依然、季節を問わず猛威をふるいやすいのが「新型コロナウイルス感染症」です。特にここ最近再度増えてきましたね。
しかし、最近はコロナの症状などが報道されなくなったこともあり、いざ体調が悪くなった時に「どの症状がコロナ感染症かわからない」とお悩みになられる方も多いのではないでしょうか。
そこで、当院で来院された最近の129名の新型コロナ陽性者の症状についての情報を解析し、発熱やのどの痛みや鼻水などの特徴を踏まえて、わかりやすくお話していきます。また、コロナの初期症状が出たらどう対応すべきか等も説明していきます。
また、最近主流株になりつつある「XEC株」については新型コロナ「XEC株」の特徴について【最新株・症状・推移】を参照してください。
インフルエンザの症状については、インフルエンザの症状の特徴について【最新版】を参照してください。
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新型コロナの主な症状は？
当院で新型コロナ陽性となった直近129名の方の訴えられた主な症状は次の通りです。（平均年齢39.3歳、女性の割合は55.0％。複数回答可）
- のどの痛み：74.4％
- 発熱（38度以上）：72.9％
- 咳・痰：66.7％
- 鼻水：48.1
- 頭痛：39.5％
- 体の痛み：20.9％
- 息苦しさ：17.1％
- 倦怠感・だるさ：12.4％
- 消化器症状（吐き気・下痢など）：4.7％
- 味覚嗅覚障害：3％
となっています。やはり、発熱や上気道症状を中心に訴えられるかたが多いですね。息苦しさはご本人が訴えられる症状として言われているので、いわゆる酸素飽和度が低い「呼吸困難」という状況ではありません。
また、だるさや倦怠感も発熱などの他の症状がつらくて、訴えとして挙げられていないため、他の報告よりも低い印象がありますね。
統計的にみるとわかる通り、味覚嗅覚障害を訴えられる確率はかなり低くなった(3%)ように感じます。各症状の特徴は後述します。
新型コロナの症状の特徴と経過は？
全体的な新型コロナの症状の特徴としては「症状の多彩さ」があげらます。
こちらは、直近の129例の方で訴えられた「症状の数」を円グラフにしたものです。最高で「7つ」の症状をあげた方もいましたが、多くは、４つくらい症状を上げています。（例えば、発熱、頭痛、喉の痛み、咳・痰といったようですね）
平均すると3.6個あげていました。
しかし、一方で、「発熱と関節痛だけ」「咳とだるさだけ」「鼻水だけ」といったように、症状が乏しいケースも存在します。（鼻水だけのケースは家族内のコロナ感染から判明しました）
このように考えると、さまざまな感染症を見ていますが、新型コロナは「結構幅広い症状に対して考えないといけないな」と感じますね。
多くの症状は５日～7日くらいです。一部の症状は悪化もしくは長引き、再度受診するケースもあります。そして稀に後遺症として残ることがあります。
後遺症については新型コロナ「オミクロン株」 での後遺症の割合や症状・期間についても参照してください。
新型コロナの各症状の特徴は？
では、もう少しコロナの症状のそれぞれの特徴を考察してみます。
① のどの痛み
のどの痛みは最も訴えやすい症状の１つです。当院では74.4％の方がのどの痛みをコロナの症状として訴えていました。
痛みの程度はさまざまで「のどの違和感がする」くらいのものから「イガイガが強くてつばも飲み込めない」というものまで多彩にあります。
オミクロンBA.5株が流行した2022年～2023年あたりは、かなり強いのどの痛みを訴えられ「なんとかしてほしい」と言われる方も多かったですが、ここ最近はそこまで言われなくなってきている印象です。
ただし、のどの痛みと高熱症状だけが症状で陽性になるケースでは「かなり強烈な痛み」になっていることもあります。
喉の痛みの区別のしかたについてはのどの痛みはコロナ？のどが痛い時の原因やケアについて解説も参考にしてください。
② 発熱
発熱は最も訴えやすい症状であり、当院では72.9％の方がコロナの症状として訴えていました。
38度～39度になることもしばしばで、ここ最近発熱の確率が上がっていると思います。（５類になって発熱しないと病院にかからないから、ということもあるかもしれません）
