新型コロナの症状について【2024年最新版・期間や経過も紹介】

依然、季節を問わず猛威をふるいやすいのが「新型コロナウイルス感染症」です。特にここ最近再度増えてきましたね。

しかし、最近はコロナの症状などが報道されなくなったこともあり、いざ体調が悪くなった時に「どの症状がコロナ感染症かわからない」とお悩みになられる方も多いのではないでしょうか。

そこで、当院で来院された132名の新型コロナ陽性者の症状についての情報を解析し、発熱やのどの痛みや鼻水などの特徴を踏まえて、わかりやすくお話していきます。また、コロナの初期症状が出たらどう対応すべきか等も説明していきます。

現在流行中の「JN.1株」についてはコロナ変異株「JN.1株」の特徴について【最新株・症状】も参考にしてください。

新型コロナの主な症状は?

当院で新型コロナ陽性となった直近132名の方の訴えられた主な症状は次の通りです。(平均年齢41.3歳、女性の割合は60.6%。複数回答可)

  • のどの痛み:75%
  • 発熱(38度以上):74%
  • 鼻水:67%
  • 咳・痰:53%
  • 頭痛:41%
  • 体の痛み:25%
  • 息苦しさ:19%
  • 倦怠感・だるさ:11%
  • 消化器症状(吐き気・下痢など):6%
  • 味覚嗅覚障害:3%

となっています。やはり、発熱上気道症状を中心に訴えられるかたが多いですね。息苦しさはご本人が訴えられる症状として言われているので、いわゆる酸素飽和度が低い「呼吸困難」という状況ではありません。

また、だるさや倦怠感も発熱などの他の症状がつらくて、訴えとして挙げられていないため、他の報告よりも低い印象がありますね。

統計的にみるとわかる通り、味覚嗅覚障害を訴えられる確率はかなり低くなった(3%)ように感じます。各症状の特徴は後述します。

新型コロナの症状の特徴と経過は?

全体的な新型コロナの症状の特徴としては「症状の多彩さ」があげらます。

こちらは、直近の50例の方で訴えられた「症状の数」を円グラフにしたものです。最高で「7つ」の症状をあげた方もいましたが、多くは、4つくらい症状を上げています。(例えば、発熱、頭痛、喉の痛み、咳・痰といったようですね)

平均すると3.8個あげていました。

しかし、一方で、「発熱と関節痛だけ」「咳とだるさだけ」「鼻水だけ」といったように、症状が乏しいケースも存在します。(鼻水だけのケースは家族内のコロナ感染から判明しました)

このように考えると、さまざまな感染症を見ていますが、新型コロナは「結構幅広い症状に対して考えないといけないな」と感じますね。

多くの症状は5日~7日くらいです。一部の症状は悪化もしくは長引き、再度受診するケースもあります。そして稀に後遺症として残ることがあります。

後遺症については新型コロナ「オミクロン株」 での後遺症の割合や症状・期間についても参照してください。

新型コロナの各症状の特徴は?

では、もう少しコロナの症状のそれぞれの特徴を考察してみます。

① のどの痛み

のどの痛みは最も訴えやすい症状の1つです。当院では75%の方がのどの痛みをコロナの症状として訴えていました。

痛みの程度はさまざまで「のどの違和感がする」くらいのものから「イガイガが強くてつばも飲み込めない」というものまで多彩にあります。

オミクロンBA.5株あたりは、かなり強いのどの痛みを訴えられ「なんとかしてほしい」と言われる方も多かったですが、ここ最近はそこまで言われなくなってきている印象です。

ただし、のどの痛みと高熱症状だけが症状で陽性になるケースでは「かなり強烈な痛み」になっていることもあります

喉の痛みの区別のしかたについてはのどの痛みはコロナ?のどが痛い時の原因やケアについて解説も参考にしてください。

② 発熱

発熱は最も訴えやすい症状であり、当院では74%の方がコロナの症状として訴えていました。

38度~39度になることもしばしばで、ここ最近発熱の確率が上がっていると思います。(5類になって発熱しないと病院にかからないから、ということもあるかもしれません)

一方、逆にいうと残りの26%は38度以下でも新型コロナとして発症しています。37.3度くらいの微熱で陽性になることもありましたね。

なので、「発熱していないから絶対にコロナではない」とはなかなか言いにくいです。

② 咳や痰

咳や痰も言われやすい症状ですね。当院では53%の方がコロナの症状として咳や痰をあげています。

咳や痰の発症起点も多彩で「のどの炎症がほとんどなくて、呼吸器症状が中心のケース」もありましたし、鼻水などの症状が強くて、咳や痰も一緒に出てくるというケースもありました。どちらかという後者の方が多い印象ですね。

また、息苦しさを伴うこともしばしばあり、もっとも長引きやすい症状の1つだとも思います。詳しくは痰や咳はコロナから?痰のからむ咳の原因や対処法について解説も参考にしてください。

③ 鼻水

鼻水は以前はそこまで言われませんでしたが、近年よく言われるようになった症状の1つです。実際、当院では67%の人がコロナの症状として鼻水をあげています。

実際、下気道から上気道~上咽頭への炎症が中心になっているケースが多いように感じます。鼻水の性状としては感染性らしくネバり気が強い印象ですね。色は無色から黄色味がかかったものまでさまざまです。

