喉の痛みにオススメの食べ物や飲み物について解説【コンビニでも入手可】

「ちょっと違和感があるな」と思ったら、時間がたつごとにどんどん悪化する「のどの痛み」。辛い人は唾液を飲み込むだけで痛いということもありますよね。

そんな時に病院に行けなくて「とりあえず、応急処置としてなんとかしたい」と思う方もいらっしゃるでしょう。

今回は、そんな急に来る「のどの痛み」に対して、どのような食べ物や飲み物が有効なのでしょうか。一緒にみていきましょう。これらの食べ物はコンビニやスーパーでも買えますよ。

のどの痛みの原因やコロナとの関連についてはのどの痛みはコロナ?のどが痛い時の原因やケアについて解説もあわせて参照してください。

のどの痛みに有効な食べ物や飲み物 その1:ハチミツ

のどの痛みに有効な食べ物で、まず挙げられるのが「ハチミツ」です。

ハチミツは実は181もの成分から構成されており、フルクトース、グルコース、フラクトオリゴ糖、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素などが中心となっています。中でもハチミツが持つ「グルコースオキシダーゼ」は、過酸化水素を生成する抗菌活性を持っていることや、糖類によってのどの粘膜の再生を促す効果をもつとされ、注目されているのです。

そして、ハチミツは咳の発生を抑える効果も期待できますが、喉の炎症を抑えやすいという効果が実証されています。

実際、200名の咽頭炎の患者さんを対象に抗生剤や抗炎症薬、うがい薬をしながら大さじ1杯のハチミツを1日2回与えたグループと、ハチミツを与えないグループにわけて、発熱・喉の痛み・患者さんの満足度などを比較したところ、

ハチミツを与えたグループの方がのどの痛みが緩和される期間が短縮され、患者さんの満足度も有意に高かったとしています。

また、同試験ではハチミツによる副作用は認められなかったとのことです。

注意点としては、生後1歳未満の乳児には「ボツリヌス菌」という菌の毒素により重篤な症状を引き起こす可能性があるので、与えないようにしてください。また、あまり舐めた分だけ効果がでるというものでもないので、適量にしてくださいね。(繰り返しますが、大さじ1杯、1日2回で十分です)

(参照:Role of honey as adjuvant therapy in patients with sore throat.)

のどの痛みに有効な食べ物や飲み物 その2:緑茶

緑茶は「緑茶カテキン」というポリフェノールが含まれており、多くの炎症性疾患の治療やアレルギー反応の軽減、傷の治療などにも古来から使われてきました。

また、カテキン類自体にウイルスや菌を抑える力があり、新型コロナでもスパイクタンパクと結合して唾液中にあるウイルスも不活化されるといったデータもあります。

実際、のどの炎症に対しても、特に「緑茶うがい」で実証されています。

例えば、のどに気管チューブが入っていると喉に異物が入り続けるため、だんだんのどが腫れてくるのですが、そうしたのどを炎症を抑えるために「緑茶うがい」がよいのではないかとランダム化試験が行われています。

実際、そうした102名の手術後の「のどの腫れ」に対して、何もしないグループ、甘草という炎症を抑える漢方薬でうがいしたグループ、緑茶でうがいしたグループにわけて比較したところ

甘草でうがいしたグループと緑茶でうがいしたグループは、何もしていないグループよりも、喉の痛み・咳・かすれ声が早く改善したとのことです。

同試験では、抜管後2時間ごとにうがいを行っていますが、ウイルス性の咽頭炎などでは、1日2~3回くらいが目安になるでしょう。甘草でうがいする、というのは漢方薬がないと難しいので緑茶でよいのではないでしょうか。

もちろん緑茶うがいは予防としても有用。特別養護老人ホームの入居者124名(平均年齢83歳)を対象に、緑茶うがいの効果を調査したところ、緑茶でうがいをするグループは水でうがいをするグループよりもインフルエンザ感染率が有意に低いという結果が得られています。(うがいを1日3回、3か月間実施)

試験はされていませんが、不活化されるという点ではうがいでも少量ずつ飲み込むのも同じですので、うがいまでできない人はちょこちょこ飲むのでもよいかもしれませんね。

ただし、緑茶にもカフェインが含まれており、飲みすぎると睡眠の質に影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。

(参照:Effect of Licorice and Green Tea Gargle on Post-Extubation Sore Throat, Cough and Hoarseness in Patients Undergoing Elective Surgery: A Randomized Controlled Trial
(参照:Gargling with tea catechin extracts for the prevention of influenza infection in elderly nursing home residents: a prospective clinical study
(参照:【論文掲載】茶カテキン類による新型コロナウイルス不活化効果を試験管内の実験で確認(京都府立医科大学と伊藤園の共同研究