一方、逆にいうと残りの27％は38度以下でも新型コロナとして発症しています。37.3度くらいの微熱で陽性になることもありましたね。
なので、「発熱していないから絶対にコロナではない」とはなかなか言いにくいです。
② 咳や痰
咳や痰も言われやすい症状ですね。当院では66.7％の方がコロナの症状として咳や痰をあげています。
2024年夏時点では53％が咳症状を訴えられていたので、最近になって咳症状を中心に訴えられている方が増えてきています。
咳や痰の発症起点も多彩で「のどの炎症がほとんどなくて、呼吸器症状が中心のケース」もありましたし、鼻水などの症状が強くて、咳や痰も一緒に出てくるというケースもありました。
また、息苦しさを伴うこともしばしばあり、もっとも長引きやすい症状の１つだとも思います。詳しくは痰や咳はコロナから？痰のからむ咳の原因や対処法について解説も参考にしてください。
③ 鼻水
鼻水は以前はそこまで言われませんでしたが、近年よく言われるようになった症状の１つです。実際、当院では48.1％の人がコロナの症状として鼻水をあげています。
2024年夏時点では67％の方が訴えられていたので、ここ最近では鼻水を中心に訴える方は少なくなっていますね。（当院は内科なので、耳鼻科に受診しているのかもしれませんが）
実際、下気道から上気道～上咽頭への炎症が中心になっているケースが多いように感じます。鼻水の性状としては感染性らしくネバり気が強い印象ですね。色は無色から黄色味がかかったものまでさまざまです。
詳しくは鼻水はコロナから？風邪とコロナ・花粉症の見分け方について解説も参考にしてください。
④ 頭痛・関節痛
頭痛も近年よく言われやすくなった症状であり、当院では39.5％の人がコロナの症状として頭痛をあげています。
発熱と一緒に出てくることが多いですが、「最も強い症状」として頭痛をあげる人は多いですね。ガンガン響くような頭痛になることもしばしばあります。
詳しくは頭痛はコロナから？新型コロナ感染症による頭痛の特徴について解説【症状・対処法】も参考にしてください。
関節痛は20.9％の方が当院では主症状としてあげていますが、「ふしぶしの痛み」としてよく言われます。たまに、非常に激烈な痛みで後遺症として残るケースがあります。インフルエンザは関節痛を中心に訴える方もしばしばいますが、新型コロナでは少なくなっていますね。
⑤ 息苦しさ
息苦しさも比較的いわれやすい症状であり17.1％がコロナの症状として挙げています。ただし、酸素飽和度が低下して入院が必要になるほどの例は直近ではありませんでした。
実際に気道狭窄になっている例から発熱や上咽頭の炎症から「息苦しさ」として表現することもありますね。
⑥ 倦怠感・だるさ
倦怠感は実際の文献上や海外の報告ではよく言われる症状の１つです。
当院では倦怠感は「主症状」として訴える割合は12.4％にとどまっています。しかし、発熱やのどの痛みが強くて「だるさ」をあまり表現しなかっただけかもしれません。
倦怠感は後からかなり辛く発症される例があり、その場合は非常に長く後遺症になることもあります。
- ずっと横になって寝ていたい
- どうしても内容が頭に入っていかない
などもコロナ後遺症としてよく言われるところです。詳しくはだるいのはコロナ？だるさや倦怠感について解説【原因・治し方】も参考にしてください。
⑦ 消化器症状
消化器症状も実はコロナでは発症することのある症状の１つです。当院では4.7%が消化器症状を呈しします。直近でも１例だけ消化器症状が中心だったケースがありましたね。よく言われる症状としては「吐き気・おう吐・下痢」です。
特に気持ち悪さがつらいといわれることがありますね。詳細についてはコロナの下痢はいつまで続く？食事や整腸剤の改善法やコロナ後遺症との関係についても参照してください。
⑧ 味覚障害・嗅覚障害
味覚障害や嗅覚障害は、以前は非常に代表的なコロナの症状の1つでしたが、今はかなり少なくなっています。当院では3.1%です。最近はほとんど訴える方はいなくなりました。
しかし、味覚障害や嗅覚障害は、一度発症すると比較的長い期間治療が必要になりやすい症状です。ぜひ放置しないで、医療機関に受診するようにしましょう。
