量のハチミツなどを組み合わせることは、実はヨーグルトを生かす「王道」だったんですね。
② 週3階の軽い筋トレと組み合わせる
ヨーグルトのダイエット効果をさらに例えば手段として、運動(レジスタンストレーニング=筋力トレーニング)との併用が極めて有効であるとされています。
実際、高度な肥満治療のために減量手術(胃を小さくする手術など)を受けた直後の患者さん52名を対象とした12週間の研究があります。減量術後はどうしても食事量が激減し、エネルギーが極端に不足するため、脂肪だけでなく筋肉も急速に落ちてしまいがちなんですね。
その状況で、乳酸菌などを強化したヨーグルトを食べるだけのグループと、それに加えて週に3回の軽い筋トレを組み合わせたグループを比較しました。
すると、ヨーグルトと筋トレを組み合わせたグループでは、エネルギー不足であるにもかかわらず、筋肉量の減少が最も強力に抑えられたのです!
脂肪を除いた組織全体の減少率はわずかマイナス2.32パーセントにとどまり、骨格筋(体を動かす筋肉)の純粋な減少もマイナス1.34キログラムという非常に少ない量に抑えられました。さらに、握力や、30秒間に何回椅子から立ち上がれるかという身体パフォーマンスのテストでも大幅な改善が見られています。
これは、ヨーグルトに含まれる高品質なカゼインやホエイといったタンパク質が筋肉に栄養(合成を促す働き)を届けるだけでなく、プロバイオティクスが「腸筋軸(腸と筋肉が互いに深く影響し合う仕組み)」を介して、私たちの体の中の糖や脂質、アミノ酸の代謝を理想的な状態に整えてくれるからだと考えられています。
特別な手術を受けていない私たちのダイエットでも、ヨーグルトを食べながら週に数回、スクワットなどの軽い運動を行うことで、同じように美しい引き締め効果が期待できるでしょう。
③ ホットヨーグルトにする場合は「53度未満」で
温かい状態でヨーグルトを食べる「ホットヨーグルト」は、お腹を温めて代謝を促す方法として人気がありますよね。しかし、ここで絶対に守らなければならない鉄則があります。それは、加熱する温度を必ず「53度未満」にとどめるということです。
ヨーグルトを作るために使われる菌(ストレプトコッカス・サーモフィラス菌、ラクトバチルス・アシドフィルス菌、ラクトバチルス・ブルガリア菌など)は、それぞれ約37度から46度前後の温かい環境で最も元気に働き、乳酸を作って牛乳のタンパク質を固めてくれます。
しかし、この菌たちの耐えられる限界の温度が53度なのです。
もしこれを超えて、例えば熱湯を注いだり、電子レンジでアツアツになるまで加熱したりすると、体に良い有益な菌たちが熱で死滅してしまいます。これではヨーグルトの持つせっかくの健康効果が台無しになってしまいますよね。
正しく温めるには、500ワットの電子レンジで30秒ほど様子を見ながら加熱し、私たちの体温に近い30度から40度程度の「人肌の温かさ」にしてみてください。菌を一番元気な状態に保ちながら、胃腸にも優しく取り入れることができますよ!
ヨーグルトの効果を最大限に発揮する時間は?