のどの痛みに有効な食べ物や飲み物 その3:アイスクリームやゼリー

のどの痛みに有効な食べ物として「アイスクリーム」があげられます。のどごしがある程度よく、冷たく、摂取しやすいのが一番の理由ですね。他にはゼリー飲料やヨーグルトのようなものもオススメですね。

アイスクリームの喉の痛みに対する有用性も評価されています。例えば扁桃腺の手術した子供を対象に、「術後アイスクリームを食べたグループ」と「術後アイスクリームを食べてないグループ」にわけて、喉の痛みを評価したところ、術後アイスクリームを食べていないグループは19%痛みを訴えていたのに対して、アイスクリームを食べると痛みを訴えたグループは0%になったということです。

小規模な研究ですが、痛みに敏感な子供で痛みを感じにくくなっているのは驚きですね。

もちろん乳糖不耐症などの問題もあると思いますので、私としてはお粥やうどんなど「抵抗なくたべられるもの」を摂取して、栄養補給に努めていただきたいと思います。

(参照:The Effect of Ice Cream Intake on Pain Relief for Patients After Tonsillectomy. Cureus. 2020 Jul; 12(7): e9092.)

のどの痛みに有用な食べ物や飲み物 その4:生姜(しょうが)

のどの痛みに有用な食べ物として生姜(しょうが)があげられます。

ショウガには生理活性化合物が含まれており、最も注目される成分として「ショウガオール」があげられます。ショウガオールには抗炎症作用があり、のどの痛みを緩和する可能性が示唆されています。

また、生姜には抗菌作用もあり、喉の痛みを引き起こす感染症(細菌性またはウイルス性)と闘うのに役立つと考えられているのです。

このため、多くのかぜの引き始めの時の漢方薬にも生姜はよく使われています。例えば「葛根湯」「小青竜湯」「葛根湯加川芎辛夷」「桂枝湯」などですね。

しかし、これらの効果は薬理試験などで効果が確認されているものの、ヒトに対する臨床研究は乏しいです。体を温める作用があるので「かぜの引き始めでゾクゾクする」といった方にはオススメですね。

ちょっとピリッとした感じがあるので、刺激物に弱い方は無理をしないでください。

(参照:Gingerols and shogaols: Important nutraceutical principles from ginger

のどの痛みに「避けるべき」食べ物は?

では、逆にのどの痛みに避けるべき食べ物はなんでしょうか?簡単にいうと「喉をさらに刺激してしまう食べ物や飲み物」は避けるべきですね。

例えば、次のような食べ物はのどの痛みを悪化させてしまう可能性があります。

  • 辛い食べ物:唐辛子やペッパーなどはのどを刺激して痛みを悪化させる可能性があります。
  • 酸性の食べ物:すっぱい食べ物なども喉にしみるようなら、やめておいた方が無難です。
  • 炭酸飲料:炭酸を飲むとよくゲップをしませんか?胃酸が逆流するとのどの炎症を誘発させやすいので控えておいた方がよいでしょう。
  • アルコール:アルコールも喉の炎症を誘発させる恐れがあるのでやめておいた方がよいでしょう。
  • 多量のカフェイン:コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインは利尿作用があり、脱水傾向になる可能性があります。また、睡眠の質も低下するので注意が必要です。
  • 高温の食べ物や飲み物:炎症しているときは、あまりに高温の食べ物はかえって炎症を増悪させてしまいます。

また、食べ物や飲み物ではないですが「タバコ」はのどの炎症を刺激してしまいます。喉の痛みがつらい時は控えるようにしましょう。

まとめ ~のどの痛みで一番大切なこと~

今回は、のどの痛みのケアの1つとして「食べ物」や「飲み物」に注目してみていきました。

基本的には、うどんやアイス、ゼリー、おかゆなど「のどに刺激の少ないもの」を中心にとってもらい、緑茶などでうがいをしながら、はちみつや生姜などで炎症を抑えるというのが基本になると思います。

逆に喉に刺激になるような刺激物をとらないことが大切ですね。

しかし、今までのこと以上に大切なことがあります。それは「のどの原因をきちんと診断してもらうこと」です。あくまで上記の話は「咽頭部に炎症がある場合」の話です。のどだと思っていたら、全然違うところに原因があったりします。

また、のどの炎症だとしても民間療法だけでは限界があります。「セルフケアで我慢していたら、点滴や緊急入院が必要なくらい重症だった」ということも経験しています。

なので、あくまでこれらのことは「病院に行くまでのつなぎ」「病院の治療を受けながらの補完医療」として考えていただけたら幸いです。

【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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