詳しくは鼻水はコロナから?風邪とコロナ・花粉症の見分け方について解説も参考にしてください。

④ 頭痛・関節痛

頭痛も近年よく言われやすくなった症状であり、当院では41%の人がコロナの症状として頭痛をあげています。

発熱と一緒に出てくることが多いですが、「最も強い症状」として頭痛をあげる人は多いですね。ガンガン響くような頭痛になることもしばしばあります。

関節痛は21%の方が当院では主症状としてあげていますが、「ふしぶしの痛み」としてよく言われます。たまに、非常に激烈な痛みで後遺症として残るケースがあります。

詳しくは頭痛はコロナから?新型コロナ感染症による頭痛の特徴について解説【症状・対処法】も参考にしてください。

⑤ 息苦しさ

息苦しさも比較的いわれやすい症状であり19%がコロナの症状として挙げています。ただし、酸素飽和度が低下して入院が必要になるほどの例は直近ではありませんでした。

実際に気道狭窄になっている例から発熱や上咽頭の炎症から「息苦しさ」として表現することもありますね。

⑥ 倦怠感・だるさ

倦怠感は実際の文献上や海外の報告ではよく言われる症状の1つです。

当院では倦怠感は「主症状」として訴える割合は11%にとどまっています。しかし、発熱やのどの痛みが強くて「だるさ」をあまり表現しなかっただけかもしれません。

倦怠感は後からかなり辛く発症される例があり、その場合は非常に長く後遺症になることもあります。

  • ずっと横になって寝ていたい
  • どうしても内容が頭に入っていかない

などもコロナ後遺症としてよく言われるところです。詳しくはだるいのはコロナ?だるさや倦怠感について解説【原因・治し方】も参考にしてください。

⑦ 消化器症状

消化器症状も実はコロナでは発症することのある症状の1つです。当院では6%が消化器症状を呈しします。直近でも1例だけ消化器症状が中心だったケースがありましたね。よく言われる症状としては「吐き気・おう吐・下痢」です。

特に気持ち悪さがつらいといわれることがありますね。詳細についてはコロナの下痢はいつまで続く?食事や整腸剤の改善法やコロナ後遺症との関係についても参照してください。

⑧ 味覚障害・嗅覚障害

味覚障害や嗅覚障害は、以前は非常に代表的なコロナの症状の1つでしたが、今はかなり少なくなっています。当院では3%です。しかし、味覚障害や嗅覚障害は、一度発症すると比較的長い期間治療が必要になりやすい症状です。ぜひ放置しないで、医療機関に受診するようにしましょう。

詳しくは新型コロナ感染症と味覚障害について【治療法・割合・原因】も参照してください。

(参照:CDC「Update on SARS-CoV-2 Variant JN.1 Being Tracked by CDC」
(参照:CDC「Symptoms of COVID-19」

新型コロナの症状が疑わしい場合は、どう対応すべき?

では、いざコロナが疑わしい症状だったらどう対応すべきでしょうか?

まず原則は医療機関に受診するようにしましょう。新型コロナの感染力はインフルエンザと比較しても非常に高く、原因がわからないまま放置すると感染拡大やクラスター発生の原因にもなります。また、重症化リスクの方には依然として脅威のウイルスであり、そうでない方も後遺症が残りやすいウイルスであることには変わりません。

発症3日早期なら抗ウイルス薬を処方することもできますし、抗ウイルス薬により発症期間を短縮させ、入院率を低下させたり後遺症のリスクを減らすこともできます。いずれにせよ医療機関で原因を追求することは非常に大切なことです。(抗ウイルス薬についてはコロナで使われる薬について【一覧・種類・自己負担】を参照してください)

中には38度以上の熱が出た人も市販薬で様子をいますが、それは厳禁です。「明らかに普通と違う状態」があるなら、病院に受診してください。(「昨日発熱したけど、翌日下がっていたから問題ない」を思うのも早計です)

一方、もちろん放置はよくありませんが、「軽いのどの痛みがあるかな」くらいだと検査として陽性が出にくいこともあります。ケースバイケースですが、1日くらいなら遅れても大丈夫なので、はっきり症状が出てから検査するのも1つの手ですね。それくらいの症状なら市販薬で様子を見るのもよいでしょう。

詳しくは新型コロナに対する市販薬について【発熱や咳などの症状別】も参考にしてください。

新型コロナの症状についてのまとめ

このように、新型コロナは「多彩な症状として言われやすい」感染症の1つです。

また抗ウイルス薬もありますが、他の抗ウイルス薬・抗生剤と比較しても高額であり(3割負担で15,000円以上)、治療にもしばしば難渋する疾患とも言えます。(特に後遺症)

各感染症についての特徴もまとめてありますので、「疑わしいな」と思ったら自己検査を正しく行っていただいたり、医療機関に受診して検査してもらったりしながら、早めに治療に専念していただきたいと思います。

【この記事を書いた人】 
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。

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