詳しくは新型コロナ感染症と味覚障害について【治療法・割合・原因】も参照してください。
（参照：CDC「Update on SARS-CoV-2 Variant JN.1 Being Tracked by CDC」）
（参照：CDC「Symptoms of COVID-19」）
当院では55％に対して、新型コロナの治療薬を処方しています
新型コロナが5類に移行してから、新型コロナの治療薬は公費ではなくなり3割負担となりました。
もともと高額な治療薬であり、1万5000円から最大3万円近く払うことになりますが、当院では経済的なことや医学的なことも含めてお話ししたうえで、患者さんに治療薬を希望するか選んでもらっています。
（新型コロナ治療薬の詳細についてはコロナで使われる薬について【一覧・種類・自己負担】を参照してください）
結果、55％の方が新型コロナの治療薬を希望されるという結果になりました。ちょうど半分よりやや処方よりですね。
理由は様々ですが、
- あまりに症状が辛いから一刻も早く治したい
- もともと基礎疾患があるので、きちんと治したい
- 前回、コロナの後遺症で辛いめにあったから処方してほしい
- 周りへの影響も緩和したいし、症状がよくなるのであれば処方してほしい
などがあります。もともと高額な治療薬なので、どの医療機関でも気軽に処方できる薬ではありません。当院では薬局と連携して確保してもらいながら、患者さんにとってベストな治療法を選択していきますので、心配される方はぜひご来院ください。
新型コロナの症状が疑わしい場合は、どう対応すべき？
では、いざコロナが疑わしい症状だったらどう対応すべきでしょうか？
まず原則は医療機関に受診するようにしましょう。新型コロナの感染力はインフルエンザと比較しても非常に高く、原因がわからないまま放置すると感染拡大やクラスター発生の原因にもなります。また、重症化リスクの方には依然として脅威のウイルスであり、そうでない方も後遺症が残りやすいウイルスであることには変わりません。
発症3日早期なら抗ウイルス薬を処方することもできますし、抗ウイルス薬により発症期間を短縮させ、入院率を低下させたり後遺症のリスクを減らすこともできます。いずれにせよ医療機関で原因を追求することは非常に大切なことです。（抗ウイルス薬についてはコロナで使われる薬について【一覧・種類・自己負担】を参照してください）
中には38度以上の熱が出た人も市販薬で様子をいますが、それは厳禁です。「明らかに普通と違う状態」があるなら、病院に受診してください。（「昨日発熱したけど、翌日下がっていたから問題ない」を思うのも早計です）
一方、もちろん放置はよくありませんが、「軽いのどの痛みがあるかな」くらいだと検査として陽性が出にくいこともあります。ケースバイケースですが、1日くらいなら遅れても大丈夫なので、はっきり症状が出てから検査するのも１つの手ですね。それくらいの症状なら市販薬で様子を見るのもよいでしょう。
詳しくは新型コロナに対する市販薬について【発熱や咳などの症状別】も参考にしてください。
新型コロナの症状についてのまとめ
このように、新型コロナは「多彩な症状として言われやすい」感染症の１つです。
また抗ウイルス薬もありますが、他の抗ウイルス薬・抗生剤と比較しても高額であり（3割負担で15,000円以上）、治療にもしばしば難渋する疾患とも言えます。（特に後遺症）
各感染症についての特徴もまとめてありますので、「疑わしいな」と思ったら自己検査を正しく行っていただいたり、医療機関に受診して検査してもらったりしながら、早めに治療に専念していただきたいと思います。
【この記事を書いた人】
一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介と申します。プロフィールはこちらを参照してください。
鼻水と下痢症状が３日間位続き、昨年９月末に救急搬送されて立川市の国立災害医療センターに運ばれて簡易検査で新型コロナウイルス感染症と診断されて約２週間入院して退院しました！
今日現在昨年の救急搬送された時の症状に似ているので、此処に尋ねてみました!
