コロナの下痢はいつまで続く?食事や整腸剤の改善法やコロナ後遺症との関係について

5類感染症になり、より一般に浸透してきた「コロナ感染症」。のどの痛みや鼻水など数多くの症状が報告されていますが、たびたび見かけるのが「下痢」や「吐き気」などの消化器症状です。

ほとんどは咳やのどの痛み、頭痛などを一番辛い症状としてあげますが、時折「吐き気や下痢がコロナで一番つらかった」という人もいますね。

実際、コロナで下痢はどれくらいの割合であるのでしょうか。今回はコロナと下痢の関係について

  • コロナの下痢はいつまで続くのか
  • コロナの下痢に対する食事や整腸剤
  • コロナ後遺症による下痢症状の特徴

を含めて、最新の論文から解説していきます。コロナによる他の症状については

も併せて参照してください。

コロナによる下痢はいつまで続く?

新型コロナウイルスは多彩な症状が出てくるのが特徴の1つですが、消化器症状がたびたび出やすいことも報告されています。

2020年から2022年の間にコロナの消化器症状に関する88件の報告をまとめた論文によると、コロナで消化器症状が出てくる割合は以下の通りとなっています。

  • 消化器症状全体:27%
  • 下痢:17%
  • 吐き気やおう吐:12%
  • 腹痛:8%

つまり、コロナでは消化器症状の中で最も下痢がでやすく、約6人に1人が症状として下痢を経験することがわかります。もちろん喉の痛みや発熱などは半分以上が経験するので、上気道症状よりは頻度は少ないですが、感染症の中では比較的起こりやすい症状の1つといえますね。

34.3%は水様便と報告されています。下痢の平均回数は1日3.3回ですが、最大回数は1日9回にも上ります。9回もトイレに行くのはかなり大変ですね。重篤になると血便になってくることもあり、消化管出血を呈することもあります。この場合は早急に医療機関に相談した方がよいですね。

同論文では、下痢は最初の症状から1日~8日くらいに出てくるといわれています。中央値は3.3日です。そのため、「後から下痢になってきた」という方も少なからずいます。現に当院で「最初の症状」として患者さんが教えてくれた症状のうち、消化器症状は約9%と報告よりも少ないですが、これは早めに来院してくれていることも理由の1つでしょう。

下痢がどれくらいの続くのかというと、平均4.1日(±2.5日)と報告されています。しかし、1日~14日まで報告されている日数には幅がありますね。14日も続くと隔離後の仕事にも支障が出てくるかもしれません。

下痢を甘く見る人もいますが、コロナ感染後に2次感染による大量の下痢を来し死亡した例も報告されています。また「下痢症状はコロナ重症度と相関する」とも言われています。どんな症状に対してもきちんと対応した方が無難でしょう。

(参照:Severity of COVID-19 in Patients with Diarrhoea: A Systematic Review and Meta-Analysis
(参照:大量下痢が長期間持続した重症新型コロナウイルス感染症の1例

コロナの下痢に対する食事や整腸剤は?

では、コロナの下痢に対して、食事や整腸剤はどのようにすればよいのでしょうか?さまざまな論文から以下のことが言われています。

① 整腸剤により下痢の期間が短縮する

新型コロナで下痢が起こる代表的な理由として

  • ウイルスによる腸管への直接障害が起こったから
  • ウイルスによる炎症性物質が腸管に影響を与えたから
  • ウイルス感染により腸内細菌叢が変化して異常をきたしたから

の3つが考えられています。したがって、プロバイオティクス、つまり整腸剤で腸内細菌叢をもとに戻そうする治療は理に適っているといえますね。

複数の研究で重度のコロナ感染者で下痢を呈している方で整腸剤を投薬したところ、下痢の期間が短縮したといわれています。例えば、2021年の中国の小規模研究では、入院患者に整腸剤を投薬したところ下痢の期間が2.3日短縮したと報告していますね。(11.5日から8.6日に短縮)

整腸剤は副作用も少ない薬なので、下痢症状があったら是非検討するとよいでしょう。

② コロナによる下痢の食事は「腸管に負荷をかけないこと」が大切

コロナウイルス感染でも、ウイルスがさまざまな経路を介して消化管にダメージを与えています。したがって、他の胃腸炎と同じように「消化管に過剰な負荷をかけない」ことが大切です。

胃腸炎に適した食事内容とは次の通りです。

  • 口当たりがよいもの
  • 味がうす味でからくないもの
  • 食物繊維の割合が低いもの
  • 調理されており、やわらかいもの

逆に揚げ物やスパイス、腸管に負荷がかかるナッツ類やチーズ、アルコールなどは避けておいた方がよいですね。

また、下痢の時に一番気を付けていただきたいのは「こまめに電解質を含んだ水分を補う」こと。下痢は言ってみれば「水分の喪失」です。そしてどんな治療も水分が十分でないとうまくいきません。

下痢になると「下痢が悪化するのが怖い」という理由から水分をとらない人がいますが、それは禁物です。特に高齢者や下痢症状が強い方はむしろ積極的に水分をとってください。

下痢症状の方は胃のもたれなども併発していることが多いので、少しずつ小分けにして常温で飲むようにしましょう。

あと電解質もとることを忘れずに。下痢は腸液にカリウムが豊富なため、カリウムが低下しやすくなります。スイカなど、果物類を適宜とるとよいですね。詳しくは胃腸にやさしい食べ物は?胃腸が悪い時におすすめな食べ物・避けるべき食べ物についても参考にしてください。

ただし、前述の通り重度の場合には入院や集中治療が必要なケースもあります。自分で解決するのにも限界がありますので、あまりにつらい場合には医療機関にも相談しましょう。

(参照:COVID-19, the Gut, and Nutritional Implications
(参照:The efficacy of probiotics in patients with severe COVID-19

コロナ後遺症による下痢について

実は、下痢症状はコロナ後遺症でしばしば起こりうる症状の1つ。東京都のアンケート調査によると、コロナ後遺症として「倦怠感」や「咳」といった症状が中心ですが、下痢症状をあげる方が4.4%います。

また、海外での報告ではコロナで入院された方で下痢などの消化器症状があった方のうち、中央値106日でも消化器症状が残っていた方は16%にも上るといわれています。また、一度症状が回復された方でも40%が新しい胃腸症状を報告したとしていますね。

なぜ下痢症状がコロナ後遺症として残ってしまうのかは、はっきりとわかっていません。しかし、コロナ感染後3か月以内での腸生検でコロナの抗原が検出された例が報告されているため、消化器症状もコロナの直接障害が続いているからかもしれません。また、前述の通り、腸内細菌叢が破壊されていることが関連しているという見方もあります。

いずれにせよ、コロナ感染症は多彩な後遺症を来しやすいウイルスの1つです。ぜひコロナ後遺症でお悩みの方もご相談ください。他のコロナ後遺症について、下記にもまとめてありますので、あわせてご参考ください。

【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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