ヨーグルトには色々な効果がありますが、最適な時間というのもあります。「2つの原則」を教えましょう。
① 菌の生存率を高めるなら「食前30分以内」か「食事中」
まず、生きた菌を腸に届けるという目的においては、「食前30分以内」または「食事中」の摂取が最も優位であるといわれています。
商業用のプロバイオティクスを使って胃腸の中の動きを評価した研究(IViDiSモデルという実験)によると、おかゆや牛乳などの食事と一緒にヨーグルトを摂った場合、あるいは食事の30分前に摂った場合に、乳酸菌やビフィズス菌の生存数が最も多くなりました。
逆に、食後30分が経過して、胃の中が本格的な消化モードに入り、強い胃酸や十二指腸の液が活発に分泌されている時間帯では、菌がその攻撃を受けて生存数が著しく低下してしまうことが分かっています。せっかくなら、胃酸が食事で薄まっているタイミングを狙いたいですよね。
一部、食事のタイミングに影響されにくい菌もありますが、一般的なヨーグルトに含まれる乳酸菌については、食事の最初か、食事と一緒に摂るのがおすすめと考えられます。
② 食べすぎを防ぐなら「朝」、夜間の血糖を安定させるなら「夜」
ヨーグルトは目的によっても効果的な時間が異なります。
例えば、朝食べる場合、ヨーグルトに含まれる豊富なタンパク質が、GLP-1やペプチドYY(PYY)といった「食欲を抑えて満腹感を持続させるホルモン」の血中濃度を高めてくれます。そのため、その日1日の全体のエネルギー摂取量を自然と抑えてくれる効果が期待できますね。
これを次の食事(昼食など)の血糖値や食欲まで抑えてくれるという意味で「セカンドミール効果」と呼びます。
一方、夜ギリシャヨーグルトなどの高たんぱくなヨーグルトを食べるのは、血糖値を安定させるのに効果的。
実際、12週間のクロスオーバー試験(同じ人が時期をずらして両方のパターンを試す実験)によると、ゆで卵のような炭水化物が極めて少ない高プロテイン食を就寝前に食べると、翌朝の空腹時血糖値や夜間の血糖値の推移が最も安定することが分かっています。
ギリシャヨーグルトにはわずかに炭水化物が含まれていますが、そこに含まれる豊富な乳脂肪と、何よりも「カゼイン」というタンパク質が大きな役割を果たします。カゼインは胃の中で固まり、約8時間から15時間という非常に長い時間をかけてゆっくりと消化・吸収されるという珍しい特性を持っています。
このおかげで、胃からの排出が物理的に遅くなり、夜間のインスリンの働きが落ちている時間帯であっても、血糖値を急激に上げる(血糖スパイクを起こす)ことなく、眠っている間に少しずつゆっくりとアミノ酸(タンパク質の部品)を体へ供給し続けることができます。そのため、夜間の血糖値を8から12ポイントも低下・安定させ、翌朝の数値を健やかに保つことができると考えられているのです。
ぜひ夜間の血糖の急な上昇や低下を抑えたいなら、「夜」ヨーグルトを食べてみてください。
(参照:Utilizing the second-meal effect in type 2 diabetes: practical use of a soya-yogurt snack)
(参照:A low-carbohydrate protein-rich bedtime snack to control fasting and nocturnal glucose in type 2 diabetes: A randomized trial)
ヨーグルトを食べる際の注意点は?

このように、ヨーグルトは多くの健康効果が期待できる食品ですが、いくつかの注意点があります。例えば次の通りです。
- 乳製品アレルギー: 乳製品にアレルギーのある方は、ヨーグルトに含まれる乳成分に反応してしまう可能性があるため、摂取に注意が必要です。アレルギー症状が出る場合は、かかりつけ医に相談し、代替品を検討しましょう。
- 乳糖不耐症: 乳糖不耐症のある方は、ヨーグルトに含まれる乳糖を分解する能力が低いため、摂取すると消化不良や下痢などの症状が出ることがあります。無糖や低乳糖のヨーグルトを選ぶか、乳糖分解酵素のサプリメントを併用する、プロバイオティクスの豊富なヨーグルトを検討しましょう。
- 砂糖や添加物: 市販のヨーグルトには、砂糖や添加物が多く含まれていることがあります。カロリー過多や過剰な糖摂取を避けるため、無糖や低糖質のヨーグルトを選ぶことが推奨されます。また、添加物に対するアレルギーや感受性がある方は、成分表をチェックして選びましょう。
- 過剰摂取: ヨーグルトは健康に良いとされていますが、過剰摂取は避けるべきです。摂取量が多すぎると、カロリーや糖質の過剰摂取につながり、太りやすくなることがあります。特に、飲むヨーグルトのように気軽に取れるタイプや加工されているヨーグルトは過剰摂取に気をつけましょう。先の明治乳業との研究などから、ヨーグルトの量は1日100g〜200gくらいを目安にすることが言われています。
ヨーグルトの効果のまとめ

いかがでしたか?今回はヨーグルトの健康効果について解説していきました。まとめるとヨーグルトの健康効果として
- 整腸作用:下痢や便秘のどちらにも有効な可能性が高い
- 栄養源が豊富:低カロリーで高タンパク質。カルシウムをはじめとしたミネラルやビタミン類も豊富であり、補助食品に優れる
- 免疫力アップ:腸内細菌は免疫力とも大きな関係があります。実際、風邪や胃腸炎になりにくくなるという報告もあります。
- ダイエットに有用な可能性:若干弱いエビデンスですが、体重減少につながる可能性あります。ただし、加糖されていないギリシャヨーグルトがオススメです。
- うつ病やメンタルヘルスにも効果的?:腸内細菌は神経伝達物質である「セロトニン」の合成に関わっていることがわかっています。特に運動と組み合わせることによりセロトニン合成が促されるといわれています。
があげられます。もちろん「乳糖不耐症」「乳製品アレルギー」などヨーグルトが合わない方もいるので、ご自身のおなかの調子に合わせて日常生活に取り入れるとよいでしょう。
また繰り返しますが、ヨーグルトと一概にいっても様々です。中にはデザートに近いものもあります。健康にいいからと取りすぎると肥満や糖尿病などのリスクがかえって上昇してしまいます。
あくまで「適量」をまもることが大切ですね。食べ物に関しての個別相談も受け付けておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
【この記事を書いた人】
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

-1-830x510.webp)

















この記事へのコメントはありません。