但し、熱は有りません！平熱です！
菅様
2週間入院とは大変な思いをされましたね。
鼻水と下痢だけというのは、コロナの症状の中ではあまり典型例ではないと思いますが、
３日前から突然発症されたのであれば、感染性疾患である可能性は高いので、
病院に受診されて、きちんと検査をうけた方が望ましいと思います。
2024年9月早々にコロナに罹患してしまい、まさしく頭痛、体中の筋肉痛、目の奥の痛み、鼻の奥の乾きと腫れぼったさに悩まされています。
ゾコーバを服用して2日目には喉の痛みや筋肉痛は和らぎましたが、頭痛は続き、鼻水や咳や痰などの症状がでてきました。3日目服用して、まだ怠さと鼻の不快感は治りませんが、ゾコーバのおかげでここまで回復した気がしています。
こちらのサイトで、皆様同じような症状なのだと分かり参考になりました。
ありがとうございました。
少しでもまろさまのお役に立てたのなら嬉しいです！ありがとうございます。
3日前、喉の痛み．こもった咳
熱は37.5 解熱剤を飲み様子を見てましたが、喉の痛みがかなりひどかったので昨日受診、コロナ陽性反応が出ました。今日は、熱も平熱
喉の痛みもなくなりましたが5日間は外出禁止した方が良いですか？
北島様
そうですね。ウイルスがいることには変わりないので、原則は5日間は外出しない方が望ましいと思いますが、
医療機関に受診した際の指示にしたがってもらうのが一番だと思います。
最初頭痛が２日間ほど続き、その後花粉症のようなサラサラした鼻水とくしゃみが２日間…
そして今日は37.2℃の発熱がありました。
くしゃみと水のような鼻水が凄かったので最初は花粉症に罹患したかと思いましたが、熱で違う事が分かりました。
コロナの確率はどのくらいでしょうか？
喉は痛くないですが痒いです。
今年の６月にコロナに罹りましたが症状が同じではありません
きょん子様
それはお辛いですね。コメントありがとうございます。
同じ鼻水でも花粉症と感染症では異なってきますし、鼻の粘膜の炎症程度など含めて総合的に判断することがほとんどです。
したがって、症状だけ聞いて「コロナの確率は○○％」といったことはお答えすることができません。
それよりもコロナを疑っているなら、抗原検査などを用いて、ぜひ検査してみてください。
家族全員コロナ感染中です。
職場でもらった抗原検査キットを使い陽性が判明、発熱、喉の痛み、咳など、症状ありますが、受診はせず市販の咳止めや解熱鎮痛剤などで、対処しています。
世間で言われているほど辛くもないので受診していません。
やーちゅ 様
症状がつらくなくて、それはよかったです！
そういう方ももちろんいらっしゃいますので、よくわかります。
あとは後遺症の問題だけですね。みなさまが無事で過ごされることを心より願っております。
20241213金曜日の明け方身体のだるさに鼻詰まりで
何いつもとは違和感があり
朝一近くの内科へ受診 結果コロナでした。
日曜日辺りには鼻詰まりもましに熱も36台でしが
夜10時過ぎに熱を計ると37.6
その頃なは突然咳がで初めました。
連続で出るので胸が少し痛くなります。
月曜日にもう一度受診をした方が良いですか
近くの学校では殆ど閉鎖状態で、
インフルエンザ マイコプラズマ肺炎 コロナ
が流行ってます。
コロナだったと判明して安心というわけではありません。
もちろん症状がいろいろ変わったり、重症化したりすることもあります。
症状が辛いようなら、診察した近くの内科へご相談して指示を仰いでください。